【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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●雪山の恐怖~迫り来るもの

      2017/06/06

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2000年代初頭、私がとある雪山で体験した恐怖をお話しようと思います。

その当時大学生だった私は山岳部に入り、仲の良い友人も出来て充実した大学生活を送っていました。

山岳部の中でも特に仲の良かった浩光と紘一(共に仮名)とはサークルの活動だけでなく、実生活の方でも非常に親しくなることが出来ました。

そんな私達はまだ大学2年生であり、就活や卒論までにはまだまだ時間の余裕があったので2年の後期が終了するとともに、3人で旅行に行くことに決めました。

当然のように私達の旅行というのは登山の絡むものとなりました。

当時何度かの冬登山の経験を積んでいたとはいえ、まだ私達は自分たちだけでリードできるほどの自信は持っていませんでした。

そこで私達は浩光の実家近くのK山に登ることにしました。

K山ならば浩光も子供の頃から何度か登っており、自信があるというのです。

私達の旅行は3泊4日の予定で、初日に浩光の実家に泊めてもらい翌日から2日かけて山を堪能する計画にしました。

浩光の地元に着いた私達は浩光に案内をしてもらい市内の観光がてら神社で登山の安全祈願をしに行くことにしました。

地元で最大の神社にお参りをしようと境内に入った時に紘一がピタリと足を止めてしまいました。

どうしたのか不思議がる私達に紘一は

「嫌な視線を感じるわ……良くないわこれ……よくない……絶対」

と言って冬だと言うのに汗をかき始めてしまいました。

紘一はいわゆる「視える人」です。

普段の生活ではあまりそれを表面に出す事無く生活しているのですが、何か大きな危険や不気味で不穏な気配を感じるとこのようになってしまうのです。
(本人は見える気配と言っていました)

実際に以前紘一が「明日嫌だわ」と言った翌日に学校の天井を突き破って死者の出る事件がありました。

私達はそれを知っていたので

「じゃあ、もう帰って温泉につかってゆっくりしようぜ」という浩光の提案に乗って帰宅することにしました。

書き忘れていましたが浩光の実家は温泉旅館を経営しています。

帰宅途中も紘一はあまり浮かない顔をして何か「ぅん来んなよ……ぅん」などと言っていた気がします。

浩光も紘一を気にかけて

「大丈夫だよ、俺のじいちゃんから悪いのを追っ払う方法聞いておいてやるからな!」

と言って励まそうとしていました。

ちなみに浩光が帰宅してからお爺さんに聞いた追い払う方法と言うのは大きな声で

「喝っーーーーーーーーーーー!」

と気合を霊にぶつける方法でした。

あまりにアホ臭かったのですが空気は和み、私達は温泉につかり翌日に備えて早めに床にもぐりこみました。

翌日の天気は快晴、絶好の登山日和となったK山に私達は興奮を抑え切れませんでした。

前日はずっと心配そうな顔をしていた紘一もこの時は「早く登りたい!」という気持ちが顔から溢れていました。

私達は午前8時に出発し順調に登山を開始しました。

冬の山は一見殺風景ですが、時間や高度によって変わる空気の味や、白い世界に際立つ生命の痕跡など、普通の登山とは違った楽しみが存在します。

私ももう一つの趣味の写真などを楽しみつつ非常に充実した時間を過ごしていました。

私たち3人は午前中を各々が山を楽しむ形で歩き続け、中腹にある山小屋を目指して登っていました。

空気が変わったのはちょうど昼頃を回った時でした。

天気は晴れたままだったのですが、空気が固定されたように感じ、動きや気配と言うものが消えてしまったかのように感じたのを覚えています。

それまでは浩光を先頭にかなりゆったりとしたペースで紘一、私と続くように歩いていました。

ところがその静止した空気を私が周囲に感じ始めた頃から紘一のペースが俄然速くなりました。

雪山と言うのはパッと見はまさに死の世界です。

私はこのまま浩光と紘一に置き去りにされ何も無い白の空間を彷徨う恐怖を感じ急いで追いかけました。

幸い置いて行かれることは無かったのですが、追いついた紘一の様子が変です。

その頃には浩光も心配して紘一の様子を見に少し降りてきていました。

紘一は蒼白な顔で

「ダメだわ、付いて来ちゃったダメだ。よくないって……だめだめだめだ」

と呟いていました。

私達も昨日のあれなのかなと思い、二人で顔を見合わせていると紘一は急に顔を上げ

「後ろ見んなよ!後ろみんなよ!」

と言った後

「ごめん!昨日のあれ付いてきてるみたいだわ。俺怖いよ。やばいよ」

と言って今にも泣き出しそうな顔になりました。

私には霊感が無いので、その時は後ろを見ても何も見えないだろうと思い紘一の忠告を無視して後ろを見てしまいました。

すると『それ』がいました。

私達の後ろ50メートル程の所に何か人ではない何かがこちらをじっとうかがって見ています。

浩光を見ると浩光も同様のものを見てしまったようで、顔が固まっています。

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私は始めて見る心霊現象に驚きつつもそれを観察していました。

頭は縦に長く、黒い髪が顔全体にかかっているようです。

シルエットは少し膨れた人間のようなものなのですが、白い毛が体全体に生えているのかそれとも体がかすんでいるのかぼんやりとしか見えませんでした。

何より気配や存在感が明らかに人ではありませんでした。

明らかに周囲の世界や雰囲気から浮いているのです。

『それ』が動きもせずにじっとこちらを見上げてたたずんでいるのです。

不思議なことに私は『それ』から緑の視線を感じていました。

説明が難しいのですが、緑色の視線としか形容できないものです。

紘一は「ダメだろあれ?もうあかんだろ?」と何やら錯乱しているようで、ほとんど泣いていました。

紘一の恐ろしさが伝染したのか私も浩光も泣いてしまい、泣き顔で「諦めんなよ!」やら「逃げるぞ!」などとお互いを叱咤しました。

幸いそれと私達の間にはまだ距離があったので、私達は大急ぎで中腹の山小屋まで急ぐことにしました。

山小屋には常に人がいるはずですし、何より『それ』のそばを通って下山するのは恐ろしいことのように感じたからです。

3人で30分ほどハイペースで登っていたのですが、『それ』からは一向に距離が開きません。

ぴったり50メートルほどを保ちながら、こちらを追い詰めるように悠然と追いかけてくるのです。

今にして思えばそれは歩いていませんでした。

私が振り向くたびに、必ずそれは両足をそろえて直立していたからです。

それは追っていたのではなく、背後50メートルに『あった』と表現する方が正しいかもしれません。

私達は次第に精神的に追い詰められてゆきました。

そこからしばらく行ったところで浩光は「こちらに近道がある!」と普段の観光用のぐるりと回った登山道を離れ、少し細い脇道に入っていきました。

が、思えばこれが間違いでした。

細い脇道は夏の間は管理用として使われているのかもしれませんが、冬の山では雪が降り積もり、細い道は非常に見難かったのです。

私達はいつのまにか、道をはずれてしまったようでした。

また最悪なことにあれほど晴れていた天気が2時を回った頃から急転し、今では深深と降る雪になっていました。

時間もいつのまにか午後4時を回っており、私達はかれこれ3時間以上を『それ』から逃げ続けていました。

冬の山の夜は早いです。

既に日も落ちつつあり、気のせいか雪も激しさを増しているような気がします。

道を外れた迷子の私達はいつの間にか30度を越える急斜面を横に横に逃げていました。

もうこの頃には山小屋へ行こう、だとか道を探そうなどという考えは無く、ただひたすらに後ろから逃げるという本能のみで動いていたように思います。

しかし無理な行軍や、精神的なストレスは私達の体を着実に蝕んでいました。

ついに真ん中を歩いていた紘一が足をもつれさせるようにして倒れたのです。

私も浩光も急いで駆け寄りました。

紘一は

「ダメ俺ダメ。もうダメだ。歩けないわ。先に行ってくれよ、追いつくからさ」

とうわ言のように呟いています。

恐らく『それ』の気配を紘一は前日からずっと気にしていたのでしょう。

紘一の疲労は尋常ではないかのように見えました。

更に誤ったペース配分の行軍が脱水症状も引き起こしているように見えました。

現実的にここから紘一が歩くのは無理です。

私と浩光は途方にくれました。

私はこの時、もしかしたらここで休憩しても『それ』は50メートルから動かないのではないかと淡い期待を描いていました。

私自身もそろそろ体力の限界だったのです。

ところがその淡い期待は簡単に裏切られてしまいました。

『それ』は、はじめて一歩を踏み出したのです。

非常にのろい歩みでしたが、それは私達を絶望させるのに十分でした。

一番体力の残っていそうな浩光も遂にへたり込んでしまいました。

『それ』は一歩一歩こちらに歩んできます。

もはやそれとの距離は50メートルではありませんでした。

私は絶望に包まれて、こんなところで死ぬのかな。凍死扱いになるのかな。

それとも死体も見つからないのかな。などと考えていました。

すると突然、それまでぶつぶつ呟いていた浩光が立ち上がり

「ちくしょう、やってやる。ぶっ殺してやる。なめやがって。化けもんが。ちくしょう!」

などとキレたと思うと、

「喝ーーーーーーーーっ!!」

とお爺さんに言われたように大声で気合を飛ばしました。

ところがその気合に『それ』は全く反応しませんでした。

しかしその気合が利いたのか、大声がきっかけになったのか『それ』の上方にある深雪が雪崩を起こしたのです。

『それ』は数十トンの雪の流れに飲み込まれ「う、うわあぁあああぁぁぁぁぁ」という
声を上げ雪崩に飲み込まれて下に流されていってしまいました。

後に残った私達は呆然として口をあけていました。

その後は雪洞を掘り、一晩を明かして翌日に下山できました。

これは未だに私のトラウマです。

未だに何が起きたのかさっぱりわからないので、どなたか『それ』についてご存知の方はいらっしゃらないでしょうか……

(了)

 

ふたり怪談(5) [ 黒木あるじ ]

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 - 山にまつわる怖い話

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