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予言ノート [アナザーストーリー]

      2016/08/24

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予言ノート アナザーストーリー

⇒ 前作予言ノート

僕の妹の美樹は研究熱心だ。

まずは仮説を立て、いろいろなことを試してみては、その仮説が正しいことを証明しようとする。

他の人が見ればいたずらのように見えるが、彼女にとっては大事な実験なのだ。

うちの家族も当然、彼女にとっては貴重な実験対象である。

父は、真面目で頑固な昭和の人間である。

そんな父をイライラさせる要素も検証済みだ。

第一は、巨人が負けること。

巨人が勝つか負けるかで、父の機嫌は180度変わる。

第二に、ビールが冷えていないこと。

父が帰ってきて、もし冷蔵庫にビールが入っていないと、とても機嫌が悪い。

この二つは欠かせない。

美樹が父に何か頼みごとをしたいときは、冷蔵庫にビールが入っていることをチェックし、巨人が勝ったあとに言うことにしている。

さらには、父の大好物のホタルイカが用意されていれば間違いない。

美樹のおかげで、僕も随分助かっている。

そんな可愛い妹の頼みは、兄としてはつい引き受けてしまう。

彼女の究極の研究は、《思いを具現化させること》である。

思った通りに実現させることが、彼女の生涯のテーマなのだ。

そのためのアイテムが、まずは《予言ノート》である。

《予言ノート》とは、自分の願う結果を実現させるために、その願い事を書き続けるノートのことだ。

その記念すべきスタートは、恋敵の恋愛を邪魔することだった。

美樹もそこそこかわいいのだが、彼女にはライバルがいた。

川口春奈似でお嬢様系の麗菜だ。

快活で頭の良い美樹は、男女に限らず人気があるのだが、おとなしくて弱そうな麗菜は、自然に男を惹きつける何かがあった。

その天性とも言える魔性さで、麗菜は、美樹が密かに恋していた同じクラスの藤田に告白したのだ。

バレンタインに手作りチョコを作って。

美樹はその情報を知るや、禁断の《予言ノート》を発動させた。

しかし、美樹の思惑は外れ、藤田は麗菜の告白を受け入れた。

その様子を一緒に見ていた僕は、美樹のことを可哀想に思ったのだが、彼女にはまだ秘策があった。

第二のアイテム《呪いの人形》を発動させたのだ。

そして見事、彼女は願いを成就したのである。

しかし、彼女はまだ満足していなかった。

一回だけの成功は、偶然という可能性がある。

偶然ではないことを証明するためには、もっともっとデータが必要なのだ。

 

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そこで美樹は、再び《予言ノート》を使うことにした。

この前は、「使っていいものなのかどうか」と悩んで相談に来たのだが、今回はもう吹っ切れたらしい。

これも研究のためなのだ、と。

今度のターゲットは、学年トップの上杉だ。

あいつがいるおかげで、美樹はいつも二位に甘んじている。

美樹は、タロットと鋭い霊感を駆使して、出そうな問題を絞って勉強する。

僕もいつも頼りにさせてもらっているのだが……

ところが、美樹がどんなに頑張っても、上杉には勝ったことはない。

夏休み明けの実力テストに向けて、彼女は計画をスタートさせた。

彼女は四十日間、《予言ノート》に書き続けた。

『上杉を抜いて私が学年トップになる』

夏休みの間、一生懸命に頑張っていたのを僕は知っている。

なんとか願いが叶ってほしいと思った。

そして、夏休みが終わり、いよいよ運命の実力テストに臨んだ。

今回は、かなり自信を持って臨んだ美樹だった。

だが、相手は《ミスター・パーフェクト》の異名を持つ上杉だ。

さて、結果はどうだったのか?

気になっていた僕に、美樹は嬉しそうに教えてくれた。

「今回は私が学年トップよ!」

そうか、やったな!

僕は自分のことのように嬉しかった。

「じゃあ、上杉くんは二番だったのかい?」

僕がそう聞くと、彼女は首を横に振った。

「彼はテストを受けなかった」

えっ!?

実は、上杉は、夏休み開けの直前に入院していたのだ。

どうやら《うつ》になったらしい。

美樹は後ろ手に持っていた紙袋を差し出した。

その中には、なにやら見慣れたものが入っていた。

それは、上杉の顔写真が貼られた《呪いの人形》だった。

美樹は、夏休みの途中に《呪いの人形》を用意していた。

上杉の写真の頭には、無数の針の痕があった。

今まで、上杉に何度も苦渋を飲まされてきた美樹は、より確実に目的を完遂させるために、第二のアイテムを使ったのだ。

その念は、よほど強いものだったのだろう。

上杉は今も、登校拒否を続けている。

「やりすぎちゃったかな!?」

舌を出して笑う美樹の言葉に、僕は何も言えなかった。

もちろん、前回の藤田くんも、今回の上杉くんも、何も悪いことはしていない。

ただ、《ターゲットになってしまった》だけなのだ。

そして、美樹にも悪気はない。

ただの実験なのだから。

僕は「彼女を怒らせてはいけない」と、自分に言い聞かせたのだった。

(了)

 

化け蛇・化け狐などの怪談

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 - ほんのり怖い話, 僕の妹・美樹シリーズ

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