【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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腕だけの釣り人

      2017/07/17

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1983年(昭和53年)のことだから、もう二十八年前にもなる。

64 : 2011/12/03(土) 19:37:24.99 0

真冬の雨の日、高校のときに神戸第○防波堤に投げ釣りに行った時の話。

今はどうか知らないけれど、当時はアイナメ・カレイ・キス・アコウなんかが上がるポイント。

また改造サビキでヘチ際を狙うと面白いようにアイナメやガシラが釣れた。

当時を知る人なら車用の羽根ハタキの羽根をサビキのハゲ皮に変えて爆釣してたのを覚えてるはず。

まあ「関西の釣り」で記事になってから一気にスレちゃったんだけどね。

早朝から雨。

家を出る直前に渡船屋に片っ端から電話すると雨のため休業だの冬季は全休だの休みばかり。

それでもどうにか一軒営業してた。

古いことだから渡船の名前は忘れたけど(現在営業してるかどうかもわからん)、たしか六時三十分ころに出船。

釣り客は俺らだけ。

防波堤についてボート降り際に「兄ちゃん、何時くらいまで釣るんや?」と聞いてきた。

「夕方の地合までは釣りたいかな」

そう答えると

「そうかよっしゃ、他の客がなかったら十二時と十七時に来るからな、まあ頑張って」

そう行って去っていった。

当時の俺らのホームは神戸和田防波堤。

向うは時間時間にキッチリ船出すのにえらいアバウトやな~と思いつつも俺らは第○防波堤に上陸した。

第○防波堤に上陸すると爆釣とはいかないものの、ポツポツとアイナメ・アコウの良型が釣れる。

友人達も同様に釣れ、時期外れな30センチ近いキスも釣れていた。

雨は降り続き、当時の撥水性の弱い防寒着にジワジワと浸透していく。

やがて小雨は昼から雪にかわり、濡れた防寒着がとんでもなく冷たくなり身体の熱を奪っていく。

やがて夕方になりパタパタと釣れたのを最後に竿をたたみ帰る支度をした。

しかし、待てども待てども迎えの船が来ない。

夜八時頃にはこのまま凍死するんじゃないかと思うほどだった。

三人身を寄せて耐えてると、他の釣り客が目の前でヘチ釣りしてる。

アレ?他にも釣り客いたんだ??

とキョトンとする俺、すると友人の村形が

「え、俺らの他にもいてたの?」

とやっぱりキョトンとする。

なんにせよ他に人がいるのは心強いかなっと思ってたら、もう一人の友人中川が「どこ?」と聞いてきた。

「いや、どこって目の前にいるじゃん」

「え?え?」

村形も「おまえふざけんなよ、俺らの目の前で釣ってるだろ!」と怒鳴る。

中川は、「へ?誰もいないし」と言う。

はぁ?と顔を見合わせる俺と村形。

もう一度釣り客を見ると

……やっぱいる。

いや、なんかおかしい……

この釣り客の服装は半そでの軽装、どう見ても真冬のかっこうじゃない。

友人中川も気がついたようで「なんかおかしいよ、少し離れようぜ……」と逃げ腰。

「????」

相変わらずの中川。

釣り客に刺激を与えないようにゆっくり立ち上がり場所を移動しようとする俺と村形。

その時、釣り客がこちらを振り返った。

いや正確には振り返るようなアクションをした。

が、しかし……

「え?」

「ひぁ!」

中川「???」

三者二様の俺らのアクション。

「うわーーー!!」

「で、出たーーー!!」

中川「えっえっえっ???」

ダッシュで走って逃げる俺と村形、とりあえず俺らの後を追う中川。

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……結局迎えのボートが来たのは二十二時頃。

その間、俺らは釣り客の霊から防波堤上をずっと逃げ回ってた。

「兄ちゃんすまんかった、ちょっとエンジンの調子が悪くてなー」

こちらの事情もしらずヘラヘラしてる渡船屋のおっちゃん。

真っ青な顔色の村形、おそらく俺も同様だったろう。

中川は……走り回るのに突き合わされて熱もったせいか元気そうだ。

三人船にのりこみ一息ついた。

中川が「いったい何がどないしてん?」と聞いてきた。

村形・俺「釣り客が……」

中川「?」

村形・俺「釣り客が振り向いたら……」

中川「??」

村形・俺「振り向いた瞬間に腕だけ残して消えた……」

中川「マジ?」

村形・俺「マジ……」

結局中川には何も見えなかったらしい。

どうやら俺と村形には微力ながら「見える」能力があったようだ。

当時、神戸和田防波堤でも「釣人の腕だけの幽霊」が噂されていた。

まさか第○防波堤でそれを見ることになるとは……陸につきとりあえず渡船屋に行く。

キレイなお姉ちゃんが出迎えてくれて開口一番

「大丈夫だった?ごめんね、あなた達のことすっかり忘れてたの」と口にした。

「ちょっ……」とお姉ちゃんを睨む渡船屋のおばちゃん。

「あっ……」と口に手をあてるお姉ちゃん。

マジかい……最悪すぎる……怒りに震えながらストーブにあたっているとお姉ちゃんが熱いコーヒー入れてくれた。

どうも風呂上がり後のようで石鹸の香りが漂い血色が良いせいか妙に色っぽかった。

帰りはお姉ちゃんがお詫びにと車で送ってくれた。

釣り客の霊の話を聞いて見るも「えー、そんなの聞いた事がないよー」と笑っていた。

が、その直後お姉ちゃんはなぜか深い溜息をついた。

「はぁ……」

このお姉ちゃん、絶対何か知ってる……そう確信した俺と村形だった。

あれ以来神戸第○防波堤には行っていない。

さすがに二十八年もたってるから幽霊も出ないとは思うけどね……

(了)

 

怪談狩り [ 中山市朗 ]

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