【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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ツキとギン

   

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10歳から12歳までの頃の話。

722 :1/3[sage] :2008/10/21(火) 18:54:58 ID:SofZA5Rm0

メンヘラって思われるかもしれないけど、私は常に多重人格の様な体験をしてた。

とはいってもTVで観る様な別人格が現れるとかでは無く、頭の中で声が聞こえる事がしばしばあった。

声の主は男と女。声の感じは若めの成人男女といった感じだった。

幻聴って言われるかもしれないけど、確かにはっきりと聞こえてた。

当時私は中学受験を控えてて都内でもよくあるNのバッグの塾に通ってた。

初めて声を聞いたのはその塾のテスト中だったと思う。

突然女性の声で『何やってるの?』って声が聞こえた。

私は驚き、周囲を確認するも近くに大人の姿は無い。

すると今度は男の声で『お前さー、ツキが聞いてるだろ?答えてやれよ』って。

月?

何のことか分からなかった。頭がおかしくなったのかと思った。

それでもしつこく『おーい』とか聞いてくるのだが、もちろん厳しい塾だし私語なんかしてたら怒られる!って思っていたのでずっと無視をしていた。

その帰り道、バスで帰る為駅まで歩きながらあの2人の事を考えていた。

周りの雑踏に掻き消されるぐらいの小さな声で『ツキ……』って言ってみた。

すると『あ、聞こえてたんだね。名前覚えてくれたんだ。えらいえらい』とツキ。

この時は冷や汗が出るほど驚いた。

男の方は無視したことが気に入らなかったのか怒っていた。

本当に頭がおかしくなったんだと思った。

当時看護婦をしていた母に相談してみたところ、『また聞こえたら病院に行ってみる?』って言われた。

頭がおかしくなった人が行く病院は怖いっていうのが当時の私の印象で、親にはもう相談出来ないって子供心にそう決めた。

日が経つにつれその声にもなれた私は気付かれないようにコソコソとその2人と会話をする様になった。

何回か話すにつれ男は『ギンだよ』って教えてくれた。

ギンの性格は短気で口が悪いが頼れる存在。当時の私には心強い兄の様に感じていた。

逆にツキは優しく何でも知っていて穏やかな話し方をする女性だった。

私はこの2人が本当に好きだった。

例えばギンは自分の声が周りに聞こえていないのをいい事に友人の話を『こいつおもしろいな~』って笑っていたり、私が親に怒られている間は『母ちゃん話長いね~』とか煽り、こっちが笑いをこらえるのに必死だった時もあった。

またテストの時間、小声で頭のいいツキ♀に答えを聞こうとし、ギン♂に怒鳴られるなんて事もあった。

ツキはテストの時間、『ココは前に、工藤先生が~』とかちょっとしたヒントをくれた。

なかでもツキの話はこどもの私でも興味津々だった。

大半がうろ覚えなのだが確実に覚えているものをひとつ。

ツキ『加奈子、地球は本当に丸いと思う?』

私 『うん。丸い』

ツキ『本当にそう思う?』

私 『何で?そう教わったし、テレビでも地球は丸いよ?』

ツキ『丸いって言われてるからそう思うのかもしれないでしょ?』

私 『丸くないって思ってたのは昔の人でしょ?ツキは昔の人なの?』

ツキ『教えない。でも加奈子には教えてあげる。地球は丸でも平らでもないわ』

私 『??……全然分かんないよ』

ツキ『ごめんね。でもこれだけは憶えておいて。地球の壁の向こうに私達はいるから』

……ここが非常に印象的だった。

私 『壁?』

ツキ『いつか会いに来てね』

私 『うん。絶対行く。約束する』

ギン『おい、ツキ!もーいいだろ。そろそろ母ちゃんが飯呼びに来るぞ』

私 『分かった!ふたりとも、シーッ……』

んで即母親登場みたいな。

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でも私は妹にその話をしてしまい、妹から母親に伝わり病院へ連れて行かれる事になる。

私は頭がおかしくなってもいいから2人とは離れたくなかったので嫌がって泣きじゃくった。

病院では、クイズから絵を見せられたりテレビを見て感想を述べたりの軽いテストを行ったのだが、驚くべき事にその時だけは問題の答え方は全てギンが教えてくれた。そのぐらいありえなかった。

結果問題はなく、2人はそれからも私と共にいた。

だが2年ぐらい経ったある日、毎日会話をしていたのにもかかわらず、だんだんとギンの声が聞こえなくなってきた。

遠くから声が聞こえるように小さくしか聞こえないのだ。

私は不安になってツキに聞いた。

ツキは言った。

『あなたが大人になるにつれ私達の声は聞こえなくなるの』と。

私は大人になんてなりたくないから離れないでって嘆願したが、ツキは『ごめんなさい』としか言わなかった。

ギンの声が消え、そしてツキの声が消えた時、私は初めて学校を休み1日中布団の中で泣いていた。

あれから10年以上経つがあの2人の事をふと思い出す。

今でも誰か別のこどもと楽しくお喋りをしているのだろうか。

地球の壁の向こうにいる友達へ、『ありがとう』とひとこと言いたかったな。

後日談

2人の声が聞こえなくなってから両親や祖父に聞いてみたものの、結局のところ分からずじまいでした。先祖の可能性とか考えてみたんですけど……

ただギンに1度だけ『君たちはだれなの?』って聞いたことがあります。

でも『めんどくさい』だったか『何でイチイチお前に説明しなきゃ……』みたいな事を言われて教えてもらえなかった事がありました。

会話なのできちんと一字一句合ってるかどうかは分からないんですけど。

また私の同じ様に声が聴こえる人は確認できませんでした。

それが余計に頭いっちゃったのかと思ってて、あまり人にはカミングアウトできませんでしたし。

満足な情報が無くてごめんなさい。地球の形状以外では覚えてないんですよね。

うろ覚えで。あと覚えているのは何気ない会話。内容は大した事ないんですけどね。

私 『いつも一緒だけどご飯食べないの?』

ギン『食ってるよ!当たり前だろ!バカ!』

ツキ『ギン。そういう言い方はしないの』

ギン『……』

またある日。

ギン『お前って絶対事故にあうと思うんだ。俺』

私 『えー。あわないよ』

ギン『いや、お前信号とか見ないだろ?』

私 『見てるよー』

ツキ『私達と話しているから気が付かないのよね?』

私 『うーん』(見てるのに……)

ギン『ほら信号ッ!!』

この時信号赤!

とかはありました。それぐらいですかね。やっぱ頭おかしかったですよね。

妹に当時の話を聞いてみました。

が、聞こえていたのは私自身だけだったですし、妹が知っているのは私からの話だけ、更に10年以上前の事なので覚えていないとの事。

残念ながら大した情報は得られませんでした。

会話は思ってるだけじゃダメでした。小声でも伝わりましたけど。

親に怒られている時や授業中、2人は私が話せないの知ってて話しかけてきましたから。

(了)

 

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