【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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つけてくる男

      2017/12/04

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俺は最近、『ある男』に付きまとわれている気がする。

歳は40代後半のようだ。

探偵か?

俺は独身だ、浮気調査を依頼する女もいないはず。

誰に頼まれたんだ?

俺はこの15年間、誰にも迷惑をかけないよう、ひっそり生きてきたつもりだ。

そりゃあ、若いころは血の気が多かったせいか、ケンカもしたっけな。

ヤクザみたいな連中とつるんでいた頃もあった。

体中の傷は、そんな荒れていた頃を物語っている。

どうもわがままな性格のせいか、仕事は長続きしない。

住むところも転々としている。

人とつきあうのは昔から苦手だ。

腹の中では憎らしいと思っているのに、表面でニコニコしながらつきあうっていうのは俺の性分ではない。

もうすぐ50になる、昔堅気の俺なのだ。

最近は歳のせいか、昔のことが思い出せない。

とは言っても、昨日の夕飯に何を食ったかさえも覚えていないのだが……。

どうやら、別の男にも付きまとわれているように思える。

なんだ、なんの組織の連中だ?

俺、最近、人に恨まれるようなことしたっけな?

どうも今日は寒い。

帽子にマフラー、手袋をしていても寒さが身にしみる。

俺も歳をとったんだなと、つくづく思い知らされる。

自動販売機で、あったかい缶コーヒーでも飲むことにしよう。

俺は小銭を入れて、ジョージアのロング缶を買った。

革の手袋をとって、素手を缶コーヒーで温める。

あったかい……。

そしてそのままぐいっと飲む。

美味い……。

昔から、ジョージアのロング缶以外は飲まない俺だ。

公園のベンチが近くにあった。

少し休んでいこう。

コンビニで肉まんでも買いたかったが、残念ながら持ち金が少ない。

あったかいコーヒーさえあれば、今の俺には上等なのだ。

昔は俺も、人並みの生活をしていた。

愛する家族がいたし、息子と娘にも恵まれていた。

だが、今は一人になってしまった。

15年前がなつかしい。

と言っても、その15年前のことがはっきり思い出せない。

若年性アルツハイマーか?

まあ、昔から物覚えは悪かった俺なんだけど……。

缶コーヒーを飲み終え、近くにあったゴミ箱に捨てた。

「空き缶はゴミ箱に」

これでも地球環境に気を使っているのだ。

さあ、今日はどこに泊まるか……。

常宿を持たない主義の俺は、カプセルホテルを転々としている。

近くのカプセルホテルを見つけ、今日はそこで休むことにした。

「疲れた、もう楽になりたい……」

ベッドに横になって、自然と愚痴をこぼした俺の目から、一滴の涙がこぼれた。

朝になり、俺はカプセルホテルをチェックアウトした。

「今日は俺にとって、特別な日になりそうだ」

そんな予感がした、そのときだった。

「古賀正志だな」

《あの男》が目の前に立っていた。

俺は声が出なかった。

なんだ、おれを殺るつもりなのか?

「古賀正志だな」

もう一度聞かれた。

あれ?

なんかこの光景、どっかで見たことあるぞ。

テレビドラマで……。

2時間ドラマなんかでよく見る光景。

その男は、懐から黒い手帳を取り出した。

「15年前の、妻と子ども二人の殺人容疑で逮捕する」

あ、そうか、思い出した。

妻と子どもたちは俺が殺したんだ。

あともう少しで時効だったんだけどな。

でも、良かった。

もう疲れたから……

(了)

[Jimmyさんからの投稿]

※管理人註:逮捕の決め手は缶コーヒーについた指紋から

 

異常快楽殺人 [ 平山夢明 ]

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