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トラウマ映画館 『愛すれど心さびしく(1968)』 町山智浩解説 ネタバレ注意

      2015/07/09

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誰でも心は孤独な狩人~『愛すれど心さびしく』The Heart is a Lonely Hunter

「禁じられた情事の森」のカーソン・マッカラーズの同名小説をトーマス・C・ライアンが脚色、「今宵限りの恋」のロバート・エリス・ミラーが監督した文芸篇。
撮影は「八ッド」のジェームズ・ウォン・ホウ、音楽はデーヴ・グルーシンが担当した。
出演は「暗くなるまで待って」のアラン・アーキン、新人ソンドラ・ロック
「間違えられた男」のローリンダ・バレット、ステイシー・キーチ、チャック・マッカンほか。
製作は、脚色のトーマス・C・ライアンとマーク・マーソン。

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ストーリー

深夜の町、太った中年の男がひとりで徘徊している。
彼はケーキ屋の前で立ち止まり、いきなりショーウィンドをゴミバケツの蓋で割って中のケーキや菓子を食べ始めた……
彼、スピロス・アントノプロスは聾唖で精神薄弱者だが、親友で同じ聾唖者のシンガー(A・アーキン)と暮らしていた。
胸騒ぎを覚えたシンガーはスピロスを捜しに来たがパトカーに乗せられ連行された後だった。

翌日、弁護士の計らいでスピロスは釈放されたが、彼の身内の従兄弟はスピロスを州立精神病院へ入れてしまう。
シンガーは弁護士の勧めでスピロスの法的な後見人になることに同意するが手続きまで時間がかかるために、病院に一番近い町に移り住むことにする。
町に着いたシンガーは新聞に目をやると、空き部屋の広告を探した。
彼が訪れたのは静かな住宅街にあるケリー家だ。

ケリー家は時計修理業の父親が腰を痛めて三ヶ月も働けないために長女ミック(S・ロック)の部屋を貸し部屋にして家計の足しにしようとしていた。
母親も洋裁の内職をしているが、それだけでは追いつかない。
ミックの下には二人の弟もいる。
部屋代で週20ドルの収入はケリー家にとっては馬鹿にできない。
だが自分の部屋を他人に貸すミックは不満だった。

しかもやって来たのは「わたしは話ができません、唇の動きで言っている事が分かります」と書かれたカードを持った障害者だ。
「私の部屋にダミーなんて気味が悪いわ」ミックは困惑するが、母親はシンガーに部屋を貸してしまう。
車椅子に乗った父親は何も言えない。
ミックは音楽好きな少女で、近所のクラスメイトで裕福なドロレスの弾くピアノの音色にうっとり聞き惚れる。
だがミックはモーツァルトも知らない少女だが、音楽のあこがれはある。
その夜に父親にピアノをねだるミック。

娘に甘い父親は生返事をしてしまうが、そこへ現実主義の母親が、そんな余裕のない我が家にピアノなど買えないとピシャリ。
「じゃパーティをしてほしいわ」誰の家からもパーティの招待が来ないミックはパーティに出ることもあこがれだった。
「パパに任せておけ、ママを説得するよ」「パパはアテにならないわ、私の部屋もそうよ、あんな【クリープ】に部屋を貸して!」腹を立てた父親に平手打ちを食らったミックは泣きながら表に飛び出す。

そこへ帰って来たシンガーだったが「お前なんかキライだわ!」と泣き崩れる。
ある晩、シンガーが町のカフェで食事をしていたところ、酔っ払いが絡んできた。
「お前だけは俺の話を聞いてくれる、他の連中は笑って聞こうともしないぜ」だが店主には「この人はな、耳が聞こえないんだよ」この酔っ払いのブライアント(S・キーチ)は自暴自棄になってわざと壁に頭をぶつけてその場に倒れこむ。

戦争では英雄だったが、国へ帰ったら誰も相手にしてくれなく町から町を放浪していた。
居合わせたシンガーは、その場でブライアントの暴れぶりを傍観していた黒人医師のコープランドにブライアントの手当てを頼んだ。
コープランドは「私は黒人専門の医者だ、白人は診ないんだ」と断るが、シンガーが聾唖者のカードを見せ、しぶしぶブライアントの応急処置をする。
コープランドにも一人娘のマーシャがいたが、苦学して医師になったコープランドは娘にはちゃんと学をつけ、医師を継がそうとしたが、無学なウィリーと一緒になり医師の道を放棄していた。

翌日、シンガーはコープランドの診療所を訪ねてブライアントの治療代を払おうとしたら、コープランドはシンガーに「私は白人を診ないんだ、だがこの事は世間にはバレないからさ」「君が喋れない事が幸運だったよ」と冷たくシンガーに言った。

怒って診療所を飛び出すシンガー・・・コープランドも心外な事を言ってしまったと彼の後を追い、シンガーに謝罪した。
「治療費の代わりに手伝ってほしいんだ」「患者に黒人の聾唖者がいるが、彼の通訳をしてくれないか?」その夜、シンガーは町でミックを見かける。
それはオーケストラのコンサートでチケットを買えないミックは劇場の裏で漏れてくる演奏に耳を貸して聞き入っていた。
シンガーはそんなミックに同情して、モーツァルトのレコードを買い聞こえないがレコード・プレーヤーでそのレコードを部屋で掛ける。
ミックが帰宅すると、好きな曲がシンガーのいる部屋から聞こえてくる。

思わずミックはシンガーの部屋に行きレコードの演奏に夢中になる。
この事でミックとシンガーの間に溝がなくなり、ミックはシンガーにやさしく接するようになる。
ブライアントは町外れの移動遊園地で職を見つけ、シンガーやミックを招待する。

ここでマーシャとウィリーが白人に因縁をつけられ、傷害事件を起こしてウィリーは逮捕される。
マーシャはコープランドに嘘の証言をするように懇願するが、コープランドは聞き入れず、ウィリーは刑務所に送られてしまう。
この件でブライアントはまた失職して、ウィリーが有罪になった事で町を出てしまう。
またコープランドも自分は癌に侵され、余命少ないことをシンガーに打ち明ける。
ケリー家ではミックが着飾り、待望のパーティを開いてた。

ドロレスもその兄ハリーもミックのパーティにやって来た。
だがミックの弟のババは締め出しを食って面白くない。
ババは仲間と花火を使って悪戯を始めて、これでパーティは滅茶苦茶になってしまう。
「みんな帰って!なにさ花火なんか!あいつら全くガキなんだから!」だがミックはドロレスの兄ハリーに映画に誘われて、有頂天になる。
彼女にとって初めてのデートだった。

だがコープランドの家ではマーシャが酒を飲んだくれていた。
聞けばウィリーが刑務所で脱走を試みて失敗して片脚を失ったという。
シンガーもスピロスを連れて外出許可をもらい町へ遊びに行くが、前にも増して彼は扱い難くなっていた。
そして厄災はミックにもやってきたのだ。

父親の腰が不治の病で仕事に復帰できないと母親から聞かされ、高校を辞めて雑貨屋で働けと言われるミック。
コープランドは刑務所から戻ってきたウィリーの件で判事に抗議に出かけるが、白人の保安官はコープランドを馬鹿にして判事に会わせない。
もう将来は何の夢もなくなったミックは泳ぎに出かけたハリーにバージンを捧げる・・・だが、ハリーの女々しい態度に失望するミックだった。
ミックはひと夏の経験で自分の夢と少女時代に別れを告げた。

コープランドとマーシャの確執を目の辺りにしたシンガーは、ついにコープランドの癌の事をマーシャに教え、父親を疑問視していた父娘はやっと理解しあえる。
シンガーにも不幸が訪れる。

スピロスを病院に訪ねたシンガーは看護婦の口から意外な事実を得るのだった。
スピロスはもう既に死んで埋葬されていた。
彼の墓の前で呆然と天を見上げる失意のシンガー・・・・その夜、静かな夜だった。
階下にいたミックが銃声を聞きつけ、シンガーの部屋に行くと彼は自殺していた。
ミックは花束を持ってシンガーの墓を訪ねる。

そこにはコープランドもやって来ていた。
コープランドは「みんな自分の悩みを彼に問いかけていたんだ。
だが、彼自身の悩みは誰も分かっていなかったんだよ」ミックは「彼は私が必要な時は傍にいてくれた。
だけど彼が必要になった時は私はいなかったのよ」そしてコープランドも墓地から去り、ひとり残ったミックは墓石に問いかけるように囁く。
「シンガーさん、聞こえる?知ってほしかったの、本当はあなたを好きだったのよ・・・・」

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