【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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店長とJK

   

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僕がコンビニでバイトしていた頃の話なんだけど

86:矢吹新一 2016/8/22 10:58:57 ID:mMAFICZHol

やり始めた自営業の仕事がまだうまくいってなかったので、夜にバイトでもしようと思い、経験のあるコンビニのバイトを始めた。

その店は、大きな国道沿いにあって、キャバクラとホストクラブに挟まれていた。

そのため、夜でも結構忙しかった。

特に、ホストクラブの若い兄ちゃんが、お客の注文したガムやらお菓子やらを一個ずつ買いにくるのが、それがやたら面倒くさかった。

最初の頃は二人体制でやっていたので、結構楽しかったし楽だったのだが、経費削減のために店長が「夜は一人」と言い出した。

一人でやるようになってからは、やたら忙しく、本当にてんてこ舞いだった。

その店は、元は酒屋だったようで、何年か前からコンビニを始めたのだという。

店長は三十代前半の独身、両親と三人暮らしだった。

僕は、夜の十時に出勤し、終わりは朝の九時の十一時間勤務。

夜の店が近かったので、その店が終わると従業員の女性たちが大挙して押し寄せる。

買い物カゴいっぱいに詰め込んだ商品を、一万円近く買ってくれる人もいたので、お店にとってはありがたかったが、一人でさばくのは大変だった。

朝になると、通勤・通学客がやってくる。

だいたい常連客は、買うものが決まっているので、来そうな時間になるとレジに用意しておく。

大変なのは土日の朝。

場外馬券場が近いので、競馬ファンが押し寄せてくる。

競馬新聞はあっという間になくなってしまう。

バイト仲間には、老若男女いろんな人がいた。

朝九時からの主婦のおばさん、昼は大学生、夕方は男女の高校生、夜は僕の他にもう一人、俳優志望の男性がいた。

ある日のこと、バックヤードにバイトの女子高生がいた。

「太田さん、まだいたんだね?」

女子高生なのにタバコを吸う彼女が、軽く会釈する。

制服を着てるから女子高生だと思うのだが、顏は大人っぽい。

そこへ店長がやってきた。

「おまたせ」と言って、店長は封筒を彼女に渡した。

彼女は封筒を開け、一万円札を数えた。

見ると、十枚はあるようだ。

「じゃあね」と言って帰る彼女。

僕はどうしてあんな大金を彼女に渡したのか気になったが、店長はそそくさと出てしまったので聞けなかった。

さすが東京のど真ん中だ。

日本の縮図を見ているようだ。

夜の世界で働くキャバ嬢、そのキャバ嬢をもてなすホストたち、また、一攫千金を狙って毎週のように場外馬券場に群がるオッサンたち。

そして、女子高生に十万円という大金を渡している、僕より三歳年上の店長……。

この世の中には、まだまだ知らない世界がある。

一週間後の金曜日、僕が出勤するとまた彼女がタバコを吸っていた。

僕は、実家の誰もタバコを吸っていなかったので、タバコを吸いたいと思ったことはないが、まだ若い彼女が吸うのを見るのは良い気分ではなかった。

「やめたら?」と軽く言おうと思ったりもしたが、気の弱い僕には言えなかった。

そこへ、先週と同じように店長がやってきた。

「ごめんごめん。待たせちゃって」と彼女に謝る店長は、再び白い封筒を差し出した。

何も言わずに受け取る彼女は、また一枚一枚を数えていた。

たぶん十枚だろう。

「じゃ!」と言って帰る彼女。

僕はまだ仕事に時間があったので、思い切って店長に聞いてみた。

「店長、あのお金はどういう意味があるんですか?」

「えっ!?」

驚いて僕の顔を見る店長。

「あれはさ、その……」

二度も《現場》を見てしまった僕に、店長は観念して話してくれた。

「これは内緒にしてほしいんだけどさ。実は、僕、彼女の友だちを妊娠させてしまったんだ……」

店長が言うには、女子高生と知らずに彼女の友だちと関係を持ってしまい、その子が妊娠してしまったので、中絶費用と慰謝料として少しずつお金を渡しているというのだ。

「それは大変ですね……」

女子高生と言えば未成年だから、バレたら警察に捕まるのだろうか。

誰にも相談できず、彼女に言われるがままにお金を渡しているのだと言う。

 

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僕は重い心を引きずったまま、仕事を始めた。

店の外にゴミが落ちていたので、片付けようとして外に出ると、彼女が誰かに電話していた。

「そうそう。あいつバカだからさ。まだ信じてるんだよ、あんたが妊娠したってこと。だからまだまだもらえそうだね……」

「えっ!?」

僕は思わず声を出して彼女を見てしまった。

僕に気づいた彼女は、そそくさと電話を切り、僕に近付いてきた。

「聞いちゃった、今の話?」

「……うん」

彼女は、さっきの白い封筒から一万円札を一枚抜き取り、僕の手に握らせた。

「これでお願いね。あの人に黙っててくれたら、もっといい思いさせてあ・げ・る」

そう言って、ぼくの手を両手でギュッと握りしめた。

そして何事もなかったかのように、彼女は夜の街に消えていった。

僕は渡された一万円札を素早くポケットにしまいこみ、思わず店内の方を見た。

誰も見ていなかったことを確認して、ホッとした思いと、後ろめたさとで複雑な感情だった。

店内に戻り、奥を見ると、店長がパソコンとにらめっこしていた。

僕は男として、店長の味方でありたいと思いながらも、あの小悪魔との約束を破ったらどんな目に遭うかという怖さもあって、店長に何も言えなかった。

これから店長は、いくら絞りとられるのだろうか?

彼女たちのウソがバレたとき、店長はどんな行動をとるのだろうか?

僕はその日、そんなことを一人で想像しながら夜勤の仕事をしていた。

それから数日後、いろいろ考えた結果、僕はその店を辞めることにした。

もう、店長と《あの小悪魔》の間に立つのは耐えられなかった。

「もっといい思いさせてあ・げ・る」と言った彼女の顏が、今思い出してもぞくっとするのだった。

東京を離れた今、ここまでは大丈夫だろうと思うのだが、それにしても店長はその後、どうなったのかが気になる……。

刑事事件にならなければいいのにと祈るばかりだ。

(了)

 

「超」怖い話(午) [ 加藤一 ]

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