【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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魂落(たまおち)

      2017/01/30

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私がまだ小さかったころ体験した話です。

780 :本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 05:39:16.27 ID:9sdwK5J60

好奇心旺盛だった私は、よくバカな事をして怪我して親に心配をかけるようなそそっかしい子供でした。

その当時、私と家族は十階建ての団地の八階に住んでいたのですが、その団地はいわゆる曰く付きの団地でした。

私の住んでいる県は相当な田舎で、あまり高層ビルなどはなく、十階建ての団地ですら最高峰と言っても過言ではないので、その団地が飛び降り自殺の名所になるのも必然といえば必然でした。

さらには霊が出るという噂もあり、県営団地なのに空室がたくさんあるような……

とにかく寂れた古い団地でした。

当時チビだった私は、遊びに行く時など、下の階に降りる時はエレベーターを使いますが、身長的に上の階のボタンにはまだ手が届かないので、帰る時は階段を使わないと自分の住む八階には帰れない、といった状態でした。

しかし、エレベーターホールの隅にあった階段は、昼ですら薄暗く、ドアも鉄製の重くて閉塞感のあるドアで、さらに階段で幽霊を見たという噂が絶えないので、大人ですらあまり階段は使いたがらないほど不気味な階段でした。

まだ小さかった私が、どれ程の恐怖を階段に抱いていたかは、想像にたやすいと思います。

なので、階段を使う時は猛ダッシュで八階まで駆け抜け上がり、恐怖心を紛らわせていました。

たまに遊びに夢中になり、帰るのが遅くなってしまい、すっかり暗くなった階段を上るハメになった時には、半泣き状態で大声で母親を呼びながら八階まで駆け上ったのを覚えています。

そのうち知恵を付けた私は、上の階のボタンを木の棒などで押して、一人でエレベーターにて上り下りができるようになりました。

それまで、階段が怖いという理由で必ず夕方のまだ明るい時間に帰っていた私でしたが、エレベーターを自由に使いこなせるようになってからは、ついつい暗くなるまで遊んでしまい、よく親に叱られていました。

その団地自体も同じことが言えるんですが、そのエレベーターはとても古く、すごく汚れていましたが、特にこれといった特徴もない普通のエレベーターでした。

あえて言うのなら、入って正面の壁の下の方に、ドアと呼ぶには小さな観音開きのフタがありました。

そのフタは普段鍵が掛かって開けることが出来ないのですが、団地の住人が亡くなった時などには、そのままでは棺がエレベーターに入りきらないので、その小さなフタを開け、一時的に奥行きを広くして、無理やり棺桶をエレベーターに入れるための、言わば棺桶専用の空間に通ずるフタでした。

まぁそのフタがなぜ存在しているかなど当時の私は知っているわけもないので、特に気にしたこともありませんでした。

ある日、私は家から少し離れた公園で時間を忘れて遊んでしまいました。

気が付くとすでに日は落ち、急いで帰る頃には辺りはすっかり暗くなっていました。

親にする言い訳なんかを考えながらエレベーターホールに飛び込み、ボタンを押すと、しばらくしてエレベーターが降りてきました。

さっそく乗り込み、棒で八階を押し、ドアを閉めます。

ゆっくりとエレベーターが上に上がっていくと共に、『ゴウン…ゴウン…』という単調なリズムで機械の鈍い音が室内に響きます。

その時、微かにですが、『ガサッ…ザザザ…』っと、後ろの壁から機械の音とは違う不規則な、例えるなら甲殻類が蠢いているような……なんとも不思議な音が聞こえました。

なんだろう?と思い、振り返ってみると、例のフタに1センチあるかないかぐらいの隙間が空いていました。

今思えば、恐らく棺桶を運んだ後に管理人が鍵を掛け忘れたのだろうと思います。

そのフタの意味を知っていれば、気味悪がって何も聞かなかった事にすると思うのですが、当時の私はエレベーター内は聖域だと思っているフシがあり、恐怖心なぞ微塵も無かったので、即座にその隙間に棒を差し込み、てこの原理でこじ開けました。

フタは簡単に開きましたが、中を覗いて見ても何もない空間が、タダぽっかりと口を開けているだけで、目新しい物はありませんでした。

ちょうどその時、エレベーターが停まったので、八階に着いたんだなぁと思い振り返りました。

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そこで私は見てしまいました……

ドアが開くと視界に入ってきたもの。

それは、薄暗いエレベーターホールの真ん中に立つ人。

いや、明らかに人間ではありませんでした。

人の形をした灰色の物体が中腰姿勢になり、上半身を揺らしながらゆらゆらと立っていました。

姿ははっきりと見えているはずなのに、服を着ているのかもどんな顔をしているのかもわからない。

何故か中心がボヤけていて、そこに光が吸い込まれているように見えました。

私は呼吸するのも忘れて、この謎の物体を見つめることしか出来ませんでした。

どれだけの間眺めていたのか……

気が付くと私は自分の家の布団の上に横たわっていました。

周りには母と知らないお婆さんが隣に座っていました。

一瞬自分に何が起きていたのか分かりませんでしたが、母は私が目を覚ましたと父を大声で呼び、父は私に駆け寄って来て強く抱きしめてくれました。

その瞬間、私はエレベーターで見た恐ろしい光景を思い出し、家族にしがみつきながらむせ返してえずくほど大泣きしました。

どうやらあの後、エレベーターの中で倒れていた私を発見した他の階の住人が、家まで届けてくれたらしいのですが、意識はあるが何を話しかけても反応が無く、心配になった両親は念のため病院に連れて行ったらしいのですが、原因が分からず、とりあえず点滴を打ってもらい一旦帰宅。

それから二日が経っていたらしいです。

私はその間ほとんど寝たきりで、何を話しかけても、虚ろな表情でロクな返事をしない状態が続いていたそうです。

私の住む県には、あくまで俗習ですが、そういう心神喪失状態のことを、方言で

『魂が落ちた』

と表現するのですが、これは事故にあったり子供が驚いたりすると落ちると言われています。

落ちた魂は『魂込め』と呼ばれる儀式で戻さないといけないとされています。

その儀式は、この県特有の霊能力者にお願いして行うのですが、父の知り合いの霊能力者にお願いして、先ほど魂込めを行ったところ、私は正気に戻ったらしい。

その後、霊能力者のお婆さんに見たものについて話し、後日、うちの家系の総本山みたいな家に行って、お祓いもしてもらったりしました。

そのお婆さん曰く、この団地には悪い気が集まっていて、悪霊なんかも引き寄せやすいらしい。

そして、あのエレベーターの例のフタですが、この団地で死んだ人の霊がこの悪い気に捕まり、成仏できずにあの空間に集まってた、みたいな話をしていたと思います。

そんなところを開けて中に頭を突っ込んだりしたもんだから、魂の力がまだ弱い子供なんかは、簡単に魂を引っ張られて落としてしまうらしいです。

両親も、この件で相当この団地に嫌気がさしたようで、その後すぐ遠い場所のアパートに引っ越すこととなりました。

それ以降、変なものを見たりしたことはありません。

私はもう社会人になったし、小さい頃の記憶なので記憶も薄れかけて来てはいるのですが、今でもエレベーター(特に古いエレベーター)なんかには怖くて一人で乗れないです(苦笑)

今日は久しぶりに家族で集まったので両親とこの話になり、久しぶりに思い出したので書いてみました。

読みずらかったり、あんまり怖くなかったりしたかもしれませんが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

最後に。

皆さんも小さい観音開きのフタがついたエレベーターには、ご注意を……

(了)

 

異常快楽殺人 [ 平山夢明 ]

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