【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

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少年と祖母

      2017/03/31

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今年三十三歳になるが、もう三十年近く前の俺が幼稚園に通ってた頃の話です。

671 本当にあった怖い名無し 04/09/10 01:17 ID:0l3qn2Oi

昔はお寺さんが幼稚園を経営してるケースが多くて、俺が通ってた所もそうだった。

今にして思うと園の横は納骨堂だったし、その隣は古い墓地だった。

夕方、幼稚園の遊具で遊んでいた。

外には俺一人だった。

室内には何人も人がいたんだと思う。でもそのときは何故か俺一人だった。

ジャングルジムの上に人が座っていた。男の子だった。

黒の半ズボンに黒い金ボタンの上着を着ていた。裸足だった。

坊主頭で小学生くらいだったんだろうか、すぐ自分より二つ三つ年上の子だと分った。

その子はじっと俺の方を見ていた。

特に怖いとかビックリした記憶は残って無い。

ただ何故か無性に寂しくなったのを覚えている。

その子は黙ってジャングルジムから下りると、納骨堂の横を通って墓地の方へ歩いて行った。

俺はその子の後について行った。

墓地と言っても園の隣で見慣れた景色だったし、日頃かくれんぼをして遊ぶ場所だったので特に怖いとは思わなかった。

その子を目で追ってたつもりだったが、何故か今思い出そうとしてもその時の光景が思い出せない。

だが、その時見た苔の生えた小さな墓だけは鮮明に脳裏に焼きついている。

古い墓地によくある巨木が夕日を遮っていたので辺りは薄暗かった。

その薄暗さを意識した瞬間、すごく怖くなって走って園に戻った。

時間にして一~二分の出来事だったんだろうが、今思うとすごい長い時間だった様な気がしてならない。

しばらくして祖母が迎えに来てくれた。

今思うと、祖母が迎えに来てくれたのはその時が最初で最後だった。

何故かその時、祖母の顔を見た瞬間の安堵感を覚えている。

そして祖母は墓の方を物悲しい顔でしばらく見ていた後、

「まことちゃん、何も心配せんでよか……ばあちゃんがちゃんとしてやっけんね」

と俺の顔をまじまじと見ながら言った。

二人で手を繋いで家に帰った。

途中、駄菓子屋の前を通りかかった時、俺は無性に寄り道したかったが、

「今日はあかん!今日はあかん!早よ帰らんばあかん!」

と祖母にたしなめられた。

祖母が死んだのはその日の深夜だった。

何故か俺には祖母の死が記憶としてハッキリ残っていない。

葬儀で親戚やら知人やらが家に大挙して慌しかったのは覚えているが、祖母が死んだ悲しさが今でも全く記憶から消えている。

翌年、俺は小学生になった。

小学校も幼稚園と道を挟んで隣接していたが、俺はその後、一切近寄らなかった。正確に言えば近寄れなかった。

意識すると、頭の中に苔にまみれたあの小さな墓が浮かんだからだ。

中学二年になった時、町内のボランティアで再び幼稚園のあるその寺を訪れることになった。

墓地は整備され、古い無縁仏や墓石は撤去されて以前の面影は残っていなかった。

幼稚園も新築され、当時とは全く景色が変わっていた。

寺の本堂が改築されるらしく、古い荷物やらゴミやらの掃除がボランティアの仕事だった。

住職が何十年もの間、寺に持ち込まれた物を整理している。

その中に遺影が何十枚もあった。

俺と友人はそれを外に運び出すよう言われた。

黄ばんだ新聞紙に包まれた遺影の中に一枚だけ裸の遺影があった。

俺はその遺影を手に取って見た瞬間、全身の血が凍った。

あの時みた少年の遺影だった。

そしてその少年の背後からその少年の首を、この世の物とは思えない形相で絞めている祖母の顔が写っていた。

俺は気を失い、目がさめた時は病院だった。

父も母も恐怖で顔が尋常ではなかった。

後に写真は住職が供養して焼却処分したと聞いた。

父が住職に聞いた話では、その少年は戦時中、土地の地主が養子に引き取った子で、かなりの冷遇を受けた後、病死したらしかった。

祖母は若い頃、その地主の家で手伝いをしていたらしく、かなりその子を可愛がっていたそうです。

その少年は、多分俺を連れて行く為に現れたんだろうと住職は言っていたそうです。

祖母はそれをさせまいとして、その結果があの写真だったのだろうと言っていました。

その後、すぐ引っ越したのですが、今でも思い出します。

(了)

 

土佐の祭りと呪詛 [ 福島義之 ]

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