【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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親友の証

   

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僕には、小学校の頃からの親友がいる。

彼の名前は勇治だ。

僕は彼を《ゆうちゃん》と呼び、彼は僕を《こうちゃん》と呼ぶ。

僕が困っているときは、いつも助けてくれるいい奴だ。

小学校の頃、僕がいじめっ子にいじめられていたとき、一緒になって殴られてくれた。

殴られても殴られても向かってくるゆうちゃんに、さすがのいじめっ子も怖くなって逃げていった。

僕がありがとうと言うと、ゆうちゃんは腫れた顔でこう言った。

「僕たち、親友じゃないか。君が困っているときは必ず僕が助けるよ。だから、僕が困ったときは君が助けてくれよ」

僕はゆうちゃんの言葉に、「うん」と頷いた。

お互いの家も近くだったので、よく遊びに行ったり来たりした。

ゆうちゃんは運動が得意だった。

僕はどちらかと言うと運動は苦手だった。とくに鉄棒の逆上がりとか。

ゆうちゃんは僕のために、逆上がりの練習につきあってくれた。

水泳も苦手な僕に、手取り足取り、泳ぎ方を教えてくれた。

二十五メートルを泳げるようになったときは、本当に嬉しかった。

「ゆうちゃんのおかげだよ」

僕がそういうと、ゆうちゃんは真っ黒に日焼けした顔に白い歯を見せて笑いながら言った。

「だって僕たち、親友じゃないか。君が困っているときは必ず僕が助けるよ。だから、僕が困ったときは君が助けてくれよ」

「僕は、運動も勉強もゆうちゃんには敵わないから、助けてあげられるかどうかはわからないけど、その時がきたらそうするよ」

僕の言葉に、ゆうちゃんは嬉しそうに笑った。

中学校でも同じクラスになった。

僕が宿題を忘れると、本当はやってきてるのに、自分も忘れたことにして一緒に怒られてくれた。

部活は共にサッカー部に入った。

ゆうちゃんは運動神経抜群で、一年からレギュラーだった。

僕はマネージャーみたいにこき使われて、先輩のスパイク磨きをさせられたりした。

ゆうちゃんはする必要がないのに、遅くまで僕につきあってくれた。

僕が「悪いね」と言うと、グラウンドの土がついた首を手で拭きながら言った。

「だってさ、僕たち、親友じゃないか。いつも一緒だよ。君が困っているときは必ず僕が助けるよ。だから、僕が困ったときは君が助けてくれよ」

僕にとってゆうちゃんは、かけがえのない親友だ。

彼が困ったときには、必ず助けてあげようと、そのとき心に誓った。

もう大人になった僕たちは、それぞれ結婚して子どもも二人ずついた。

お互いに幸せだったが、悲劇は突然にやってきた。

ゆうちゃんが留守のときに自宅が火事になり、逃げ遅れた妻子が三人とも亡くなってしまったのだ。

落ち込むゆうちゃんに、僕はかける言葉が見つからなかった。

いつもゆうちゃんには助けられてばかりだったのに、親友がつらいときに何の助けにもなってやれない。

僕はふがいない自分に腹が立った。

ある日、僕が会社から帰ってくると、家の中は静かだった。

いつもなら、幼い子どもたちが玄関まで迎えに来てくれるのに……。

僕は少し胸騒ぎがして、急いでリビングに向かった。

そこには、血だらけで倒れている妻と二人の子どもがいた。

そして、そばには、包丁を持って立っている男がいる。

僕は目を疑った。

血まみれの包丁を握りしめて立っていたのは、小学校からの親友、ゆうちゃんだった。

「ゆうちゃん、ど、どうして……!?」

彼は、白い歯を見せてニッコリ笑いながらこう言った。

「だってさ、僕たち、親友じゃないか。いつも一緒じゃないとね。僕も妻子がいなくなったんだから、君も同じじゃないと親友とは言えないだろ」

僕は、やっと彼に借りが返せたと思った。

(了)

 

超怖い話 Κ/平山夢明

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