【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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心霊スポットの地下

   

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当時私がまだ十代だった時の事です。

私と友人マサキ、それと二つ上の先輩山口と工藤の四人で深夜、地元で有名な心霊スポットに行くことになりました。

男四人で心霊スポット巡りと、なんともむさ苦しい感じですが、マサキは心霊的なものが特に苦手らしく、先輩達はマサキをからかうつもりで、今から行こうぜと提案しました。

その場所は山奥にある建物で、車で向かいました。

その建物の地下で、十人近い人間が火をつけて心中したとか、建物の裏手の崖から落ち武者が昇ってくる、とかの噂がある所でした。

先輩達は「もちろん地下行くよな」などと、マサキを脅かすように笑って言っていましたが、いざ現地につくと、「うお。マジで怖っ」といい、車から外観を眺めているだけでした。

私が「降りひんのか?」と先輩に尋ねると、「じゃあお前降りろよ」と言うので、車を降りようとしました。

マサキは、現地についてずっと私のTシャツの裾を握りしめていましたが、「降りるわ」と言い、

離してもらおうとすると、怯えた顔で、「やばい。ここはやばいて。絶対やばい」と、私に訴えかけてきました。

とりあえず先輩達が急かすので、マサキの手を解かせて車を降りました。

そして、その建物の周りを歩いて、ぐるっと一周。裏手の崖も覗いてみて、車の前に帰りました。

先輩達は興味深そうに「なんか出た?」と聞いてきましたが、私は「いやなにも」と答えました。

そして誰も一向に車から出てこないので、前の座席の先輩達に、

「お前らが行こうって言うたんやろ。降りろって。地下見るんやろ」と言いました。

先輩は「お前怖くないんか」と聞いてきたので、「あんまり」と答えると、

山口先輩が、「じゃあ明日までここで泊まってみろ」と私に言いました。

私は「なんでこんなとこで寝にゃあかんのよ」と、おそらく真っ当な意見を返しました。

すると山口先輩は、「怖くないんやろ?十万円やるって言うたら泊まるか?」というので、

私は「前金で今払うんならやるわ」と答えました。

山口先輩は「ええで」と言い、財布の中から一万円札を十枚出しました。

私が「なんでこんなに持ってんの?」と笑いながら聞きましたが、そういえば山口先輩は、「パチンコやらスロットやらで大勝ちした」みたいな事を、その日言っていました。

私は「後で返せゆうても返せへんで」と念を押して金を受け取り、その提案に了承しました。

先輩達は「アホやこいつ」と笑っていましたが、私も「十万も出すほうもアホやろ」と返しました。

マサキは何も言わず、後部座席でうずくまっていました。

先輩達は私を置いて行く前に、「地下行って来い」と楽しそうに言ってきました。

十万円も貰った私は、さして気分も害せず受け入れて、地下に向かいました。

火事があったのは本当らしく、まっ暗な中でもライトの光で、壁中焦げて真っ黒になっているのが見えました。

地下はそんなに広くもなく、目に付く所と言えば、お風呂の浴槽のようなものだけでした。

車の前に戻り、「壁が真っ黒だった。火事でなんやらゆうてたやん」と報告すると、先輩達は「おー」と、嬉しそうに聞いていました。

そして、「明日の朝九時に迎えに来る」と約束をして、私一人を残して車で山を降りていきました。

残された私は、「あいつホンマに迎えくるんやろうな」と少し心配しながら、その廃墟の一番マシそうな横になれる所をみつけて、埃を払い、座り込みました。

時刻は深夜一時くらいで、どうやって暇を潰そうかと、とりあえず携帯をいじっていました。

誰かに電話して時間を潰そうにも時間が時間ですし、電波はギリギリアンテナが一本立つか立たないか程度なので、あきらめました。

しかし、こう山奥にもなると、怖いのは幽霊より野犬とかじゃないのか、と考えました。

廃墟は地下以外は外に剥き出しですし、地下は汚れがひどい上に、さすがに気味が悪い。

これはうかつに寝ると危ないな、と考えていました。

あまりに暇なので、もし幽霊が出てきたら などと考えたりもしていました。

「まあびっくりはするかなあ……」などと思っていたら睡魔が押し寄せて、私は簡単に眠りに落ちていました。

目を覚ますと、午前五時を過ぎたところでした。

夏場だったので結構明るくなっていたし、私は山を迷わない程度に散歩することにしました。

野うさぎがいて軽く感動したりして、こういう自然もいいなあと思い、廃墟に帰り九時を待ちました。

九時になっても先輩は来ませんでした。

電波の良さそうな場所を探して電話をかけたのですが、マサキの家で泊まった先輩二人は、『すまん寝てた』と寝起き声で言っていました。

大体予想通りだったので、私は「ええから、はよ来い」と強めに言って、迎えを待ちました。

迎えが来たのは十一時半を過ぎたところで、先輩二人とマサキ、あと山口先輩の彼女が車に乗っていました。

先輩達は「なんかあったか?」としきりに聞いて来ましたが、私は「特に何も」とありのまま話しました。

つまらなさそうでしたが、「まあそんなもんだろう」という結論に落ち着き、早速山を降りるため、私を乗せ車を発車させました。

発車して間も無く、私は自分の足元が、誰かに掴まれているのに気がつきました。

後部座席は端から私、マサキ、山口先輩の彼女となっており、二人とも両手は見えていました。

私は総毛立ちましたが、ええ?このタイミング?とも考え、ちょっと可笑しくなりました。

私は、夏場なので膝までのパンツだったこともあり、直に足を掴まれていました。

掴まれているというより、その手は思い切り爪を立てて食い込ませるように、痛みを与えてきました。

しかし、私が騒ぐことによって車中がパニックとなり、事故を起こすのが狙いかな、とも考えました。

私は、なんかありそうな聞いた事あるような話しやな、と思いながら必死に平静を装いました。

また、一番見られてはいけない隣にいるマサキに気づかれないよう、前のめりに座って影で隠していました。

山を降りる手前辺りで、その掴む手の感触がなくなり、ガソリンスタンドに寄った後、山口先輩の彼女が「ミニストップでポテトが食べたい」と言い出したので、寄る事にしました。

私は皆が車を降りた後、山口先輩だけこっそりと呼び、他の三人と違う場所に移りました。

山口先輩は「どないしたん?」と聞いてきて、私は「危なかったでぇ~」と息をつきました。

よく分からないという表情の山口先輩に、正体不明の手の爪による血のにじんだ足を見せ、「降りる時に足掴まれてた」と言うと、山口先輩の顔は、まさに真っ青になっていました。

山口先輩は「マジか?自分でやったとかじゃないんか?」と聞いてきましたが、私は綺麗に切った爪を見せ、

「こんな爪でどうやって こんな痕つけれんねん。まあどっちでもええけど焦ったわ~」と答えました。

「お前、なんで黙ってんのん。そん時言えよ!!」

「そんなもんお前、言うたらパニックになって事故るかもしれへんやないか」

「あ~……そうか」

「ナイス判断やろ」

「おお」

「マサキと彼女には言うなよ。トラウマなるで」

「分かってるけど俺にも言うなよ。怖いわ~……」

「いや、誰かに言いたいやんかやっぱり」

などと言うやりとりをした後、他の三人に黙ったまま買い物を済ませ、マサキ宅に戻り、私はすぐ自宅に戻ることにして解散しました。

家に戻る事にした私は、ドアの鍵を開けて部屋に入りました。

当時私は、ワンルームマンションの部屋に住んでいたのですが、開けてすぐに、部屋に誰かがいるのが見えました。

坊主頭にかなりの猫背で、ジャージ姿の男でした。

私の部屋は四階だったこともあり、すぐに逃げられるのは私を押しのけてドアから出るしかない、という考えもあり、その場から動かず、「空き巣?」と声をかけました。

男は振り向きませんでした。

「じゃ幽霊?足あるけど」と声をかけても振り向きませんでした。

しばらく見ていましたが、彼はぴくりとも動きませんでした。

仕方なく私が、「どっちでもええけど、土足やめてや」と言いながら近づくと、彼はベランダのほうに静かに歩いて、私と距離を取りました。

私は「なんだこいつ」と思いつつも、両手に刃物等は持ってなかったようなので、

「盗るもんなんかなんもないし、警察もよばへんから、とりあえず出て行ってよ」

と、ベッドに腰を下ろして男に言いました。

それからしばらく男をじっと見ていましたが、微動だにせず何も言いません。

「しゃあないから叩き出すよ」と声をかけても反応しませんでした。

しかし、ふと私が掛け時計に目を向けて彼に向き直ると、彼はこちらに顔だけ向けて、私と初めて目を合わせました。

目は小さく斜視が入っている感じで、団子鼻、口は少しだけ開いている。

私はその顔つきに、何か普通の人とは違う違和感を覚えました。

彼は若干睨む様なそうでないような感じで、こちらをじいっと見て、私も彼を真っ直ぐに目を逸らさず見ていました。

四階な上に鍵もかかっていたままだったので、この世のものではないという考えもありました。

でも幽霊にしてははっきりしすぎているというか、生気がある感じがしたので、私は八割『普通に家に入り込んだ人間』というふうに彼を捉えていました。

私は立ち上がって、彼を見た時の違和感をそのまま口に出して言いました。

「知的障害かなんかの子かな……?怒らんから、出て行こう。ほら」

そう言って彼の腕を掴むと、その感触は異様なでした。

どっしりと中身の詰まったダンボールのような感触で、気味が悪いものでした。

すると彼は少し振り払うように腕を動かし、私はその感触もあってか手を離すと、とぼとぼと玄関の方へ歩いて行き、ドアを開けて出て行きました。

私もすこし待って、下のマンションの玄関あたりを観察しようと思いドアに向かうと、部屋とドアの間にあるトイレのドアが、ドォン!!!と激しい音を立てました。

私は少し警戒しながらトイレのドアを開けましたが、誰もおらず、いつもと変わらぬ光景でした。

すると次は、流しの上の観音開きの小さな戸棚から、ドォン!!と激しい音が聞こえてきました。

なんやねんと思いつつもその戸を開けてみると、そこには三十代後半くらいの男性の顔があり、じっとこちらを見ていました。

私もその男も、じっと少し睨む様な感じで、お互いの目を見ていました。

そして私はなんとなく、「どうせなんか言うても黙ってんねやろ」と口を開き、戸棚を閉じました。

その後、夕方まで特になにも起こらず、少し睡眠をとったりした後、当時勤めていた職場であるお店に向かいました。

そこでよく「この店は出る」などとよく言っていた、自称『霊感がすごい』大学生のアルバイトの女性珠美さんに、昨晩泊まった心霊スポットについて尋ねました。

「珠美さん、あそこの心霊スポットって行った事あります?」

「あるよぉ。あるけどもう絶対行きたぁない!」

「やばいんですか?」

「やばいやばい、絶対やばい!あそこ行くん!?」

「行かないですけど、地下がやばいとかって聞いたんですけど」

「だって地下で死んでんやろ!?」

というふうなやり取りをした後、あそこはどういう場所か知っているかと聞くと、更正施設のような所で、どうしようもない不良や、知的障害の人等が収容されてたとかなんとかと、聞いた話で確信はないが、というふうな感じで教えてもらいました。

これも有名な話らしかったです。

私は少しだけ自分の考えと繋がった気がして、坊主頭の彼を思い出しました。

仕事中、携帯電話は基本事務室に置いていたのですが、アルバイトの従業員が「なんかずっと鳴ってますよ」と、私に報告してきました。

私はなんだろうと思い、携帯の着信を確かめに事務室に向かうと、確かに携帯は、まだ着信のバイブレーションで震えていました。

『あ、つながった』

それは山口先輩からの着信で、出てみると、『なんかマサキがずっとおかしいねん!!頼む、ちょっと来てくれ、頼む!!』と、必死に懇願してきました。

その後ろから、叫び声がずうっと聞こえてきていました。

これはただ事ではないと思い、オーナーに電話をかけ許可を取り、他の従業員に「少し頼みます」と事情を説明した後、マサキの家に向かいました。

マサキも一人暮らしで、先輩二人と山口先輩の彼女の三人は、よくそこを溜まり場にしていました。

そしてその日も、四人でその部屋に居たようでした。

あまり離れていなかったこともあり、三十分弱でマサキ宅に着きました。

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部屋に入ってみると、「あああああ!!」とひっきりなしに叫んでいるマサキと、マサキを抱えた工藤先輩、泣きはらした顔の山口先輩の彼女、飲ませようと思っているのか、水の入ったコップを握りしめた山口先輩、知らないおばさん(後で聞くと大家さんでした)の五人がそこにいました。

私は山口先輩に、「こいつ知らん所でクスリでもやってたんか」と、攻めるような口調で尋ねました。

山口先輩は「そんな事するわけないやろ!とり憑かれたんちゃうんかこれ!?」と、半ばパニックになったような感じで、「なんとかなれへんのか!?」と私に言いました。

そう言われてもどうしていいのか分からない私は、とりあえず工藤先輩に代わってマサキの肩を掴み、「どないしたんや。落ち着け」と声をかけました。

しかし、マサキは私の声など聞こえていないようで、叫び声を上げるだけでした。

以前、マサキの姉が狐にとり憑かれた、という話を聞いた事がありますが、それもマサキが、心霊現象が苦手な要因になっている事もあるのだろうと、「大丈夫や、こんなもん気の持ち様や。しっかりしろ」と、耳元で声をかけました。

しかし、マサキは叫び声を上げるだけでした。口の端が泡だってきているほどでした。

たまりかねた私は、「黙れ、落ち着け!!」と大声を上げて怒鳴り、髪の毛を掴んで顎をしゃくりあげました。

すると、マサキは叫ぶのをやめたかと思うと、「ふぅぅううっ!!」と甲高い声を上げたかと思うと、私の腕に顔をうずめるようにしがみついて来ました。

私はマサキに、「どうした、もう大丈夫なんか」と聞くと、マサキは顔を埋めたまま首を横に振りました。

「とりあえず水飲もう」とマサキから離れようとすると、叫び声をあげ私の名前を二度叫び、「離れんといてくれえ!!」と泣き声で言いました。

しかたなく私は、その状態で三十分くらいの間じっとしていました。

ある程度落ち着いたマサキが、子供のようにせがむのをなんとか言い聞かせ、山口先輩の彼女に代わりに様子を見てもらい、山口先輩、工藤先輩の二人と大家さんと部屋の外へ行き、大家さんにひとしきりお詫びして、三人で話し合いました。

大家さんは、近所の苦情があったのと、隣に住んでいたため来たようです。

私は「やっぱり心霊スポット行ったせいかな」と、工藤先輩にも足を掴まれた件を話し、部屋にいたジャージの男や、戸棚の顔についても二人に話しました。

すると工藤先輩が、「お前が怒らせたからちゃうんか」などと言う事を言い出しました。

「怒らせたって、泊まったから?」

「なんかしたんちゃうんか」

「寝ただけやがな」

「それで怒ってんのちゃうんか」

私は「幽霊を?」と少し笑いながら尋ねると、先輩は急に「もういやや」と頭を抱え、タバコを吸いだしました。

私は少し呆れながら、山口先輩に「どうする?」と尋ねました。

「お祓いしてもらうしかないんちゃうんか」

「あんなもんアテになるんかいな」

「だってそれしかないやろうが」

「怒ってんねやったら、謝ったらええんちゃうん」

「誰によ」

「心霊スポット行って、幽霊に」

「おい、また行くんか!?」

「だって家かえって、ジャージとかがまた出てくるかどうか分からんし」

「絶対嫌や 行くんだったら一人で行けや」

「別に来いゆうてへんがな」

というやり取りをして、「またマサキが叫びだしたら電話して」と山口先輩に頼み、私は自分の家に車を取りに戻り、廃墟へ向かいました。

夜中だった事もあり、自分で運転してみると、廃墟へ向かう山道は中々際どいカーブなどがあって、一層危険に感じました。

一度道を間違えましたが、なんとか昨日の廃墟に着いた私は、そこでライト等を何も持ってきていないことに気付きました。

とりあえず外側から廃墟に向かって、「すいませんでしたー」と少し大きめな声で一声かけました。

が、何も反応はありませんでした。

「なんか反応してよ……」と独り言をつぶやいた反面、「俺なにやってんねやろ」と、少し気恥ずかしい感じでもありました。

私は携帯電話の明かりをあてながら廃墟を歩き回り、

「一晩泊まったからって、そんな怒らいでもええやんかー」

「帰れーゆうてくれたら、歩いてでも帰ったのにー」

と、誰もいないのに、独りで言い聞かせるように話しました。

正直、ほとんど明かりもないのに行くのは嫌だったのですが、

「やっぱり地下なんかなあ……」と思った私は、地下に向かうことにしました。

地下に向かうと、前には感じなかった人の気配を一気に感じました。

「おおっ、これは……おるなあ」と、気丈に振舞うためかわざと口に出し、「いきなり後ろに立ってるとかは……やめてね」と言い、地下の真ん中あたりまで歩きました。

ほとんどなにも見えず真っ暗でしたが、そこで立ち止まり、

「もう来えへんから。ごめんね」

と、誰かに言うように言い、少し待ちました。

しかし何も起きず、更に十分くらい待っていると、気配もなんとなく無くなった感じがしました。

なので、最後に「出てくるんはええけど、俺のとこだけにしてね」と言い、地下をでました。

車に戻り、すこしだけ廃墟の外観を眺めた後、山を降りるため車を走らせました。

運転しているのに足を掴まれては適わないので、できるだけスピードを落として走行していました。

すると今度は、後部座席から肩を掴まれました。

最初は掴むだけで、どんどん爪を立ててくるような感じでした。

私は「いったぁ……」と言いながらも、事故を起こさないよう、できるだけ安全に、気にしないよう車を走らせました。

どんどん爪を食い込ませる力が強まり、痛みはどんどん大きくなっていきました。

そして、いつまでも爪を立ててくるその手に腹が立ち、広めの道路の脇に車を止め、

「ちゃんと謝ったやんけ、調子のんなハゲェ!!」

と怒鳴り、後ろを振り向きました。

暗いながらも、もの凄く剣幕な顔をした女性が、私の肩に手を伸ばしているのが見えました。

心の中では、うわぁ……こっわぁ~~……と思いながらも、その女性を真っ直ぐ見つめ、「なんやねん」と機嫌が悪そうに言うと、爪を立てる力がかなり緩くなり、やがて触れられている感触もなくなりました。

とりあえず私は、

「いや、ホントすみませんでした。もうあそこ行かないですから」と言い、

「じゃあ僕前向くんで、その間にどっか行ってね。お願い」といい、前を向いて、車を走らせました。

曲がり道が減ってかなり安全になってから、後ろを振り返ると、その女性はいなくなっていて、ホッとしました。

二日後、また山口先輩から電話がかかってきて、マサキが叫びだしたと言われ、マサキ宅へ向かいました。

私は横になり叫ぶマサキを見下ろしながら、「もうええってお前。落ち着け」と声をかけても、一向に叫びやまないので、「お前ホンマ、静かにせえへんと本気で殴るでー。はい 5、4、3……」とカウントすると、マサキは静かになりました。

「何やお前それ、くだらん演技すなよ」

と呆れたように言う私に、マサキは

「演技じゃない。急に意識が戻った」

と訴えかけてきましたが、私にはどちらでもよく、その後、マサキがとり憑かれたかのように叫びだす事はなくなりました。

お話は以上です。

今でもたまにおかしなものが見えたりしますが、私は元気です。

(了)

 

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