【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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漆黒の街宣車

      2016/06/18

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俺が中学一年の頃の話。

244 :2010/11/23(火) 21:27:34 ID:HJ2pzT7Z0

その頃俺は、西日本某県某市の団地の四階に、両親と弟の家族四人で住んでいました。

団地は街の隅っこの山の上にあったんだけど、この団地が今考えても結構不気味。

ボロいわ、汚いわ、入居者もいないのに棟数だけはやたら多いわで、ぱっと見で廃墟みたい。

敷地が無駄に広い上に、すぐ後ろは山、前は寂しい住宅街だったから、夜中になったらもうゴーストタウン同然。

夏休み中も、近所の子どもが肝試しに使うような場所。

エヴァンゲリオンの綾波レイの住んでいる所みたい、って言ったら分かる人いるかも。

まあそんな所だから、廃棟の屋上に人影が見えるとか、人魂が漂っているとか、そういう怪談話には事欠かなかった。

そういうの、俺は結局一度も見えなかったけど。

俺が変な体験したのは十一月のはじめ。

その日俺は風邪をひいて、学校を休んだ。

熱なんてほとんど無かったはずなんだが、とにかく気分が悪くて、何を食っても戻す、何を飲んでも戻す、って状態だったと思う。

それと、耳鳴りがヤバかった。

テレビとかで放送禁止用語に被せる「ピー」ってSEがあるけど、あれに良く似たヤツが、耳の奥でちっちゃく鳴り続けている感じ。

後にも先にもあんな耳鳴りは初めてだったから、良く覚えている。

平日だったから親父とおふくろは仕事、弟は小学校へ行き、一人っきりになった俺も、午前中は黙って寝ていたんだけど……

吐き気と耳鳴り以外に体の変調も無かったし、昼過ぎにはもう退屈して起き出していた。
で、テレビみたり漫画読んだりゲームしたりしながら、時間をつぶしていた。

変な出来事が起きたのは、4時40分ジャストくらい。時間は多分正確だと思う。

弟がなかなか帰ってこなくて、「遅ぇなぁ」って窓際の時計を見上げた記憶があるから。

だから、外の天気もはっきり覚えている。

気持ち悪いくらい西陽が眩しかった。

独りきりの夕方って、夜中なんかよりもよっぽど静かなんだよな。

昔の人が逢魔ヶ時って呼んでいたのも分かる気がする……不気味な空気が漂っているというか。

あの時も、早く弟に帰ってきて欲しかったんだと思う。

その時俺は、セガサターンのバーチャファイターに興じていたんだけど、突然テレビが、音飛びと同時にノイズまみれになったんだ。

ノイズって普通、画面全体をザァーって覆うと思うんだけど、そん時のノイズはなんか変で、モニターの真ん中から発生して同心円状に広がっていく……っていうのかな。

うまい事言えないんだけど、池に石を投げ込んだら波紋が広がる、って感じに似ていた。

ちょっとしたらノイズは消えるんだけど、しばらくしてまた真ん中が歪む⇒ノイズが外側へ向けて広がっていく、ってのが何度か続いた。

最初はテレビの故障かなとも思ったんだけど、あんまし規則的に続くもんだから不気味になってきて。

それでテレビ消そうと思ったら、俺が触るより早く突然電源が落ちた。

もうこの時点で泣きそうになったんだけど、電源が落ちた途端に耳鳴りの音が急にデカくなって、思い出して勝手に鳥肌立ってきたんだけど……

耳鳴りの音質が明らかに変わった。

「ピー」っていう高音から、「ブーン」っていう低音に。

ともかく、子供心にもこりゃヤバいって気がして、テレビから離れようとした。

そん時、窓の下に何か黒っぽい塊が見えた。

そこは団地と団地の間に挟まれた中庭みたいな所で、小さな公園になっているんだけど、公園の隅っこに一台、真っ黒でバカでかい車が止まっているんだよ。

街宣車にそっくりだったのをハッキリ覚えている。

あの軍歌とか流しながら爆走しているヤツね。

ただ、ボディペイントとか日の丸なんかは全く何もなくて、ただ真っ黒なだけ。

それが西陽の中で、捨てられたように佇んでいるんだ。

で、魅入られたみたいに眺めていると、暫くしてスピーカーから音が流れ出してきたんだ。

流れてきたのは軍歌では無く、陰気な声だった。

『チチワ……※※※、ハハワ……※※※』みたいな事をブツブツ呟いていた。

何度もチチとハハって言葉が聞こえたから、同じフレーズを繰り返していたのかもしれないけれど、なんせ声は小さいし、低くこもっているし、意味は全く分からなかった。

声と連動して耳鳴りも段々大きくなってきて、唸り声みたいになってくるし。

その後なんだけど、耐えられなくなった俺が泣きながら布団に頭突っこんで、耳塞いで「あー」って怒鳴って、耳鳴りの音を掻き消しながら暫く耐えていたら、やっと弟が帰ってきた。

弟に布団を引っぺがされた瞬間は、心臓が止まるかと思ったけど。

で、気付いたら耳鳴りは止んでいて、窓の外を見ても街宣車の姿はどこにも無かった。

弟に聞いてみても、ありがちなオチだけど、そんな声も車も知らないって言われた。

以上が俺の経験した中身です。

書いたの見てみると、あんまし怖くないな。

でも、俺個人としてはほんのりどころか、メチャメチャ怖い出来事でした。

結局あの車が何だったのか分からずじまいですが、今でも街宣車と夕焼けは苦手です。

団地にはもう誰も住んでいませんが、建物自体はまだあります。

(了)

 

恐怖箱怪泊 [ 加藤一 ]

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