【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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【沙耶ちゃんシリーズ】13 整理

      2015/07/08

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翌日、出版社に顔を出し、H先輩に経緯を説明した。
先輩は、「寺じゃなくて病院を紹介したほうがよかったか」と呆れた。
俺はノイローゼなんかじゃないんだがww
「霊なんてものを信じるヤツは、みんなおかしい」と断言するクソH。

実証してやるとばかりに、俺の体験を合理性で解読し始めた。
「まず、いいか?カリノを見た、なんてのはその典型だ。
お前は俺から事前に情報を得ていたんだから、具体的にカリノの焼死現場を妄想することは難しくなかったろ?

その証拠に、与えなかった情報については、何も見てこなかったじゃないか」
「見えはしなかったけど、カリノが入れあげてた女性の存在は、なんとなく感じましたよ」
「そのオンナは、生きてるか死んでるかもわからないんだぜ。
もし生きてたら?お前の霊感とやらが、いかに似非か証明されることになるぞw」
相変わらず気に触る言い方で、カリノの件は一蹴されてしまった。

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「それじゃあ白骨のヤツは?
俺は、あのトンネルでバラバラ遺体が発見されてたことも知らないうちに、
巡査や由香さんのパーツを集め始めたんですが」
「フラストレーションを発散させるのに、その手の妄想に浸るヤツは珍しくない。
お前は一見暴力とは無縁そうだが、内在してる嗜好まではわからんさ」
うーん……反論できないな……
「特に馬鹿女のほうは、昔の恨みでも引きずってたんだろ。
コンビニの店員仲間と話題にしたことによって、リアルに悪感情を思い出したんじゃないのか?」
「そこまで激烈な恨みなんか持っていませんよ。ただ、生理的に受け付けなくなっているだけです」
母親と姉を軽蔑している俺は、
男に対して誠実にふるまえない由香さんに対しても、同じような感情を抱いてしまうんだ。
「ま、あの馬鹿女は殺したって死なないから、せいぜいズリネタにでもしてやれ」
歯をむき出して笑うクソHを、俺はまた怒鳴りつけそうになった。

「案外、巡査っていうのにも、心当たりがあったりしないか?」
H先輩の突っ込みに、俺は苦笑いしながら頭を掻いた。
「実は……と言っても、ガキのころのたわいのない話なんですが」

中学生のとき、俺はどちらかといえば悪ガキだった。
学校の備品盗んだり、連れを用水に突き落としたり。
田舎のノリの範疇だったけど、大人からは煙たがられてた。
ある日、学校からの帰り道に、警官の巡回に出くわした。
特に悪さはしていなかったと思うが、その巡査は俺のこと知ってたんだろうね。
「あんまりふざけたことしたら撃ち殺すぞ」って言って、本当に拳銃を構えてきたんだ。
まあいま思うと、これもある種のノリだったな。
思いっきり逃げたwwいい薬になったよ。

「お前が腕を引き抜いたのは、その巡査だったのか?」
「もっとガタイのいい人だった気がしますが、俺自身が中学から成長してますから。
まあ、あんな感じだったかも」
結局、これも説明がついちまったようだ。

「じゃあ最後に昨日の件だが」
H先輩は、自分のPCのメールボックスを開きながら言った。
「お、来てる来てる。ちょうど俺んとこの顧客だったらしくってな。
不審死なんで、担当者が事情を詰めてたとこだったんだ」
着信したメールには、『原田園恵の死亡原因について』とタイトルが入っていた。
先輩がクライアントからの出向だっていうのは前述したが、そのクライアントは生命保険会社なんだ。
大手の生保は自社で調査部署を持ってて、不自然な請求があると、徹底して調べることになってるらしい。
原田園恵は数年前に、先輩の会社の終身保険に加入していた。
特異な死に方ではあったが、メールには『いたって自然な理由による自殺』と書かれていた。
「自然な理由ってなんすか?腹に子どももいたっていうのに」
「マタニティブルーって知ってるか?
俺の嫁もひどかったが、妊娠中はホルモンのバランスが崩れて、ウツになることがあるんだぜ」
「先輩の奥さんがウツになったのは、妊娠のせいじゃなくて……」
言い終わらないうちにスリッパが飛んできた。
「原田園恵にはその兆候が強かった。自殺してもおかしくないほどな。
だから、『自然な自殺』と報告が来たんだろうよ」

……見事にこじつけられた。数年前の俺だったら、H先輩の言葉を信じただろうな。
でも違うんだよ。うまく説明できないけど、俺は妄想に浸ってるわけじゃないんだ。
だって、今までの霊現象のほとんどは、沙耶ちゃんも一緒に体験してるんだから。
沙耶ちゃんは信じる。H先輩はあの世界を知らないだけだと思えちまう。
俺は反論をやめて、「あんまり気にしないようにしますわ」と、先輩をあしらった。

仕事が終わって、バイトまで時間があったので、不眠覚悟で沙耶ちゃんのアパートを訪ねた。
実は昨日、あの駅から帰ってきて居座った先は、彼女のアパートだったんだ。
意識のハッキリしなかった俺に、一晩中沙耶ちゃんが話しかけてくれたおかげで、
こうやって日常に戻ってこれたってわけ。
あの子はもうすぐバイトに出るはずだ。顔だけ見て自宅に帰ろう。そう思ってインターホンを鳴らす。
……出ない。留守か。それとも、もうコンビニに行っちまったか。
まあ、いいや。どうせ後で会えるんだ。急ぐこともない。

水戸黄門が、なぜ1話完結にしてあるか知ってるか?
視聴者に年寄りが多くて、次週まで健在でいる保証がないから、って理由らしい。
俺はいま、連続投稿という形で話をぶつ切りにしている。
時間の制約があるから仕方がないんだが、でも、実はすごく心苦しい。明日は保証されないからね。

後で会えるなんて、なぜこのとき思ったんだろう。
店まで10分の距離を歩いて沙耶ちゃんの姿を確認することを、なぜ惜しんでしまったんだろうか。

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