【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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夏休みのキャンプで起きたこと

   

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小学四年生の頃。体が弱くいじめられっ子だった俺は、親の意向である格闘技を習い始めました。

889 :本当にあった怖い名無し:2011/09/27(火) 09:12:12.63 ID:QA6zoQ5b0

特定されると面倒なので詳細は割愛しますが、効果はてきめんで、格闘技を習っているというだけでいじめは激減しました。

その道場の夏休みのキャンプがありました。場所は地元唯一の山。

小さいながらも山前に池をたたえ、何を祭っていたかは覚えていませんが山頂に小さな社のある、桜や藤、紅葉の美しい、それなりに風光明媚な、大戦中の防空壕も残る山です。

その山前の池には、一本橋でつながる埋め立てた出島がありました。

ランニングや登山を終えた夕刻、道場生は出島にある東屋に集められました。

そこで道場の先生は、面白おかしく俺たちを脅かします。

・昔、芸能人を夢見て東京に行ったが物にならなかった若者が首を吊った。その木があった場所が、この東屋だ。

・この池には江戸時代に禁断の恋をしたカップルが入水自殺をした。

・お前達の見た防空壕は運がいい方で、爆撃で埋もれ掘り起こされていない防空壕もある。

……などなど。

これは夜にかけて子供達が羽目を外さないようにという、釘刺しだろうと思っていました。

その後はお約束のカレー作り・キャンプファイヤー・花火・就寝と流れていきます。

就寝を言い渡され、子供達は一つのテント辺り三人ずつに分かれて床につきました。

テントは4×2列。俺のテントは出島に最も近い位置にありました。

先生達は、テントからは二〇メートルぐらい離れている大きな松の木の下に蚊帳を張り、酒盛りを開始。

しかし、夏休み&お出かけ&キャンプとなれば、子供が大人しく眠るはずがありません。

俺のいたテントの隣のテントの連中が馬鹿騒ぎし、一番若い三島先生に怒られ、連帯責任ということで、4×2列のうち前面の四テント十二人が、池に面するコンクリ製のベンチに正座させられてしまいました。

ちなみに俺は、出島につながる一本橋に最も近い位置で正座させられていました。

はじめは馬鹿騒ぎしたテントの連中を皆で責めましたが、俺がふと出島を振り返ると、三島先生が浴衣姿で団扇であおぎつつ、つつじ等の出島の木花を丹念に観ていました。

先生はこちらに背を向けていましたが、身長、体格、角刈りの髪型などで三島先生と判りました。

「ねぇ、先生何してるんだろうね?」

「あ、ホントだ。お願いして正座ゆるしてもらおうぜ」

「センセー! もう許してよ~!」

先生は気づいていないのか、まったくこちらを振り向きません。

「なぁ、なんか静かじゃない? 寒いし……」

さっきまであれほどうるさかった虫が鳴いていません。

酒盛りをする先生達のガハハ笑いだけが響いていました。

池には霧が立ちこみ始め、急激に気温が下がっているようでした。

「あんなところに木あったっけ?」

出島の東屋の“屋根”に何故か木が生えていて、その木だけ風もないのに揺れていました。

「なんか聞こえないか?」

霧で見晴らしの悪くなった池から、ボートを漕ぐような音が聞こえてきました。

確かに池には貸しボート屋がありますが、こんな時間に営業している訳がありません。

音はこちらに近づいているのではなく、横へと移動しているようでした。

やがて霧の切れ目に現れたのは、貸しボート屋のボートとは違う渡し船?のような形状の船で、二人の若い男女が乗っていました。

洋服ではなく、着流しのような衣装で。

「あそこ林だったよな?人、住んでたっけ?」

出島の反対側の林の向こうに、ゆらゆらと灯が揺れていました。

それこそTVで見る人魂の挙動そのものに。

そんな場所に民家はないし、街灯も電話ボックスもありません。

 

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ゆらゆら揺れる灯が一つ、また一つと増え始めたとき、俺は決定的なことに気づきました。

「なんでいろいろ見えるのかな?」

光源がないんです。曇り空で月明かりも。

先生達が酒盛りする蚊帳の上にあるライト以外、光を発する物は何一つありません。

そもそも、テントからこのベンチにたどり着くのさえ困難だったほどの真っ暗闇です。

ここにきて俺たちはヤバいと気づいたものの、正座解除を言い渡されていません。

勝手にテントに戻ったら地獄の乱取りフルコースです。

「三島先生にお願いしよう!」

「センセー!」

「なんかおかしいよ!」

「もういいでしょう?」

出島にも灯ないのに、なんで三島先生も見えてるんだろう?

というか、なんで浴衣なんだろう?

ジャージじゃなかったっけ?

俺がそう思ったとき、三島先生がこちらを振り返りました。

三島先生には顔がありませんでした。

俺たちは凍り付きました。

声も出せずに三島先生じゃないモノと睨み合い、友達の誰かが叫びながらテントに逃げ出すのを合図に、俺たちは一斉にベンチから離れようとしました。

そのとき、三島先生じゃないモノが、凄まじいスピードでこちらへ向かって一本橋を渡り始めました。

一番出島に近い場所に座っていた俺は、長時間の正座で足が痺れていたのと、あまりの恐怖に腰が抜けてしまい、呆然と迫りくる何かを見つめていました。

橋を渡りきった三島先生じゃないモノが俺に掴み掛かり、威嚇するように、何もない顔面を俺の顔に寄せてきたとき、

「お前達!なに騒いでる!」

俺は目だけで声の方向を見ると、酒盛りの蚊帳から本物の三島先生がこちらへ近づきつつありました。

三島先生じゃないモノは三島先生に顔を向けると、もう一度俺に向き、手を離して出島へと駆けて行きました。

三島先生じゃないモノは出島のつつじの前で立ち止まると、そのまま消えてしまいました。

その後は三島先生にテントに戻る許しを得て、全員がテントに転がり込みましたが、いま起きた事は信じてくれませんでした。

なせか、明るければ幽霊は来ない、ということになり、手持ちの懐中電灯全部でテント入り口を照射し、怯えながら朝を待ちました。

翌朝、俺達の話を先生の誰もが信じてくれませんでした。

車でやってきた貸しボート屋のお爺さんに話すと、お爺さんは思い切り目を見開いたものの、「助かったな。この山に夜近づくな」とだけしか言ってくれませんでした。

これが俺が殴れないものへの対策として、占いやオカルトとか心理学に走ったきっかけです。

(了)

 

霊能者・寺尾玲子の心霊質問箱

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