【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

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未来からやってきた彼氏

   

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今のこの時代、もちろんタイムマシンなんてないよね。でも私は今の彼氏に六年前に会ったことがあるんです。

1 :主:2015/11/09(月)19:58:09 ID:yuO(主)

ただ会ったことがあるってわけじゃない。彼氏は私の六歳下で今二十六歳なんだけど、六年前に会った時も彼氏は二十六歳だったんです。

詳しく書かせていただきます。

当時私は二十六歳、クレープ屋で働いていて、婚約者もいました。

順風満帆で、毎日が幸せでした。

そんな時、彼はお客さんとして現れました。

スーツに黒髪に黒縁メガネ、印象としては若いサラリーマンって感じだったと思います。
彼は普通にクレープを購入して、普通に帰っていきました。

なのになぜか私は彼の何かが引っかかり、初めてのお客さんなのに記憶に強く残ったのです。

そして次の日、また次の日と彼は同じ格好でクレープを買いに来ました。

でも三日目、彼は普通にクレープを買った後

『今日、仕事が終わった後、奥堂さんの予定は空いていますか?よかったらご飯でもどうですか?』

と、声を掛けられて、なぜか私もハイと返事をしてしまいました。

もちろんその後は食事だけ。でも会話は全く覚えてなく、覚えていたのは凄く安らぎを感じた時間だった……と言う事だけでした。

それから毎日彼は私を誘ってきました。純粋な交際で、遊園地だったりショッピングモールだったり。

そして彼と出会ってちょうど一週間たった時、海に誘われて海へと行きました。

この時点で私が彼について知ってる事は、名字と年齢だけ。

だけど不思議と不安はなく、その時はそれだけでも十分だと思うほど、彼に心を許していました。

しかしその日の彼は少し様子がおかしくて、寂しそうな顔をしながら

『会えるのは今日で最後』と言い出しました。

あ、そうなんだ。と思った反面、なぜ出会って一週間そこらの人と私はこんなにも一緒にいるんだろう、という疑問が湧いてきました。

彼はそんな私の思いを知ってか知らずか、今度は真面目な顔をして

『驚かないで聞いて欲しい』

『俺は未来から来ました』

と言い始めたのです。

皆さんならそう言われたらどう反応しますか?笑いますか?馬鹿にしますか?

きっとどちらの反応も普通で正しいんだと思います。

でもその時、私はそのどちらも出来なくて、素直に話を聞くだけで言葉が出てきませんでした。

彼はさらに衝撃的な事を言い出しました。

『今から数ヶ月後、奥堂さんは今の婚約者と別れることになる。そしたら奥堂さんは凄く落ち込んで、凄く悲しむ事になる』

『俺は奥堂さんがそうならないように、未来から教えに来たんだよ』

何も言わない私に彼はさらに

『その婚約者との別れは仕方ないことで、回避できないと思う。でも奥堂さん、忘れないで。さらにその数年後、俺が奥堂さんを見付けるから』

言葉は違うかもしれませんが、確かにこんな感じのニュアンスだったと思います。

私が呆気にとられていると、彼は私に一枚の紙を渡してきました。

紙には、平成〇〇年〇月〇日、とだけ書いてありました。

そして最後に彼は

『お願い忘れないで。お願い笑っていて』

確かにそう言った気はするのですが、そこから記憶がなく、気が付くと家のベッドの上でした。

頭が混乱して訳が分からないままで出勤。

しかしよく分からない事はまだ続きます。

同僚に彼の話をすると、誰もそんな人は知らないというのです。

確かにそんなに印象に残るタイプではなかったのですが、クレープを買いに来るたびに同僚とも仲良くしゃべっていたので、覚えてないはずがありません。

でもやっぱりどれだけ聞いても知らないという返事が返ってくるばかりで、それどころかもらった紙もない。

同僚には記憶違いじゃない?とか、夢みてたんじゃないの?とまで言われる始末。

まるで私以外の周りの記憶から、彼の存在のみが消えてしまっているように感じました。

しかし不思議なことに、異常な早さで私の記憶からも彼は消えていき、気が付いたら彼の存在さえすっかり忘れていました。

 

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それからしばらくたったある日、私は婚約者と別れることになりました。

原因は両家の反対。

駆け落ちしてでも一緒になりたい!と思っていた私とは対照的に、婚約者は世間体を選び、私の前から姿を消しました。

凄く傷付き、凄く悲しみ、死んでしまいたいと家にも帰らなかった私は、海を見ていました。

するとある言葉を思い出したのです。

『お願い笑っていて』

その時点で誰に言われた言葉なのかさえ分からず、だけど、あぁ笑わなきゃって思って無理に笑っていたのを覚えています。

そしたらなんだか前向きになれて、心機一転しようと仕事を退職。

全く違う土地で、違う仕事に就きました。

だけど恋愛をする気にはなれず、気が付けば私も三十二歳、周りの友達や同僚に結婚を急かされるようになっていました。

そんなある日、職場に行ってカレンダーを見て、またあることを思い出したのです。

〇〇年〇月〇日

そんな紙を誰からかもらった記憶。

あれは何年の何月何日だっただろうか。

それは思い出せず、モヤモヤしたまま自分の持ち場に向かいました。

するとそこには見慣れぬ顔が。

今日から新しい人が入るって言ってたな、とあいさつをしようと顔を見て、まるで脳みそが痺れるように、何もかもを思い出しました。

あの時と同じ姿で、同じ笑顔で

『初めまして、西間木です』

というその人物は、正しく六年前の彼だったのです。

私は驚きながらも彼に色々聞いたりしてみましたが、彼は私の話を聞いても全く分からないようでした。

しかし思い違いや勘違いでは済ませる事が出来ないほどに、私の記憶は鮮明になっていて、〇〇年〇月〇日が今日であり、彼が私を本当に見付けてくれたんだって思うと、なぜか胸が震えて嬉しかったんです。

そして数ヶ月後、私達は付き合うようになりました。

彼はあの頃と同じ二十六歳、外見も仕草も何もかもが同じ。

相変わらず彼にその話をしても首を傾げるだけですが、彼も最初会ったときは不思議な感覚がしたといいます。

『初めて会った気がしなかった』

『なんでか分からないけど、奥堂と結婚するんじゃないかなって思った』

私の身に起こった事が結局何だったのか未だに分かりません。

でも、そんな私ももうすぐ結婚っていうことで記念に投稿してみました。

あれはやっぱり夢だったのか、それとも現実か。

タイムマシンなんてないこの世界でこんなことありえるのか。分からない事だらけですが、幸せです。

ちなみに皆さんはこんな経験を他から聞いたりした事はありますか?もしくは詳しい方とかいらっしゃったりしないでしょうか?

何か少しでも分かることがあれば知りたいです。

良ければ同じような嘘のようで本当の話があれば教えて下さい。

(了)

[出典:http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1447066689/]

 

怪談社(終の章) [ 伊計翼 ]

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