【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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空白の記憶

   

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バイト先の店長から聞いた話。

その店長のお兄さんが(猿岩石の『白い雲のように』がヒットしていた頃)経験した話らしい。

店長のお兄さん、以降伝吉さん(仮名)とします。

伝吉さんは当時とある中小企業に勤めてたんだけど、まだ2月の寒いある日、後輩の女の子が無断欠勤した。

休むとの連絡も無いんで、上司がアパートで一人暮らしその子に電話をしても出ないし、携帯にかけても出ない。

次の日も欠勤したんで、普段まじめな彼女が、2日続けての無断欠勤とはおかしいという事で、彼女の実家に電話した。

電話に出たのはその子の母親だったが、娘からは何の連絡も無いと。

とりあえずご両親がその子のアパートに行って見るという事になった。

その子のアパートは実家から電車で1時間ほどなので、後でまた会社に連絡くれるとのこと。

で、その日の夕方、会社にその子のお父さん安次郎さん(仮名)から電話があったんだが、大家さんに鍵を開けて貰い部屋に入った所、娘は居ないとの事。

部屋も別に荒らされている様子も無いし、書置き等も無いし、ご両親もかなり困惑している様子で、警察に届けるべきかどうか迷っているらしい。

電話の対応をした会社の上司も、誘拐等の犯罪に巻き込まれたんじゃないかと不安になったが、とりあえずご両親に会社に来て頂いて、そこで話し合って対応を決めようという事に。

暫くしてご両親が来社し、社長交えて話し合った結果、やはり警察に通報した方が良いと言う事になり、警察に電話した。

そして、警察が来るまでの間、彼女の机やロッカーを調べて何か手がかりが無いか探そうという事になり、まずは机を調べたところ、引出しから一枚の写真が出てきた。

写真には、人で賑わうスーパーの前で、半袖のTシャツとジーンズ姿でこちらを向き、ピースサインで微笑んでる彼女が写っていた。

いつ撮られた写真かもわからないし、今回の事に関係あると思えないんだけど、安次郎さんは何故か知らないけど違和感を覚えたみたいで、しきりに写真を見つめ考えこんでいたらしい。

そうこうしている内に警察がやってきたんで事情を説明し、社員への軽い事情聴取の後、ご両親と社長が署に同行し、捜索願いを出すことになった。

伝吉さんはその子の同期で、結構仲も良かった為に疑われたのか聴取が長くてヘコんだらしい。

先程の写真も、警察に事情を説明したところ、何かの手がかりになるかも知れないと言うことで、預かってもらった。

で、小さな会社がちょっとした騒ぎになりつつも何とか業務をこなし、それから2日経った日、安次郎さんから会社に電話があった。

娘らしき人物が警察に保護されたようなので、今から病院に行くと。

病院は彼女の実家から電車で3つほど先の駅の近くにある病院で、とりあえず社からは上司と伝吉さんがその病院に向かう事になった。

病院に到着した上司と伝吉さんが病院の待合室に居た母親から話を聞いたところ、保護された人は娘で、目立った外傷も無くやや衰弱しているだけで意識はハッキリとしているとの事。

母親もホッとしたのか、涙ぐみながら本当にご迷惑おかけしてすいませんと平謝りだったらしい。

今ちょうど警察の人が娘に事情を聞いている最中で、面会はまだ出来ないとの事なので、上司と伝吉さんも、無事で良かったとホッとして社に戻った。

その数日後、安次郎さんがお礼とお詫びをかねて来社し、今までの経緯を報告してくれた。

それによると、彼女は保護されるまでの記憶が全く無いらしい。

仕事の後、帰宅して食事を取り、入浴後睡眠したところまでは憶えているが、それからの記憶が全く無く、気が付いたら見知らぬ住宅街の歩道を歩いており、急に恐ろしくなり、道端で座り込んで泣いている所を、近所の人が通報して保護されたとの事。

精密検査の結果も、暴行された痕跡は勿論、目立った外傷も無く、脳にも異常は見られないが、とりあえず、あと2~3日は大事をとって入院するらしい。

まぁでも、とにかく無事で良かったと社長含め一同で話をしていたが、安次郎さんが、でもちょっとおかしな事があるんですよと切り出した。

娘らしき人が保護されたと警察から連絡があったので病院に急いで車で向かったんだけど、その途中で思わず『あっ!』と声を上げてしまったと。

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あの写真に写っていたスーパーが通り沿いに見えた。

立ち寄って確認したかったが、娘の安否が気にかかるし、とりあえずその場は病院に急いで、夜に妻を娘の病室に置いて、一人で確認しに行った。

スーパーの前の路肩に車を止め、降りて確認すると、時間も遅く閉店してるし、夜で景色は違うけどあの写真のスーパーに間違いない。

住所を確認し、急いで病院に戻り警察に電話して、担当の刑事さんに調べて欲しいと訴えたけど、今回の事については、室内で争ったり拉致された形跡も無く、異性との交友トラブルも無い等、事件性が薄い上に、あの写真も今回の件との関連性は薄いので難しいとの事。

警察の対応にやや憮然とはしたけど、やはりあの写真には気になることがあったので、娘にそれとなく聞いても、そんな写真は知らないし、何の事かわからないという。

で、翌日そのスーパーをもう一度尋ねてみたところ、そこで見た光景に背筋が凍ったらしい。

写真では小さく写っていてわからなかったけど、スーパーの入り口にのぼりが立っていて、そこには、

『2月15日~20日まで、OPEN記念セール中!』

と書かれてあった。

15日といえば、彼女が行方不明になった日。

店内に入り店員に話を聞くと、そのスーパーは間違いなく4日前に開店したばかりだと言う。

そんな馬鹿な話がと思いつつ、その時点で安次郎さんが写真に覚えた違和感がわかってハッとしたんだって。

あの写真、彼女は半袖だけど、写ってる周りの人は皆ジャケットなりセーターなりの防寒服着てたと。

では、あの写真……一体誰が写して、いつあの子の机に入れたのか……と。

その場の一同、唖然を通り越して絶句。

スーパーを訪れた翌日、警察署に立ち寄って事情を話したけど殆ど相手にされず、例の写真も返却してもらった。

んで入院中の娘にその写真を見せても、やはりと言うかこんな写真は知らないし、こんなスーパー行った事も無い。

それに、こんな服はあたし持ってないと。

もう一家揃ってかなり気味が悪くなったので、写真は燃やして捨てたそうな。

ちなみに、彼女はその後元気になり無事に退院したけど、小さい会社でこういう騒ぎになったので、流石に居づらくなり辞め、父親の家業(飲食店)を手伝っているとの事。

(了)

 

東京伝説 呪われた街の怖い話[ 平山夢明 ]

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