【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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全身黒ずくめ男

      2017/08/02

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最初に。実話なんで、オチはありません。怖いというよりも不気味とか奇妙な話です。

1:2013/12/08(日) 17:21:06.96 ID:lDRBblG7P

10年くらい前の12月の話。

仕事の関係で先輩と同僚の麗子の三人で、夕方17:30頃に三鷹の方へ行った時のこと。

訪問先が駅から結構離れていて、先輩の案内で近道だという住宅街を抜けていった。

車通りもほとんど無く、街灯も少ない住宅街の道の真ん中に、人影がたたずんでいる。

身長は180cmの俺より高く、手足が長い。黒いコートを着た、全身黒ずくめの長髪の男。

近付くに連れて、顔立ちも徐々にわかってきたが、面長で、眼が細く、鷲鼻と垂れた細い目。

先輩は道を思い出しながら、もうちょっとなんだけどな……と歩いて行くが、俺は、その背の高い黒ずくめの男が気になって仕方がなかった。

麗子も気になったらしく、小声で「ねえ、あの男の人、気持ち悪くない?」と俺に囁く。
俺は背の高い男と関わり合いになりたくなかったが、麗子をかばうように、

先輩–麗子–俺—背の高い男となるように歩いた。

追い越そうとした時、背の高い男が俺の顔をじーっと見てきた。

追い越す時も首を曲げながら、じーっと。

背の高い男を通り過ぎ、先輩が

「ここだ。この角を曲がってすぐだ」

と言った時、振り向くと、背の高い男は、道の真ん中に突っ立ったまま、俺たちを首だけ曲げて見ていた。

先方での要件を済ませると、21時を過ぎていたので、タクシーを呼んだ。

タクシーの中、先輩と麗子は後部座席へ、俺は助手席に乗ったのだが、駅へ向かう途中、交差点の信号でまた、あの背の高い男を見かけた。

背の高い男は、俺達の乗ったタクシーをじーっと見たまま、たたずんでいる。

麗子が「やだ、また、あの人だ! 気持ち悪い!」と騒ぎ出すと、背の高い男はニヤァと笑ったように見えたのだが、その口元がやたらと大きい。

先輩だけが「え? 誰々? どこどこ?」と言っている。

俺と麗子で、左側に背の高い黒ずくめの男が見えないんですか?と言うが、先輩は「どこ?」と言ってわからない。

タクシー運転手も「私も見えないですね」と。タクシーが発車すると、背の高い男はじーっとタクシーを眼で追っていた。

それから10日ぐらい経ってから、出先から会社へ戻ると、麗子が大騒ぎして泣いてる。

麗子に話を聞いてみると、出先から会社へ戻る途中に、背の高い黒ずくめの男を見た、と。

背の高い男を見た三鷹から、うちの会社は直線距離で10キロ以上離れているし、うちの会社は、人通りの多い繁華街から徒歩数分の距離。

なにかの見間違いじゃないか、と言っても、麗子は「絶対にあの男だ」と言い張る。

「怖い、怖い」と泣きじゃくる麗子をなだめたが、背の高い男を見たのは俺と麗子だけ。

先輩は、タクシーの中でも見えてなかったし、住宅街でも見なかったらしい。

過労じゃないか、と社長が心配し、近所のニンニク注射のクリニックへ麗子を送っていった。

そして、次の日から麗子は会社に来なくなった。

麗子が会社に来なくなってから2日後、俺のマンションの近くにも背の高い男は現れた。

会社の帰りに酒を呑み帰宅途中、自宅近所のコンビニに寄って、朝食を買おうとした時、なにげなく窓の方を見たら、外に背の高い黒ずくめの男がいた。

黒ずくめの男は、外からコンビニの中を見ている。というか、俺だけをじっと見ている。俺は手にしていた買い物かごを落とすぐらいに驚いた。

細い一重の垂れ目、鷲鼻、こけた頬、面長の顔、ウェーブのかかった黒い長髪。

190cm以上ある長身。黒いスラックス、黒いセーター、黒いトレンチコート、間違いなくあの男だ。

俺が目を離せず硬直していると、男は口元だけでニヤァと笑った。その笑顔を見た瞬間、俺は急にめまいがして、その場に倒れこんだ。

次に目覚めた時、俺は救急隊員に囲まれていた。コンビニ店員の通報らしかった。

規則だからと救急病院に運ばれ、数時間の点滴をされて、病院からタクシーで朝6時ぐらいに帰宅。

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次の日、会社に午後から行ったのだが、社長から働かせすぎて済まないと、当時抱えていた仕事をいくつか分散してくれたのは先輩に申し訳なかった。

それから、背の高い男を、ほぼ一日置きに見るようになった。現れる時間は日没以降。

最初の住宅街の時のように、接近することはなく、ガラス越しが多かった。

現れる場所は様々で、コンビニや店のガラス越しが一番多く、次に車のガラス越しに歩道にいたりする。

電車が駅に停まった時に、反対側のホームに立っていたりもした。何度も何度も見ているうちに、変な話だが慣れてくるというか、どうでも良くなってきた。

ただ、神経の病気は疑って、年明けに仕事も一段落するから、心療内科に行こうと決めていた。

麗子が久々に会社に来たのは、12月も後半に入ってからだった。地元栃木県に帰って養生していたという。

その日の17時過ぎ、三鷹の住宅街に一緒に行った先輩が事故に遭ったという連絡が来た。

先輩はタクシーで出先に行き、そのタクシーから降りた直後に、原付きに轢かれた、と。

その仕事は、俺の心身不調で、俺の元から先輩へ振られた仕事であったし、麗子も、本来ならスタッフとして入っていたはずの仕事だったので、俺達はすぐに関係先に行った。

関係先との引き継ぎを済ませ、麗子と一緒に、先輩が運ばれた病院へ行くと、病室は大騒ぎになっていた。

打撲だけだと思われていた先輩だったが、急激に症状が悪化し、心臓発作を起こした、と。

俺達は会社に連絡し、社長からそこで待っていろと言われ、病院の1階の待合室のソファで座っていたら、麗子が俺の袖をちょいちょいと引く。

病院の中央玄関には、二重の自動ドアがあるのだが、そのドアとドアの間にあの黒ずくめの男が居た。

麗子と俺は、硬直して黒ずくめの男を見ていたが、背の高い黒ずくめの男は、いつものようにニヤァ笑うと、外に出ていった。

その時、看護婦さんが

「増田さんの会社の方、いらっしゃいますか」と。

先輩が死んだ、という知らせだった。

以来、背の高い黒ずくめの男を見ることは、俺も麗子もなくなった。

麗子は翌年の春に、結婚すると退社して地元に帰っていった。

俺は、その後3年ぐらい勤めたが、同業他社に務める友人に誘われて独立のため退社した。

あの、背の高い黒ずくめの男の正体はわからないままだし、なぜ、俺や麗子ではなく、見えなかった先輩が死んだのかという理由もわからないまま。

というか、先輩の死と、あの背の高い黒ずくめの男が関係あるかどうかもわからない……

(了)

 

疫神と福神 [ 大島建彦 ]

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