【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

*

記憶喪失体験

      2022/06/05

Sponsored Link

俺は中二の時に自転車事故で、記憶喪失になったことがあります。

706 :2006/06/05(月) 14:17:22 ID:GbXSomeD0

まぁだいたいこういうケースでは数日で記憶は戻るらしく、俺もそうでした。

マンガなどに出てくるような一生戻らないであろう記憶喪失ってのは、なかなか無いらしいです。

このときのことをよく覚えています。

気が付くと、病院のベッドの上。上体も起こしていました。

『目覚める』のではなくて、ぼうっとしてた時にハッと気づく感じです。

で、もう速攻でナゾ、ナゾ、ナゾ。なんっっにもわからない。

最初に出た言葉は「ハァ!?」でした。

自分が誰か?目の前のオバサンは誰か?

そんで、もんんんのすごい恐怖が襲ってくるんです。

ナニが怖いって、母親の顔がわからないとかそれよりも、自分が誰だかわからないこと。

しかしこの恐怖も台風みたいにすぐ去り、次は面白くて仕方がなくなってきたんです。

「おしまいだ。俺はおしまい」と叫びながら、ゲラゲラゲラゲラ笑いました。

名前を忘れちまうだなんて、もうおかしくておかしくて。

目の前で母親がおろおろしながら泣いているのを、まるで水族館の中で分厚いガラス越しに魚を眺めているような感覚で見ていました。

あまつさえ「この人なに泣いちゃってるの?ばっかでー」とおかしくてまた笑いました。

しかし妹が反対側でビャーーッと泣き始めたのに気が付いた俺は、なぜかどうしようもなく悲しい気持ちになって、「ごめんなさぁあああい」と涙と鼻水をそれこそマンガのようにボタボタジャアジャアと垂れ流しながら号泣しました。

そんな感じで超カオスな俺の病室に、医者と看護婦がドヤドヤっと入ってきて、俺を取り押さえて目に光を当て、医者がこう言ったんですよ。

「君の名前は○○だ、○○××という名前だ」

それを聞いた俺はウソみたいに眠気に襲われて、そのまま眠ってしまいました。

そして、次の日の昼に目覚めた時にはすっかり記憶が戻っていました。

怖いのは、俺はその時の自分の心情から行動、部屋の内装に至るまで、目で見たものと感じたもの全部を詳しく覚えていること。

あの時家族が着ていた服の模様も、部屋にかけてある風景画の構図から色、母親の顔の筋肉のひきつり具合、掛け布団の右端の赤い糸くず、床のよごれ……

とにかくあの時の俺が見た範囲での部屋なら完璧に再現できるほどに。

俺が喚いていたのが実質三分ぐらいだったから、きっとその三分で全部覚えたんだよね。

あと、なんであんなに激しく笑ったり泣いたりしたのか、理由はわからないけど、「あんなの全然普通のこと」と認識しているのもなんか怖い。

参考文献

Sponsored Link

 - ほんのり怖い話, 短編

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

あの時

母の友人から聞いた話です。 441: 本当にあった怖い名無し:2010/05/3 …

同じ日に亡くなる

曽祖父と親父は病気だが、兄貴は5日前に事故ってその日に死んだ。 381 :本当に …

前ぶれ|大幽霊屋敷~浜村淳の実話怪談33

【大幽霊屋敷】浜村淳の実話怪談~第33話:前ぶれ【ゆっくり怪談】 第33話:前ぶ …

イカ釣りの夜

先日、祖父の一回忌の時に叔父から聞いた叔父の体験談。 叔父はイカ釣りが好きで、よ …

囁く声と黒い影

昔、酒に酔った父から聞いた話だ。 2016/03/30(水) 06:13:32. …

格安物件

まだ自分が大学在学中の話で、あれやこれやがあって、気分を変える為に引越しをするこ …

救急隊員の悪夢

一時期、消防士として勤めていた時期があった。 800 本当にあった怖い名無し 2 …

足売り婆さん|大幽霊屋敷~浜村淳の実話怪談06

【大幽霊屋敷】浜村淳の実話怪談~第6話:足売り婆さん【ゆっくり怪談】 第6話:足 …

ヤマババさん

これは俺の親戚のおばちゃんから聞いた話だ。 633:本当にあった怖い名無し:20 …

因果の般若面

過去から現在まで続く、因果か何かの話。 904 本当にあった怖い名無し 2013 …