【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

*

消えたユンボ

   

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俺は京都に住んでるんだが、いままでオカルトなんぞに関わった事のない26歳。

そんな話はさておき、俺の住んでるアパートの横では新しく家を建てるとかで基礎工事が行われていたんだ。

だが1ヶ月前は、台風のせいで京都は風が強かったり、突然雨が急に降ったりメンドクサイ天気だったんだわ。

ちなみに俺の仕事はドカタだから、しばらく休みになったのよ。

で、ドカタなもんで、朝作業着で出勤だから、その隣の工事のおっさん共とすぐに仲良くなったんだ。

この仕事はどうだとか、景気がよくないからどうだとかね。

台風が近づいてこのままのペースだと関西通るのは間違いないってことで、俺は親方から明日は仕事を休みって聞いたのでのんびりしていた。

夜中、ちょうどPSPでゲームをやっていた俺はタバコを吸いたくなってアパートの外へ出た。

壁が汚れるのが気になるんで煙草は外で吸う様にしてるんだが、風が強かったんで隣の現場は大丈夫かとふと気になった。

んでフラフラと隣の現場へ行ったんだが、濡れたら駄目な材料は持って帰ったみたいだが、工事に使う道具が置きっぱなしで『こりゃ雨に濡れたらマズイんじゃね?』とか思ってたらおかしなことに気がついた

……いつも現場に置いてるユンボがない。

ユンボってのは簡単に言うと小型のシャベルカーだな。

普通の奴なら何がおかしいかわからないだろうが、ユンボのアームってビニールシートの上に乗っけると重石のかわりになるから、道具は置いてユンボは置かないってことはあんまりないのよ。

「変だな」って思った瞬間、一瞬うるさかった風が止んだ。

その時に遠くであのユンボ独特のエンジン音が聞こえた。

「おいおい、いま夜中の2時だぞ?」って思ったと同時に、「泥棒か?」って考えがよぎった。

様子見て警察に知らせるべきかと、エンジンの音がする方向へ早足で向かった。

風がまた強くなったがエンジン音は聞こえるし、窃盗団捕まえたら金一封でも貰えるかもとか思っていたら……

途中でありえない事に気がついた。

普通盗むなら、ユンボをゆっくり走らせて盗む馬鹿はいない。

あってもトラックにのせる為に、荷台梯子を移動させるくらいだ。

そして、問題は音が聞こえる方角だが、その先のあるのは山しかない。

ユンボのキャタピラなら進めない事はないが舗装されてない山道だ。

なにかがおかしい、と違和感を覚えて一瞬足を止めたが、気になって先に進むとカーブの曲がり角で一瞬山へ入るユンボが見えた。

俺は知っていた。

その山は道が上に続いているが、途中で行き止まりの筈で先にあるのは……

その瞬間なにか嫌な予感がした、したがここまで来たんだ。

一瞬見失ったユンボを探す為に山の道の前に立った。

さっきは一瞬だったがその先はまだ見通しがいい方で先が見える。

すぐに動いてるユンボの後ろ姿が見えた座席にも誰かが乗っているのも確認出来た。

だが見た瞬間背筋がぞくっとした。

なまじドカタだから、ユンボにも乗った事があるからわかったのかも知れない。

その座席に乗っている奴の異常さというか、そういうものが。

本来ユンボはどこでも走れるようにキャタピラなんだが、舗装されてない勾配のキツイ山道を走ると、どうしてもガタガタ揺れてしまう。

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目の前に見えるユンボの様にただ座席に座っている人間はバランスをとる為に、体をなるべく踏ん張らせようとするはず。

だが、それこそ20メートル先だろうか、ユンボに乗っている奴は首の座ってない赤ん坊のように、もしくは等身大の糸の切れたマリオネットというか、もしくは死体が運転しているかのように揺れも気にせず首がガクガクと、山道の揺れと同じ様に不規則に動いていた。

断言してもいい、たとえユンボを運転したこと無い人間でもあんな動きはしない。

そもそも、夜中に、こんな台風の中、行き止まりの山へ向かってユンボが走ってる?

この時、生まれて初めて背中にくるゾッとした感じが全身に走ったのがわかったのと同時に、本能が告げた。

今すぐこの場所から速やかに逃げろ!と。

なんかわからんが『アレはヤバい』

俺はアパートに向かって逃げた。

一回だけ山がギリギリ見える場所で振り返った。

ユンボのヘッドライトがまだ山道で動いているのが見えた。

次の日の朝、明るくはなっていたが風はまだ強かった。

いつもなら出勤する時間だが休みなので俺はまだ部屋にいた。

少しは眠って感覚は薄まったものの、あれは夢じゃないと思っていた。

とりあえず煙草を吸おうと思って外へ出た時だった。

隣の現場で声がする。

おっさん達が、なにか大声で話していた。

答えは簡単、そう例のユンボが消えている件だ。

おっさん達はあまりにも天気があやしいので道具類を回収しようとやっていたのだが、ユンボがないので最後にユンボのキーを直したのは誰だとか喚いていた。

ちなみにキーは物置の中に入っていたのを昨日複数人で点検していたのだが、なぜか消えていた。

とにかく会社に怒られるのを覚悟で警察に電話するか、手分けして探すかを話し合っていた時に俺が顔出したもんだから

「おお、ヨシオくんユンボ知らんか?」と聞いてきた。

俺は昨日のことを思い出したが、

「知らんけど、探すなら手伝う」と答えた。

結局俺を含めた6人で探すことになった。俺が向かったのは、山の方角だ。

嫌な予感はしたが、ひとつ確認したいことがあった。

山に向かう途中で道が舗装されてないので、土ならキャタピラの跡があるはず。

キャタピラの跡は、ぬかるんでいたこともあってハッキリ残っていた。

そこで戻っておっさん達に、偶然キャタピラの跡を見つけたと伝えた。

おっさん達全員で山へ向かう事になった。

そして俺はあの嫌な感じを納得させる為にもついていくことにした。

まだ明るいし、なにより俺以外5人がそばにいたら安心できるからな。

キャタピラの跡を進む、カーブを曲がって山道を進む、その山は途中で行き止まり。

行き止まりにあるのは古いお堂と広場みたいなスペースだ。

俺とおっさん達は広場に入ってすぐに盗まれたユンボを見つけた。

勿論座席には誰もいない。

しかしふたつだけおかしいというか異常だった。

ひとつは、ユンボのアームの先は尖っているんだが、その先端が4つ5つの布みたいなのと一緒に地面に突き刺さっていた

「なんだこりゃ?」とおっさんがその布を広げた、それはTシャツだった。

普通のTシャツと違うのは、写真が印刷されていたこと。

二人の外人カップルが写っていたが、まるで狙ったかのように顔の部分だけアームに突き刺さっていた。

そしてもうひとつおかしなのは、お堂にもTシャツ1枚が釘で打ち付けられていた。

さっき見つけたシャツだとアームに刺さってて誰だかわからなかったが、そのお堂のほうのシャツで外人のカップルの顔だとわかった。

そのお堂のシャツは顔こそ残っていたが、スプレーでこう書きなぐってあった。

unforgive

おっちゃんの中にも意味がわかったのか、この雰囲気の異常さに気がついた人がいたんで、すぐにこの場所から離れることにした。

シャツは勿論捨てた。

結局ユンボは見つかったことだし大っぴらにすると責任問題だから、内緒にということになった。

俺は了解して手伝ったお礼にと3千円もらった。

俺があの夜中に見たあれは一体なんだったんだ?呪いか?丑の刻参り?

信じてもらえるかわからんがマジ話だからな。

ちなみに呪いなら京都には貴船神社ってのがあるが、そこではないぞ。

(了)

 

有名人「都市伝説」 [ 清水將大 ]

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