【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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顔の見えない住人

      2016/06/19

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彼女の実家がベッドタウンの住宅街にあるんだ。

547 :本当にあった怖い名無し :2009/10/01(木) 00:53:04 ID:cqllxGg50

1970年代後半くらいから人が集まり出した地域らしくて、彼女の実家も転入組。

だからPTAだとか、パートだとか、習い事とかで知り合った人以外とはあまり面識がないってのが普通らしい。

彼女の家のはす向かいの家から十字路をまたいだところに、すごく古い家があるらしい。

ベッドタウンになる前からそこに住んでいる人らしい。

実際、表札にかかっている名字は、その隣町の地名にもなっているし、老舗の商店だとか、前の前の前の市長の名前とかに見られる、いわゆる地元の名士の一族らしい。

でも、その地域の窪園さんの多くが、町の主要な施設、政治で華々しい活躍をされている。

対し、彼女の家の近所の窪園さんは何をしているのかも知れないし、記憶にある限りでは顔も見たことがない。

小学校入学前に転居してきて、もう今年で二十四年にもなるというのに。

もしかしたら誰も住んでいないのかも、とも思ったが、夜になると、ボンヤリと60ワットくらいの電球が灯っているのが見える。

それだけが、かろうじて在宅を知るてがかりだったわけだ。

というか二十四年間も近所の住人に顔も見られずに、食事だの銀行だの娯楽だのゴミ出しだのはどうしていたんだろう。

と、怪しい話だが、彼女の母親も、地域の集まりや他の行事でも一切面識がないと言う。

家族構成がどうなっているのかも全く知らない。

それが今年の六月。仕事が遅くなって夜の10:30を回った頃だ。

駅から家路を急いでいると、窪園さんの家の前に人だかりができている。

野次馬が集まっているような感じではなくて、お客さんが大勢、もてなしてくれた家人に別れの挨拶をしているような様子だったらしい。

十字路を照らす街灯の向こう側の暗がりに、礼服姿の男性、着物姿の女性が十五六人くらい、玄関に向かって整列して、おじぎを繰り返していたらしい。

後姿だったんで顔は見えなかったらしいが、髪形からして、ほとんどが中年かそれ以上の年齢に思えたとか。

窪園さんの家にお客さんか、珍しいな、と思いながら通り過ぎたが、違和感がある。

玄関の戸はいつもどおり閉じられている。

つまりその集団は、誰に向かうでもなく挨拶を繰り返しているのだ。

明かりは消えている。

窪園さんの家の明かりは、九時を回ったあたりでいつも消えるのだ。

それに気づくと彼女は不気味に思って、見ないようにして足早に家に逃げ帰った。

二階の自室の窓から恐る恐る十字路の方を覗き見ると、もうその人達はいなくなっていた。

思えば、あれだけの人数が揃って頭を下げていたのに、誰も一言も発していなかったように思えたとか。

その一箇月後。

金曜の深夜に自室でジョジョの最新巻を読んでいたら、窓の外からヘッドライトの明かりが射した。

それがいつまでも消えないので窓の外を見ると、どうやら車が窪園さんの家の前で止まっているようだ。

またお客さんなのかな?と注意してみると、それは霊柩車だったらしい。

急いで下の階に下りて、洋ドラを観ていた母親に

「お母さん、窪園さんのとこ、霊柩車きてるよ」と伝えると、

「あら、どなたか亡くなったのかしらね」

そう言って、またドラマに戻ったらしい。

また自室に戻って窓の外を見ると、もう車は去っていたらしい。

「でも変だよね。霊柩車って、病院から家とか、お葬式の後に家から火葬場に連れて行く時に使うんだよね?」

この話を聞いた時に彼女が聞いてきたので、

「いや、家で亡くなった人を、斎場とかお寺に連れて行ったりするのにも使うんじゃないかな」と返しておいた。

それにしても夜中に、家の前で数分だけ停車して遺体を運ぶっていうのも、妙な感じがしないでもないけど。

今でも窪園さんのお宅には変わらず明かりが灯っているので、どうやら一人暮らしではなかったようだ。

(了)

 

恐怖箱呪毒 [ 鳥飼誠 ]

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