【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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別荘の怪奇人形

      2017/07/19

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去年の夏休み前、俺と友人の小金沢、涼宮が大学の掲示板を見ていると、変なバイトの募集チラシがあった。

198: 夏休みのバイト:2011/05/05(木) 20:50:01.45 ID:dLlXuy+O0

内容は、

《日給8,000円、避暑地の別荘の引越し作業、三泊四日の泊り込みで食費と交通費は別途支給》

というものだった。

「これけっこうおいしくね?」と俺が言うと小金沢が

「チラシの感じだと宿泊先もこの別荘だよな?楽そうだし電話してみね?」と返してきた。

涼宮も「別荘地で過ごせて金ももらえるのか、おいしいじゃん」とノリノリ。

で、三人ともたいして深く考える事もなく連絡先に電話してみる事になった。

電話をするとそこは別荘地の管理事務所のような場所で、なぜか俺達は面接も何も無しに即採用された。

この時、少し怪しいと感じるべきだったかもしれない。

当日、俺達は早朝に出発し、午前中のうちに待ち合わせ場所の最寄り駅に到着した。

到着すると既に迎えの車が待っており、中には人の好さそうな四十代くらいのおじさんが乗っていて、道中おじさんが色々と作業内容などを説明してくれたのだが……

ざっと書くと場所は別荘地からは少し離れたところにある二軒の別荘、老朽化と立地の悪さから持ち主が手放す事になり、どうせ買い手も付かないだろうという事で取り壊すので中のものを全て運び出すということらしい。

ちなみに、荷物の受け取りに毎日夕方バンが来るが、作業そのものは俺たち三人だけでやるとのことだった。

それと、食事はそのバンが毎回持ってきてくれるので気にすることは無いらしいし、別荘は二件とも電気もガスも水道も繋がっているし、携帯の電波は届かないが備え付けの電話があるので不便は無いとの事だった。

また、俺達の寝床はどこでも好きな部屋を使って良いらしいが、後々結局運び出す事を考えたら入り口近くのほうが良いんじゃないか?とも言っていた。

今から良く考えると、それは完全隔離状態になるのと同じ事で、相当怪しいのだが当時の俺達は全くそこまで頭が回らなかった。

別荘に到着したとき、俺と小金沢、涼宮はちょっと引いてしまった。

老朽化していると聞いていたが、予想よりもかなり古いし荒れている。

二軒とも大きな建物で普通の家と変わらない大きさのログハウス風なのだが、木の壁は黒ずんでいて日のあたっていない場所や下のほうは苔が生えている。

しかも庭は何年も放置していたようで荒れていて、植木は枯れるか枝が伸び放題、雑草が生い茂りあちこちに蔦が絡まっている。

俺と小金沢、涼宮が「うわぁ……」という顔になって立ち尽くしていると、おじさんが「ま、まあ外見はあれだけど中は結構きれいだよ」と手前側の建物から中を案内始めた。

なるほど、たしかに外見と違い中の方は結構小奇麗だった。

どうも先に少し片づけが進んでいたようで、玄関を入ると横に棚や段ボール箱が無造作に置かれているが、それ以外は特に気にするような物もなく、「別荘っていっても普通の家とたいして変わらないのな」と思いながら室内の案内や作業の段取りの説明を聞いた。

次に隣のもう一つの方の説明になったのだが、玄関を入るとちょっとカビ臭い、あとなんか妙に陰気な気もする。

おじさんは気にもせずあがり説明をし始めたのだが、最後にまだ行っていない一階の廊下の奥のほうをみながらこう説明した。

「あの奥はやらなくて良いよ、以前雨漏りしてね、それ以来床がモロくなっていて危ないんだ、奥の部屋には大した荷物も無いし、そのまま取り壊すから」

ということらしい。なるほど、カビ臭いのはそのせいかとちょっと納得した

一通り説明が終ると、おじさんは俺達に名刺を渡し「じゃ、よろしくね」というと帰って行った。

初日は午後からの作業ということもあり、ある程度片付いている最初に説明してくれた奥側の建物の二階の荷物を一階に降ろす作業をし、夕方にやってきたさっきとは別のおじさんのバンに荷物を乗せ、一日目の作業を終らせた。

俺達はかび臭いほうの建物に泊まる気はなかったので、さっき作業をした方の建物のリビングに寝泊りすることにし、夕食を食い風呂に入ると、疲れていたこともあり早めに寝てしまった。

翌朝、朝飯を食っていると涼宮が変なことを言い出した。

「昨日さ、夜変な音聞かなかったか?」

小金沢が「変なって?」と聞くと、涼宮は

「いや、夜ちょっと目が覚めてトイレいったんだけどさ、その時に外から何かを引き摺るような変な音聞こえてきたんだよ……、なんか気味悪くてさ」

俺は涼宮が俺達を怖がらせようとしてるんだなと思い「またまたー」と笑いながら言うと、涼宮は真顔で「ネタじゃねーって、マジ聞いたんだって」と言い返してきた。

俺は予想外の返事にちょっと面食らっていると小金沢が「じゃあちょっと作業の前に周りを確認してみるか?」と提案してきた。

飯を食い終わった俺達は、小金沢の提案どおり別荘の周辺をちょっと散策してみる事にした。

が、周辺を散策してみたが、草が生い茂っていて先に進めない場所などもあったにはあったが特になにもなく、涼宮が動物の歩く音でも聞いたんじゃ無いかという話で落ち着いた。

その日はそのまま奥側の建物の片づけをし、もう一日くらいかかるんじゃないかと思ったが意外と早くその日のうちに全て運び出せ、作業を完了することができた。

その日の夜、俺が寝ていると隣で寝ている涼宮が俺を起してきた。

涼宮は小金沢も起したらしく、

「こんな夜中に何なんだよ」と迷惑そうに聞くと、涼宮は「耳澄まして外の音聞いてみろ」

と小声で言って来た。

俺と小金沢は何なんだよ……と思いながら聞き耳を立ててみると、ズズ……ズズ……と何かを引き摺るような音が聞こえる。

俺と小金沢は顔を見合わせ、涼宮に「……何あれ?」と聞くと、「俺が解るわけねーじゃん、だから言ったろ?」と返してきた。

動物の音にしてはなんか規則的過ぎるし、そもそもあんな音を立てるような動物は全く想像がつかない。

俺はちょっと怖くなってきていたが小金沢と涼宮に「窓から外を確認してみないか?」と提案した。

小金沢と涼宮も怖かったみたいだが、音の正体は皆気になるので窓のほうへと三人で移動し、カーテンを少しずらして外を見てみた。

すると、もう一つの建物の玄関のところに何かがいる。

薄暗い月明かりしか明かりが無いので何なのかは良く解らないが、大きさ1mちょっと、子供くらいのサイズの何かがゆらゆらと揺れながら黒っぽいものを引き摺っているのが見えた。

俺達が声も出せずじっとそれを凝視していると、それはズリズリと何かを引き摺りながら建物の影へと消えていった。

完全に見えなくなってから更に二三分過ぎた頃、小金沢が「なんだあれ……」と声を挙げた。

俺が「人……か?」と聞いたのだが、涼宮が「あんな小さい人って子供か?子供がこんな山奥に、しかも深夜にいるか?ありえねーよ」と答えた。

それもその通りだった。

では、あれは何なのか。

小金沢が「……一応、確認しにいくか?」と提案した。

その時完全にびびっていた俺は

「いや、どうせ明日あっちの建物の片付けするんだし、その時一緒に確認すればよくね?」

とやたら早口に即答した。

小金沢も涼宮も内心ビビってたらしく、全員そうしようという事でその場は無理矢理寝る事にした。

翌朝、疲れとは明らかに違う理由で俺達の足は重かった。

重かったが、流石に今は昨夜のあれについて確認しないわけにはいかない。

俺と小金沢、涼宮は近くに落ちていた棒を持ち、恐る恐る昨夜あれがいた辺りの藪を突付き始めた。

暫らくそうしながら別荘の裏側の藪を調べていると、棒の先に何か柔らかい物が当ったのがわかり、俺は小金沢と涼宮を「おーい、こっちになにかあるっぽいんだが」と呼んだ。

藪を掻き分けて見ると、それはヘドロ状というかなんというか、どろどろしたなんだか良く解らない黒い色の物体で、良く調べてみるとそこにあるだけでは無く点々とあちこちに落ちていて、後をたどっていくと別荘の裏の壁にもベチャッという感じで張り付いていた。

更にその物体の後を辿ってみると、どうも別荘の縁の下のほうにも跡が続いているように見えた。

が、それ以上は何も無い。

縁の下のほうも見てみたのだが、入り口の辺りに例のどろどろした物体があるだけで奥のほうには無さそうで、 俺も小金沢も涼宮もなんか妙に期待はずれというかぐずぐずになってしまって、そのまま微妙な空気のまま引越し作業の続きをする事にした。

昼過ぎ、二階部分がある程度片付き出し、そろそろ休憩しとくかと涼宮と話していると、一階にいた小金沢が「ちょっとこっち来てくれ」と俺達を呼んだ。

一階に下りていってみると、小金沢は例の雨漏りがして床が腐っているという廊下の手前辺りにいて、俺達を手招きしている。

涼宮が「どうした?何かあった?」というと、小金沢は「この奥で何かガサガサ音がするんだが……何かいるんじゃねーか?……昨日のあれとか……」と真顔で言っている。

俺は一瞬ゾクッっとしたが、ビビってることを悟られないように「じゃあ確認してみるか?」と、行きたくは無いが廊下の奥の方へと歩いて行こうとした。

すると、奥の方からガサッ!ゴトッ!ガサガサ!と何かが蠢く音が聞こえてきた。

全員ビクッ!としていると、涼宮が「……動物でも入り込んでんじゃねーの?」と明らかに自信無さそうに言っているが、昨日の今日なので流石に怖い。

しかし確認して安心したいという気持ちもある。

そこで、三人で勇気を振り絞り、薄暗い廊下を奥へと行ってみる事にした。

ミシ……ギシ……

床は湿気で相当モロくなっているらしく、歩くたびにいやな音がしてくる。

それに奥のほうのガサガサいう音も消える気配が無い。

それでも勇気を振り絞って進んでいくと、廊下の奥の暗がりに音の正体があった。

それは……腹の辺りからドクドクと血を流している猫だった。

まだ微かに生きているらしく、もがいて動き回るのでガサガサと周囲に脚が当って音がしていたらしい。

俺達はそれを見た途端、「うああああ!」と叫び声をあげてその場から逃げ出した。

別荘の外まで逃げ出し、暫らく放心状態でいたが、小金沢が

「あの猫、きっともう死んでるよな……何であんなところに……」と喋り出した。

俺も「そもそも何であんなところに大怪我した猫が?おかしいだろ!」というと、涼宮が

「とりあえずもう一回確認に行ったほうがよくないか……」と言ってきた。

確かにあのままにしてはおけないので、俺達はもう一度廊下の奥へ行ってみる事にした。

だが、行ってみるとさっき猫がいた場所には何もいない。

血らしい沁みはあるのだがそれだけで、あれだけドクドク流れていた血すらない。

三人とも「どういうこと?」という顔でお互いを顔も見合わせ、周囲を探してみたのだがやはりいない。

廊下の奥には扉が一つあったのだが、鍵がかかっているらしくビクともせず、そこにいるとも思えないので俺達はひとまず戻る事にした。

俺も小金沢も涼宮も訳が解らなかったし不気味だったが、作業は終っていないしもう日が高くなってきていたので、怖さを紛らわすように荷物を運び出す作業を始めた。

 

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昼飯中、涼宮がボソっと言った。

「面接もなしに即決だったのとか、やたら待遇が良いのとか、作業するのが俺達だけで監督するやつも誰もいないのとか、要するにこれが原因じゃねーの……?」

確かにそうだ、俺達は今更ながらこのバイトがやたら不自然で変な事に気が付いた。

小金沢が「今日だけ作業してさ、それで今日までの給料もらって帰らねえか?」と言い出した。

しかし俺はこういった

「一応三泊四日の契約だろ?最後までやらなかったら給料払わないとか言われたらどうするよ……それに、『良く解らない何か変なものがいるからもうやめます』なんて通用すると思うか?実害も無いのに」

小金沢も涼宮も「そうだよな……」と言い、とにかく早く終らせてしまおう、そしてバンが来たら一応事情を聞こうという話になった。

夕方、とにかく早くこの場を去りたい俺達は必死で作業を頑張り、二軒目の荷物もその日のうちにほぼ全て外に出した。

バンが来ると、乗っていたおじさんに俺達はそれとなくここで変な事がないか聞いてみたのだが、どうもおじさんも頼まれて来ているだけでここのことは良く知らないらしい。

俺達は結局何の情報も得られないまま最後の夜を迎える事になった……

今から考えると、名刺を渡されていたのだからさっさとそこに電話すべきだったのだが。

その夜、事件が起きた。

俺と小金沢がリビングでモンスターハンターのゲームをしていると、風呂に入っていた涼宮が飛び出してきて「おい、やべーよ!またあの音するぞ!」と言ってきた。

時間は夜の十時頃。

涼宮が言うには、風呂から上がって服をきているときに、脱衣所の窓からズル……ズル……と昨日と同じ音が聞こえてきたらしく、大慌てでこっちへ逃げてきたらしい。

俺達は今度こそ音の正体を突き止めなければと、玄関にあった懐中電灯を片手に外へ出てみることにして、準備をすると外に出た。

怖さも勿論あったが、実害は今のところ無いし、恐怖心よりも好奇心のほうが勝ったからだった。

これがいけなかった。

外に出ると、昨日と同じでやはり何か1mちょっとくらいのものが動いている。

懐中電灯を向けようとすると、それはそのまま隣の別荘へとスッと入っていってしまい見えなくなった。

いなくなったほうへ行くと、別荘の鍵はかけたはずなのになぜか玄関のドアが開いている。

とにかくここにこうしているわけにも行かないし、何より鍵を閉めたはずなのに空いているのは事実なのだから、中を確認しないわけにも行かない俺達は、三人で目配せすると中に入る事にした。

中に入ると、元からかび臭い建物ではあったのだが、それ以外に何か生臭いような変な臭いが立ち込めている。

異様な雰囲気の中、俺は廊下の電気をつけようとスイッチを探していてある事に気が付いた。

玄関の横、靴箱の上の壁に、花瓶が死角になって今まで見えていなかったのだが、明らかにそれと解るお札が貼ってあり、電気をつけて良く調べてみると、そこだけでは無く廊下の天井にもお札が貼ってあるのが解った。

俺と小金沢と涼宮は「やっぱそういうことかよ……」と顔を見合わせた。

するとその時、廊下の曲がったほうの奥、例の瀕死の猫がいたところあたりからギィ……と扉が開く音がした。

あの先には例の鍵がかかっていて開かなかった扉しかない。

そして、廊下の曲がり角からベチャ……ズズ……ベチャ……ズズ……と何かを引き摺るような気持ちの悪い音がしてきた。

俺達は完全にビビってしまい、何も喋れず動けずその場で立ち尽くしていると、廊下の角からこちらを何かが覗き込んだ。

俺達は息を飲んだ。

それは人間の子供サイズの日本人形だった。

日本人形の首だけが無表情に廊下の角からこちらを覗き込んできている。

俺は「……え……ちょ……」と声にならない声を出しながら後ずさりし始めた。

小金沢も涼宮も同じで、あまりにも不気味な光景に後ずさりしている。

人形は一度首を引っ込めると今度は体全体が廊下に出てきたのだが、その姿は身の毛もよだつという言葉がまさにぴったり来る異様さだった。

上半身は和服を着た大きめの日本人形なのだが、下半身は何か真っ黒のベタベタしたヘドロのような物体に埋まっており、引き摺っているように見えたのはそのベタベタした黒い物体の後ろのほうだった。

その黒いヘドロのような物体は、まさに俺達が昼間みた物体そのものだった。

人形はなおもこちらに近付いてくる。

そして近付くにつれて鼻をつくような生臭さが漂ってくる。

俺達はなおもずるずると後ずさりし、玄関から外に出たのだが、その時俺はある事に気が付いた。

動揺していてそこまで気が回らなかっただけだとおもうのだが、この人形、何か歌いながら近付いてくる。

耳を澄ますと、民謡の手毬歌のような、でも良く聞いてみるとお経にも聞こえるような、不思議で不気味なフレーズの歌を歌いながら近付いてくる。

結構近くで聞いているはずなのだが、何故か歌詞はわからないのだが……

俺たちが後ずさりして道のあたりまで出た時、涼宮が「おい、やべーよ!」と俺と小金沢に森のほうを見るよう促した。

俺と小金沢が森のほうを見ると、あちこちの藪がガサガサと揺れている。

何か沢山の物がこっちに近付いてくるようで、その数はどんどん増えてきている。

更に、そのガサガサ言う音に混じって、人形が歌っているのと同じフレーズの歌があちこちから聞こえ始めた。

俺は小金沢と涼宮に「やべぇよ!逃げるぞ!」と大声で言い、そのまま全力で道を走り出した。

俺達はそのまま全力で息が切れるまで多分1kmくらいは走り続けたと思う、流石に疲れて小金沢が「ちょっと待てって!」と俺達を呼びとめその場にヘタリこんだ。

小金沢は息を切らしながら

「勢いで逃げてきたけど、どうすんだよ、俺達の荷物も置いたままだぞ」

それに続いて涼宮も

「わけも解らず逃げてきたけど、これからどうするんだ……?」

俺は二人に、「でも、これからまたあそこに戻るのか?」と聞くと、二人とも無言で首を振った。

その時、森の中からまたあの歌声が聞こえてきた。

涼宮が真っ青な顔で「あいつら追ってきやがった!」と大声で叫んだ。

俺たちは疲れていたが、それでもそこにいるわけには行かず、また真っ暗な山道を全力で走り出した。

それから更にどれだけ走ったか解らないが、ドライブインらしきところにたどり着いた。

勿論、こんな時間にやっているわけがないのだが、それでも安心した気分になったのはたしかだった。

そして、俺がふと携帯を見るとなんとアンテナが立っている。

俺は急いでもらった名刺の電話番号に電話したのだが、流石にこの時間では電話が繋がらない。

すると、小金沢が自分の携帯でどこかに電話し始めた。

小金沢は電話越しに何かやり取りしていたが暫らくすると「とりあえず来てくれるって」と力なく答えた。

どこに電話したのか聞いてみると、どうやら警察に電話したらしい。

それから三十分ほど、俺達はまたあの人形が追ってくるんじゃないか、歌声が聞こえてくるんじゃないかとビクビクしながら待っていると、回転灯を回したパトカーがやって来た。

パトカーを見た時、俺はこれからどう事情を説明したものかとか考えるよりも先に心底ホッとして、その場にへたり込んでしまった。

何か完全に緊張の糸がほぐれたという感じだった。

パトカーに乗せられ、俺達はとあえず近場のビジネスホテルまで送ってもらえる事になった。

道中事情は一通り話したは話したのだが、当然のように全く信じてもらえず、最終的に単なる見間違いという事にされてしまった。

まあ仕方が無いと言えば仕方が無いが……

ホテルの前で降ろしてもらい、警官にお礼を言って見送ったあと、俺達は重大な事に気が付いた。

財布、別荘に置きっ放しだった。

結局俺達は日が高くなるまで近場の公園で野宿する事になった。

翌朝、名刺の番号に電話してキレ気味に事情を話すと、最初に駅に迎えに来たおじさんが血相を変えて大急ぎで公園まで迎えに来た。

おじさんは車の運転中、

「ほんとゴメン、ちゃんと事情くらいははなしておくべきだったね……、とりあえず事務所で全部話すから」

と、平謝りに謝り続けたので、俺達は何か気まずくなってしまい怒るに怒れなくなってしまった。

事務所につくと、どうも先に誰かが俺達の荷物を取りに行っていたらしく、あと二十分ほどで荷物を持って戻ってくるらしいとのことだった。

そしておじさんが事情を話し始めた。

予想通りというかなんというか、あの別荘二軒は「例の日本人形」が出てくるようになったので持ち主が手放してしまった物件らしい。

そして、取り壊す事になって荷物を運び出し始めたところ、次々と怪現象が起こり、しかも、噂が広まってしまったため、近場の人は誰もあそこで作業をしてくれなくなってしまったのだという。

それが一年前の事。

それで困ってしまい、近所のお寺に相談し結構お金をかけて御祓いをし、もう大丈夫だろうということで、地元から離れたうちの大学に求人を出したというのが事の顛末だった。

そして、俺達が「まんまと引っかかった」というわけだ。

おじさんお話によると、元は昼夜問わず怪現象や人形が目撃されたらしいが、お祓い以後昼間行っても何も起きなかったのでもう大丈夫だと勝手に思い込んでいたらしい。

その結果が今回の事件なわけだが……

おじさんは「ほんとゴメンね、給料は四日分全部払うし、交通費も今払うから」とやたら腰が低いので、俺達はもう何か完全に肩透かしにあってしまい、起こる気も起きず四日分のバイト代と帰りの分の交通費を貰うと帰る事にした。

(了)

 

明晰夢/ユメノコントロールは可能である

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 - 人形にまつわる怖い話

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Comment

  1. 通りすがり より:

    この話、創作決定。
    これと文章がまったく似たような話を別のところで聞いている。
    http://terakowasu.blog.fc2.com/blog-entry-844.html

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