【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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鏡の中の俺

      2017/07/11

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これはだいぶ前のことなんだけどね。あんま怖くないが……

池袋に住んでいた友達と経験したことなんだ。

池袋という土地は繁華街を離れると、急に田舎じみた様相を見せる。

カラスが鳴いて土塀にとまってるあたり、ここが東京だという事すら忘れさせる。

いいかえれば、ずっと昔から変わらない場所。

そういう場所が多いのは理由がある。

……工事できないからだ。

なぜ?

友人は怖い話が好きだが、幽霊は信じない。そういうヤツだった。

当然のごとく、全国各地とは言わないが、東京周辺の幽霊スポットは全部回っていた。

何度か誘われたが、霊能者レベルほどではないが私は霊感が強いほうなので、そういう行為が楽しいだけのものでは無いと知っていたので、断り続けた。

しかし、いさめるべきだったのかもしれない。

だがあの頃のあいつは、なんかこう……関わりたくない空気を持っていた。

すでに憑かれていたのかもしれない。

しかし、大学卒業間際に、そいつから「家に遊びこないか?」と誘われ、無碍にも断れず、酒を購入しブラっと出かけた。

そいつはやや青ざめてて、にやにやと出迎えた。

「おう、来たな」

俺はこいつの家が池袋にあると知っていたが、場所は知らなかった。

だから先を行くそいつの後をとぼとぼ歩いた。

カラスが鳴いた。日は翳り、すぐ沈んだ。

繁華街を離れ路地裏。長い墓地の横の道を歩く。

いいようのない悪寒が俺をつつんでいた。

「ここだ」

私の悪寒は限界に達し震えた。そこは夕闇に浮かぶ廃屋だったのだ。

「ここどこよ?」

「肝だめし!ここ、東京最後の幽霊スポット!」

私はあきれた。友人にかつがれて連れ出されたのだ。

しかし、ここで逃げ返すのも格好悪い。

そこは元々個人病院だったようだ。

窓ガラスは割れ、心ない暴走族の書きなぐった落書きが、白い壁に赤い字で乱雑に書かれている。

『夜露死苦』

……恥かしい落書きだ。

中に懐中電灯をつけて入る。友人の顔は嬉々としている。

私に悪寒がたえまなく襲った。なんでこいつ平気なんだ?

友人はいろんな部屋を観て回った。大方の家具はなくなっていた。

暗い部屋に倒れた椅子がぼんやり見える。注射器の破片が妙に不気味だ。

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友人が二階に上がる。

「床ぬけるかもしれんから、俺はいかんぞ!」

俺はそう言った。友人はそれを聞くと笑った。

笑いながら上がっていった。俺は無性に腹が立ったが、怖さのほうが勝っていた。

友人が笑っている……あのやろう。

私はふと時計を見た。

……?七時に入ったはずが、すでに九時を回っている。こんなにいた覚えないけど……

すると上から、話し声が聞こえてきた。

あれ?誰かいたのかな?一人でいることに耐えれず、私は二階へ上がった。

二階は左右に病室が続いていた。まっすぐ廊下が伸びている。暗かった。

話し声は暗い廊下の奥から聞こえていた。一瞬ぞっとした。

友人が廊下の奥で背中を向けて立っているのが、暗闇にぼんやり見える。

話し声は続いている。

「ええ……です」

「ああ、そうか……」

声は友人だけだ。どうやら、廊下の突き当たりにある鏡に向かって話しているようだ。

驚かそうとしてるんだ……と思いつつも、その異様な光景に俺はいたたまれなくなった。

「……だよね。怖がってんの。ばかみてぇえええ」

どうやら私の悪口を言っているようだった。

俺が引っぱって帰ろうと近づいたら、突然友人が笑い出した。

「あはははっはははははははははは!」

突然の爆笑に俺はどきっとしたが、乱暴に友人の肩をつかみ振り向かせた。

次の瞬間凍りついた。

振りむいた友人は無表情で、白目をむいて、よだれを垂らしていた。

その肩越しに見える鏡。そこには爆笑する友人が私を睨んでいた。

俺は悲鳴をあげた。なぜなら、鏡の中の俺も爆笑していたからだ。

それからよく覚えてないが、友人の手を引っ張って出たようだ。

そいつはそれ以来学校に来なくなって、四年の卒業を間際にして学校を辞めた。

消息は不明。

でも、たまに鏡を見ると、後ろの椅子に座ってたりする。

(了)

 

顳〔カミ〕草紙(串刺し) [ 平山夢明 ]

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