【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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壁の顔

      2016/10/03

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自分の体験ではなく、友人の赤倉と畠沢から聞いた話を書きたいと思います。

325 :本当にあった怖い名無し:2012/10/31(水) 16:51:05.91 ID:mDxh267n0

赤倉が大学に進学し、アパートで一人暮らしを始めて二年目の頃の話。

近々雪も降りそうな初冬の深夜、赤倉は部屋の電器をつけたままコンビニへ行った。

新刊雑誌を立読みし、飲み物を買って部屋に帰ったとたん、携帯電話が鳴り出した。

時計を見ると午前二時半。誰かと思い着信を見ると友人の畠沢だった。

畠沢は赤倉と高校で同じクラスで、お互いに本を貸し借りする仲だったが、進学先が赤倉の学校から遠く離れた専門学校だったこともあり、疎遠になっていた。

しかし、なぜこんな時間に。

久々に電話をかけてきたのか、赤倉は戸惑った。

とにかく、久しぶりの畠沢との会話ということで赤倉は電話に出た。

「もしもし、畠沢か?なんでこんな時間に?」

「赤倉か、お前今どこだ!まだコンビニか!?」

いきなり、切迫した声で畠沢が聞いてきた。

「え、いきなり何だよ、コンビニって?ひょっとしてお前このへんにいるの?」

「まだ外か?部屋に戻ってないのか?だったら絶対戻るな!」

赤倉は唐突な畠沢の命令に驚いた。

すでに部屋に戻っているのでそれもできない。

「いや、今もう部屋にいるけど……何、どうしたの」

「もう部屋にいるのか……頼む、俺の言うこと信じて部屋から出てくれ!」

赤倉が戸惑っていると、畠沢がさらに奇妙なことを言ってきた。

「お前の部屋の奥に本棚あるだろ。何か変わってないか?本が二冊落ちてないか?」

畠沢の言うとおり目を向けると、確かに二冊の本が本棚の近くに落ちている。

赤倉はさらに混乱した。

進学後は会っていない畠沢が、なぜ自分の部屋の中を知っているのか。

「その落ちてる本って、〇〇の最新刊と、グレーのハードカバーじゃないか?」

畠沢の言うとおりだった。本棚の方に行かなくても一目でわかった。

「やっぱりそうか、とにかく今すぐそこから出てくれ!」

気味が悪くなった赤倉は、コンビニに行った時の恰好のまま、電器も消さず外に出た。

近所にはコンビニ以外開いてる店がないことと、アパートから離れたいこともあり、赤倉は歩きながら畠沢と電話を続けた。

「なあ畠沢、お前、俺の部屋に来たことなんてないよな?」

「お前の家の場所も知らない。でもお前の部屋に入った。訳わからんと思うけど」

そういうと畠沢は、さっき自分の身に起きたことを話し始めた。

畠沢がいつものように寝ると、突然深夜の住宅街に立っているのに気付いた。

まったく見たこともない街で、畠沢は驚きながらも、これは夢だと自覚できたそうだ。

すると、眼の前の建物から赤倉が出てきたのが見えた。

畠沢は赤倉を久しぶりに見たことに嬉しくなり、声をかけたのだが見向きもしない。

そのまま近くのコンビニへ入る赤倉を見て、「夢だからな」と畠沢は不思議と納得した。

赤倉が見えなくなると、畠沢は急に、赤倉は今どんな暮らしをしているのか気になった。

今出てきた建物に住んでるんだよな、と畠沢はそのアパートに入ってみた。

一度も来たことのない場所なのに、畠沢には赤倉の住む部屋がなんとなくわかった。

三階の、通路の奥から三つ目の部屋。

畠沢は鍵が掛かっているはずのドアを開けた。

玄関に入ると、右に洗濯機、少し進んで左に風呂場。

その奥には電器がついたままの部屋。部屋の中心にはコタツ、左の壁際にベッド、そして右の壁際には本棚。

何となく赤倉らしい雰囲気の部屋だと畠沢は思ったという。

赤倉はそれを聞き、ゾッとした。

部屋のある階や場所、内装までまったく同じだった。

畠沢は本棚を見て、本を貸し借りしていたことがなつかしくなり、本を手に取ってみた。

この漫画、最新刊出てたんだな。このグレーの本は小説かな?と、本をもう一冊取った時、急に畠沢は強い気配を感じ、そちらを見た瞬間、本を落としてしまった。

本棚の脇の白い壁から、女の顔だけが畠沢を見ていた。

長い髪を真ん中で分け額を出し、整った顔立ちだったが無表情で、肌の色が壁紙とまったく同じ白だった。

畠沢には一瞬仮面に見えたという。

「あなた、ここでなにをしているの」

女の顔が畠沢に問いかけてきた。

畠沢は突然無性に恐ろしくなった。

問いかけられた瞬間、これは夢じゃない、ここに自分が来てはいけなかったと感じた。

無感情でそっけない口ぶりだったが、畠沢は聞いただけで死にたくなるほど後悔した。

「あなたがここにいるのなら、わたしはあなたの……」

壁の顔が何か言うのを見て、畠沢はとっさに、女の口を両手で塞いだ。

自分でもよく分からないが、これ以上何か言わせたらやばいと直感で行動したという。

ただ、強く押さえているのに、両手に伝わる感触が壁の物か人の物かよく分からない。

女の方も、表情一つ変えずただ畠沢を見ているだけだった。

畠沢は必死で女の口を押さえながら、何がどうなっているのか考えた。

こいつの口を塞いでいればそのうち夢から醒めるのか。

そもそもこれは本当に夢なのか。赤倉の部屋になぜこんなものがいるのか。

自分はこいつに引き寄せられたのではないか。

そして、もしこいつの言葉を最後まで聞いたらどうなるのか。

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自分は死ぬかもしれない。

そう畠沢はなかば確信したほどだった。

この女は、さっき何を言おうとしたのか。

自分の何をどうする気なのか。

このままここから出られなければ、自分は布団の上で死ぬのではないか。

ひょっとして、赤倉ももうこいつに殺されているのではないか、と思った時、口を押さえられたままの女の表情が一瞬変化した。

かすかに眉をひそめて、畠沢を軽くにらんだ。

なぜ表情が変わったのか畠沢にはわからないが、その顔からは不思議と恐怖を感じなかった。

その時の畠沢には、心外そうな、あるいは少し困ったような顔に見えたという。

何だ、と畠沢が思った瞬間、急に誰かに襟首をつかまれたように、体が引き倒された。

押さえつけていた両手が女の顔から離れ、勢いよく仰向けに倒れて行く。

女の口が何か動いていたが、畠沢には何を言っているのか聞こえなかった。

床に頭を思い切り打つと思ったその瞬間に、畠沢は自分の布団の上で我に返った。

しばらくの間、自分がどうなったのかも畠沢にはわからなかったが、もし今のがただの夢じゃなかったら、と思うと赤倉が心配になり、電話したのだという。

そして、本棚の前で自分が落とした本が確かにあることを赤倉から聞いて、夢じゃないと確信し、今すぐ部屋から出るようにうながしたのだそうだ。

畠沢の話を最後まで聞いた赤倉は、困惑することしかできなかった。

外に出た時、畠沢が自分のすぐ近くにいたのだろうか?

そして自分の部屋で奇妙な目にあい消えた後、入れ違いに自分が戻ったということなのか?

今まで何事もなく平穏に暮らしてきたあの部屋に、本当にそんなものがいるのだろうか?

赤倉は畠沢に礼を言い、朝になってから部屋に戻ると約束して電話を切った。

外が明るくなり、車や人の通りが増えた頃に、赤倉は意を決して部屋に戻った。

中はカーテンを閉めたままで真っ暗だった。

玄関、廊下の電器を点けたまま、本棚の方に注意しながら、部屋の電器のスイッチを点けた所で、赤倉は気づいた。

畠沢に急き立てられあわてて部屋を出た赤倉は、電気を消さなかったはずなのだ。

結局、契約の関係もあり、二ヶ月後に赤倉はそのアパートから引っ越した。

二か月の間、赤倉は本棚の上に盛り塩を置いていた。

赤倉にはその間何事も起きなかったという。

畠沢には無事を知らせるつもりで何度か電話を掛けたが、相当その時の体験がこらえたらしく、すぐに向こうから切ってしまうようになったため、再び疎遠になってしまった。

引っ越してからは、畠沢からの電話もなく、赤倉も何事もなく新居で平穏な生活を送ったという。

これが、赤倉と畠沢の二人が体験した奇妙な出来事の一部始終です。

私は、大学を卒業した直後の赤倉からこの話を聞き、その後畠沢に電話で確認し、二人の話した内容を一つにまとめてみました。

二人とも現在は何事もなく、畠沢は時間が経過したこともあり、気軽にこのことを人に話せるようになったことや、赤倉はあれから何度も連絡をくれたのに申し訳ないことをしたと言っていました。

赤倉の部屋には本当に何かがいたのか。畠沢は本当に赤倉の部屋に夢の中で行ったのか。

何かいたとしたら、なぜ畠沢は助かったのか。なぜ疎遠だった畠沢が引き寄せられたのか。

今となっては何も分かりません。

ただ、そのアパートは学生に人気で、あの時の部屋も、きっと何も知らない誰かが住んでいるはずだと赤倉は言います。

拙い長文にお付き合い頂きありがとうございました。

(了)

 

呪いの解き方 [ 川井春水 ]

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