【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

*

一途な想い

   

Sponsored Link

僕の家の隣に女の子が越してきたのは小四の夏休みだった。

彼女の家庭にはお父さんがいなかった。

お母さんは僕の目から見てもとても若かったのを覚えている。

違うクラスになったけど僕と彼女は仲良くなった。

彼女はあまり明るいほうではなく、女子の友達も少なかった。

本ばかり読んで親しい友人のいなかった僕と彼女はお互いの家に遊びに行くほど仲良くなった。

そのうち彼女は愚痴を言うようになった。

母親がすぐ殴ること。

同じクラスの女子が意地悪をすること。

すきな男の子ができたけどその子はほかの女子にも人気があること。

最初は僕のほうがよくしゃべっていたけれど、この頃からは一方的に彼女が話し僕が聴くようになっていた。

ある日を境に彼女は学校に来なくなった。

好きだった男子の取り巻きたちにいじめられていたのが理由だ。

彼女は僕に会うたびに自分をいじめた女子が憎いといった。

そのいじめを見てみぬ振りしていたクラスの皆も憎いといった。

そして現実味のない復讐やクラスメイトの悪口を延々と話し続けた。

僕はただ黙って相槌を打っていた。

中学に入ってから彼女の素行が荒れ始めた。

夜遅くまで帰ってこないようになり、これ見よがしにタバコをすい始めた。

家庭環境も悪化し、深夜にいきなり親子喧嘩が始まったりもした。

一度は警察が彼女を迎えにやってきた。この頃から近所と折り合いが悪くなり、中傷ビラや落書きなどの悪質な嫌がらせが彼女の家に行われた。

一度は郵便受けに刻んだ猫が入っていた。

僕も母に彼女と付き合うのをやめるよう言われた。

僕が高校を出たとき、彼女は部屋に引きこもるようになった。

僕も彼女の姿を見ることがめっきり減った。

めっきりふけこんだ彼女のお母さんに話を聞くと、

昼は絶対に出てこない
ご飯は部屋の前においていく
深夜になるとトイレに行くときだけ出てくる

そんな生活を送っているようだ。

僕は久しぶりに彼女に会いにいった。

彼女は僕に会うのを拒絶した。

扉越しに帰れと怒鳴った。

何を話しても黙っていた。

一度なんかはドアがあいたと思ったら味噌汁をかけられた。

ちらりと見えた彼女はげっそりと青白くやつれていた。

絞った雑巾のようだった。

僕は毎日彼女に会いに行った。

親とけんかした。

やっとできた友達と疎遠になった。

それでも毎日彼女の部屋まで会いに行った。

そのうち彼女は扉越しに話をするようになった。

悪い仲間と付き合っていたこと
万引きが癖になって警察に捕まったこと
恋人ができたと思ったら避妊に失敗して子供ができたとたんに逃げられたこと
助けてほしくて相談した母親に半狂乱になって殴られたこと
子供をおろしたこと
死のうと思ったこと
手首を切ったこと

昔と同じ様に彼女が一方的にしゃべり続け、僕は相槌を打つ。

意見を求められたときはなるべく無難な意見を言う。

そのうち彼女は部屋を出た。アルバイトも始めた。

だんだん性格も明るくなり始めた。彼女のお母さんから泣きながらお礼を言われた。

ある日、彼女は近所の団地から飛び降りた。

下が植え込みだったこととたいした高さじゃなかったために一命は取り留めたが、脊髄が傷ついたために今後の人生は車椅子のお世話になるそうだ。

ベッドに横になった彼女はなきながら謝った。

親や僕に迷惑をかけていたのがすごく申し訳なかったから飛び降りたんだそうだ。

泣いている彼女を慰めた。寝転んだまま泣いている人を慰めるのは難しいと思った。

慰めながら彼女にプロポーズした。結婚を前提に付き合ってくれるように頼んだ。

彼女は全身の水分を絞りつくすようにして泣きながら

「本気? 私でいいの?本当にいいの?」

と何度も聞き返した。

訊かれる度にうなづき返した。

君のことがずっと好きだった。

顔をゆがめてクラスメイトの悪口を言っていたときも
悪い友達と付き合って荒れていたときも
一方的に愚痴をしゃべり続けていたときも
君が泣きながらお母さんが自分を殴ることを告白したときも
引きこもって別人のようにやせたときも
小学生の頃に君が好きな男子の名前をその取り巻きたちに教えたときも
君の家のポストに入れる猫を刻んでいたときも
足の感覚を失い白いベッドに飲み込まれそうに小さく横たわっている今も

……ずっと君が好きだ。

これで完璧に君は僕だけの「彼女」だ。

僕たち今度結婚します。

(了)

 

科学では説明できない奇妙な話(運命の不思議篇) [ 運命の謎を探る会 ]

Sponsored Link

 - ほんのり怖い話

[PR]

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

ゲストハウスの怪

霊感ゼロだけれど、この前、変なものに遭いました。 654 :本当にあった怖い名無 …

姉の電波トーク

  俺が小学生で、五歳上の姉が中学生だった頃のこと。 190 本当にあ …

恐怖の寝言

  よく寝言に返事しちゃだめ、っていうじゃないですか。 497: 本当 …

ぼろ家の記憶

  数年前に実家で、甥っ子や姪っ子達とトトロ観てたとき。 310 :本 …

荷物置き場にしているアパートで

自宅兼事務所で自営してるんだけど、仕事関係の荷物を置くスペースがなくなってきたの …

骸骨少年

  23区内に住む友人の弟さんの経験談。 783 :2009/08/2 …

キョウコちゃん

私が小学校一年生の担任だった時の話。 522: 本当にあった怖い名無し:2013 …

山中の貼り紙

  今から五、六年前の話。夏休みなどを使って毎年遊びに訪れていた祖父家 …

ラーメン屋の怪

先日、友人とラーメンを食べに行った。 深夜3時まで営業している店を知っていたので …

写眞に映った女の顔

  小学五年の時に、年の一回り離れた姉が出産をした。 693 :本当に …