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【稲川淳二】杉原医院【ゆっくり朗読】217

      2021/05/30

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四国の話なんですがね

杉原医院という町の診療所があって、誤診で何人もの患者を死なせたという医院長がその恨みからか狂い死にをしたというんです。

それで、病院のほうは立ち行かなくなったんで閉鎖されまして、一家は雲隠れしたというんですね。

建物は残っているんですが、「そこには怨霊が住み着いている」そんな噂があるんですね。

それを聞いた大学1年生のA君が、一体そこはどんな場所なんだろうと、好奇心と面白半分の気持ちで友達2人を誘って行ってみた。

あれこれ探して行ってみたら、あった。

窓は閉まっているし、正面玄関の扉も閉まっているけど、そこには杉原医院とちゃんと書いてあるわけだ。

人が住んでいないと言っても勝手に入ると家宅侵入ですからね。

人の持ち物なんですからそうはいかない。

正面玄関を見ると貼り紙がしてある。

その貼り紙に『入室を禁ずる』と書いてあって、『移転をしましたので、御用の方は先の番号へお掛け下さい。』と書いてある。

その後にはちゃんと電話番号も書いてある。

そしてね、その横に付け加えたように汚い字で『注意 決して掛けてはいけない』と書いてある。

これ見て3人は笑ったわけだ。よくやるよなーなんてゲラゲラ笑った。

それでA君が携帯を取り出して、その番号に掛けてみた。

と、その建物の中で

トゥルルルルー

と電話が鳴ったんで、え?と思った。

自分の携帯の中でも呼び出し音はなっている。

あれ?

トゥルルルルー

呼び出し音が止まった。

相手が出たんだ。

うあああ!と思ってると、相手が「杉原医院ですが」って言ったもんだから、相手も色々やってくれてるなあ!と思って、こっちもふざけてやろうと思ってね。

「俺だよー俺だよー!今あの世から掛けてるんだ」って言ってやったら、相手が「ふざけるのもいい加減にしろー!」と怒鳴ったもんだから、びっくりして逃げたわけだ。

それで帰ってきて、「うあああ!怖かったなw誰もいない病院で電話が鳴ってさー人が出たんだよ!あれ怨霊だよなー!」

って言ったんですが、これ冷静に考えると、それって本当はこの医院営業してたんじゃないですかねえ……

で、誰かがそんなウワサ話作って聞かせてたんじゃないですかね?違います?

(了)

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 - 稲川淳二

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