【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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紫の座布団【稲川淳二】

      2018/09/26

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不思議な話、って、ありますよねえ。

その日は、私の友人と、その、友人の先輩という人と、三人で、久しぶりに、お会いしてた。

久しぶりにお会いしたんで、飲みにいったんだ。

したら、その席で、先輩の方が、「稲川さん、不思議なことって、ありますよね」

自分が友人に話したんだけれども、言った本人はもう、忘れていた話があるって言うんですよね。

「その友人に言われて、思い出したんだけど、今度お会いしたら、稲川さんに言おうと思ったていたんですよ」と、言う。

その話は、というのは……

その先輩が、小さいとき。よおーく歌ってもらった子守唄が、あるっていう。

で、自分はそれ、覚えていないもんですから、お母さんに、その話をした。

ところが、「そんな歌、知らないわよ」って、言われちゃった。

おかしいなぁ、おふくろのやつ……

母親がボケたのか、自分の勘違いなのか。

それは、知らないけれども、自分では、その歌、はっきりと、覚えている。

「じゃあ、いったいぜんたい、誰が、歌ってくれたんだろう」

自分はずっと、母親が歌ってくれたものだと、思っていたのになぁ……

と、彼。

「それでねえ、稲川さん、それだけじゃ、ないんです」と……

「というのは、私はねえ、子供のときにはたしか、家族が一人、多かったんですよ」って、言う。

彼が四歳か、五歳ぐらいまでのときに、彼の家には、大ばあちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、自分、弟、妹の、八人家族だったそうです。

で、それが、なんとなく頭にあったんで、「小さいときにさあ、家におばあちゃん、もう一人、いたよね」お母さんに、聞いてみた。

したら、お母さんが、「いや、そんな人、いないよ」

昔っから、七人家族だよ……あんた、なに言っているの…と。

ええ!…おかしいなあ。

自分にとっても、そんなにはっきりしたもんじゃあないけれども……

小さいときに、家族が集まる部屋が、あった。

そこには、仏壇が、あった。

押入れが、あって、そこで、よくみんなで、ご飯を食べたって言う。

その押入れの前あたりで、いつも、小さなおばあちゃんが、紫色の座布団を敷いて、ちょこんと座っていたって、言う。

でも、いつのころから、いなくなった。

自分はそれを覚えているから、母親に言ったら、「いや、大おばあちゃんなんて、うちにはいないよ」って……

ま、そんなことがあって、しばらくして。

実家のお兄さんのほうから、連絡があったそうです。

「久しぶり。実はなあ、もう、親父も亡くなって、そろそろさあ、家を改築したいんだよな。で、昔っからのもんが、家にはずいぶんとあるから、まあ、後々の財産分けのこともあるし、おまえも一度、手伝いに来ないか」と……

「片付けながら、少しチェックしてくれ」と、言う。

「でねえ、稲川さん、最初はね、私も、早い話が片づけが大変だから、おまえも手伝いに来いってことで。そういうことだろうと」

そういうもんだと、思っていたらしいんです。

で、あれこれ、片付けながら、家族が昔からよく集まったその部屋。

ご飯を食べた、その部屋。

仏壇のある、その部屋。

そこへ行って、仏壇のならびにある、押入れの周りを片付けた。

と、あれこれ、いろんなものが出てきた。もちろん古いものも、たくさん出てくる。

中には、けっこう、値段のいいものもあったかもしれないけど、「稲川さん、刀とか、そういうもの、けっこうあったんです」って、そんな中から……

見たことのない、木箱が、出てきた。

紐が付いてた。

手に持ってみると、そこそこ重い。

「ああ、これは、壷かな」

そう思って、お兄さんに、「兄貴、なんか、これ、入っているけど」

ところが……

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あまりにすすけていて、その木箱の上に書いてある文字が読めない。

でも、なんか、大変な、大切なものだろうと思った。木箱に入っていたから。

で、兄貴と二人で、紐を解いて、蓋を、開けた。

ん?中に、おおいを被った物が、入っている。

「なんだろう?」

お兄さんが、布を、ふっ、と、めくった瞬間に、!!…ええ!?

「稲川さん、本当にそのときは、驚いちゃいましたよ…」と、彼。

なんとそこには、…古い…頭蓋骨が、あったそうなんです。

うえぇぇぇ…と思った。

なんだ…!?

兄貴が、「なんだ、これ?…おい、これ…ひょっとして」と、言って、「もしかすると」兄貴、つばを飲み込んで、「これ、土葬時代の、うちの、先祖かも、しれないぞ…」

「でも、なんでこんなところに、あるんだろう…」

「だよな」

で、その頭蓋骨、しょうがないんで、お寺さんに、持っていった。

二人して菩提寺に。

「しばらく、預かってもらえませんか」

で、まあそれなりのことをしようと。

どういうもので、誰のかはわからないけれど。だけど、出てきたからには供養、しなくてはならないだろうと。

「ただ、稲川さん、不思議なんですけど、その頭蓋骨、下に…」と、彼。

「紫色の、座布団、敷いてたんですよねえ」

「今から思うと、ですけど。あの、歌を歌ってくれたの、あの、頭蓋骨だったかもしれないなあって」

「考えたら、それ、ずーーーっと家に、いたんですよねえ」って……

「だから、家にはもともと、もう一人、家族が、いたことになりますよね…」って……

だって、私、子守唄、知ってますから。

誰も、知らない、子守唄。

きっと、その子守唄、歌ってくれたのは、それ…だったんじゃあ、ないんでしょうか…と。

そんな話をねえ、してくれましたよねえ……

(了)

 

死霊怪談 [ 平山夢明 ]

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 - 稲川淳二

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