【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

*

【稲川淳二】高校生の姉妹【ゆっくり朗読】114

      2021/05/15

Sponsored Link

霊というのは決して怖いばかりではない。

中には心優しい霊もあるようで、どうやら怖いと思うのはこちらの勝手で、向こうにはその気はないのかもしれない。

この話、話してて私、心が熱くなるんです。

というのは、夏の始めにテレビの生中継があって、私愛知県の方へ行ったんです。

そしてその時に私に付いてきてくれた若い女性スタッフなんですが、番組が無事に終わると、私を駅まで送ってくれたんです。

これが結構な距離があり、あれこれ話しているとその若い女性スタッフが私に話を聞かせてくれたんです。

話というのは高校生と中学生の女の子二人、母親が亡くなってしまった。

高校生のお姉ちゃんのほうが母親に代わり家のことを一切自分が切り盛りするようになった。

朝起きてご飯を作り、お父さんと妹に食べさせる。

お父さんのお弁当も妹のお弁当も作り、そして自分のお弁当も作る。

そしてお父さんと妹を送り出してから自分も学校へ行く。

自分が忙しくても必ず朝はきちんと起きていた。

でもさすがにやはり疲れたんでしょう。

そんなある朝、このお姉ちゃんが寝坊してしまった。

目を覚ますと何か音が聞こえてくる。

「あら?」

その音は台所の方からだった。

ザッザッザッザッ
コンコンコンコン

「ん、いけない……」

自分が寝過ごしたもんだから、妹が代わりにやってくれているのだろうと思った。

確かに妹さんも手伝ってくれたりする。

ところがこの音はなんだかとても懐かしい音だった。

そのうちにプーンと朝の匂いがしてきた。

あ、そうだ。この匂い、布団の中にいる状況。

まだお母さんが元気だった頃、こんな状況あったなぁって思っていた。

懐かしい音だった。

ザッザッザッザッ
コンコンコンコン
ジャッジャッジャ

プーンと匂いがしてくる。

その時、いつも自分は「お母さん料理作ってくれているなぁ……」と布団で思っていた。

あぁ、懐かしいなぁ。

なんだかとても心が温かくなった。

妹には悪いけど、しばらくこの空気を味わわせてもらおうと思った。

なんだか今にもお母さんが台所の方から出てくるような気がしたが、そのうち一生懸命頑張っている妹がかわいそうになってきて、いけない、早く行ってやらないと思い、起きて台所のドアを開けた。

台所に行って開けてみると、誰もいなかった。

朝の支度なんて出来ていない。

「あれ、おかしいな?」と思ったが、そこに妹さんが来て、「あれ?お姉ちゃんじゃなかったの?」と言った。

「いや、私何もしてないよ」とお姉ちゃんは言った。

聞いてみると、妹の方も同じ事を思っていた。

布団の中で目を覚ますと台所の方で音がしており、懐かしいなぁと思っていたのだが、その音を聞いているうちになんだかお姉ちゃんがかわいそうに思えて、わたし、飛んできたんだよと妹は言った。

それで二人は、きっとお母ちゃんが来てくれたんだね、健気に頑張っている二人のためにお母さんは顔を出してくれたのだろう。

それでこの話を聞かせてくれた後、その若手のスタッフが私に

「稲川さん、この姉妹の妹のほうが私の母なんです」と言っていた。

良い話ですよね。

(了)

Sponsored Link

 - 稲川淳二

[PR]

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

【稲川淳二】ブラインド【ゆっくり朗読】94

【稲川淳二】ブラインド【ゆっくり怪談】 岡山での話しなんですがね。 会社勤めをし …

【稲川淳二】スクラップ車のにおい【ゆっくり朗読】113

【稲川淳二】スクラップ車のにおい【ゆっくり怪談】 私毎年ね、怖い映画の脚本書いた …

【稲川淳二】病院の子供の声【ゆっくり朗読】1174

【稲川淳二】病院の子供の声【ゆっくり怪談】 病院。そこは一歩踏み込んでしまうと、 …

【稲川淳二】宇野くんの話【ゆっくり朗読】187

【稲川淳二】宇野くんの話【ゆっくり怪談】 宇野くんという、テレビの制作会社の新人 …

【稲川淳二】ゆきちゃん【ゆっくり朗読】161

【稲川淳二】ゆきちゃん【ゆっくり怪談】 私の友人にね、娘さんがいるんですよ。 久 …

【稲川淳二】幽霊屋敷【ゆっくり朗読】218

【稲川淳二】幽霊屋敷【ゆっくり怪談】 霊が住み着くところって色々ありますよね。 …

【稲川淳二】樹海の心霊写真・最期の一枚【ゆっくり朗読】1113

富士の樹海近くで民宿を経営している、仮にAさんとしておきます。 この人地元の消防 …

【稲川淳二】背負われた母親【ゆっくり朗読】114

【稲川淳二】背負われた母親【ゆっくり怪談】 これは北九州で、本当にあった話です。 …

【稲川淳二】日航123便【ゆっくり朗読】1094

【稲川淳二】日航123便【ゆっくり怪談】 これは私、生涯忘れることはありませんね …

【稲川淳二】奥多摩の古旅館【ゆっくり朗読】298

【稲川淳二】奥多摩の古旅館【ゆっくり怪談】 これはねぇ、不思議な話なんだけど。私 …