【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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キャンプ【稲川淳二】

      2016/06/06

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三十代の男性で、仮にAさんとしておきましょうか。

十数年前の高校の夏休みの事なんですが、Aさんが親友のB君と二人で、長野県の北部にある湖にキャンプに行った時の事です。

自分たちが住んでいる街から、キャンプ場までは40キロ程の距離なんですが、自転車に荷物を積んで、二人でキャンプ場へ向かったんですね。

途中途中で休みながら、どうにかキャンプ場に着いたんですが、その時にはもう既に夏の日がだいぶ西に傾いていたんですね。

ひょいと見ると、木々の向こうなんですが、赤いランプがくるんくるん、クルンクルン回転しているんですよ。

そのたんびに、木々の木立が赤く染まっている。

「あれなんだろう?」と二人が行ってみると、そこにはキャンプ場には不似合いなパトカーが一台止まっている。

「なんかあったのかなぁ?事故かなぁ?」なんて話しているうちに、そのパトカーが走り去っていった。

二人はこのキャンプ場の管理事務所に行って、バンガローを借りる手続きをして、自分たちが泊まるバンガローにやってきたわけだ。

荷物をおろして、「はー」と一息。

B君が美味そうにペットボトルの水をゴクンゴクン喉を鳴らして飲んでいる。

何しろ暑い炎天下、自転車こいで来たわけですからね。体中が汗でぐっしょり。

まぁそんな体には、木々を抜けてくる風が心地よいわけだ。

と、B君が「おい。さっきのあのパトカーだけどさ、あれなんだろうなぁ?行ってみないか?」と言った。

A君が、「おい、なんだよ何かあるのかよ」と言った。

B君「いやー、そうじゃないんだけどさ。ちょっと思い出したことがあってさ。前になぁ、このキャンプ場の近くでもって、幽霊が出るって噂があったんだよ。それがね、まぁ何年か前なんだけど、夏にね、女子中学生が、忽然と姿を消したまんま、消息が分からなくなっちゃったんだよ。どうもその女の子らしいって話なんだよな」と言った。

A君は「そういう話ってなー、よくあのほら、キャンプファイヤーの時によく話したりするだろう?何処のキャンプ場に行ってもあるんだよそういう話は」

そう言うと、B君が「うーん、でもさぁ。行ってみないかなぁ?」と言った。

それで、二人はさっきパトカーが止まっていた場所へやってきたわけだ。

そのあたりは、ずっと木々に囲まれている。

もうその木立の中は、うっすらとした闇に包まれている。

ひんやりとしてシーンと静まり返って、遠くでもってセミが鳴いているわけだ。

と、そのあたり一帯に警察のテープが貼ってある。そこに立入禁止の札が下がっているんですよね。

A君「おい、このテープで囲っている中に死体かなんか埋まっているのかなぁ?」

B君「さぁなぁ」って言いながら「ん?おい、おい。あれ見ろよ!」

顔で合図を送っていたんで、A君がひょいっと見ると、その薄闇の向こうなんですが、向こうにぽつんと人影が立っている。

「あれ?いつ来たんだろう?あれ誰かな? ここに花束でもたむけに来たのかなぁ」と思った。

「えー!」っと思いながら二人がふっとまたそちらを見た。

自分たちからせいぜい6、7メートルの距離なんですが、藪の中から制服を着た女の子がジーッとこちらを見ている。

「うわっ、おい!あれ中学生じゃねぇか?」

二人は恐恐そーっとそちらを見ると、いない。姿がない。

「え?」

薄闇の中にその姿が描き切れているので、B君が「おいちょっと行ってみようぜ」とそちらへ行く。

A君も後から追っていったわけだ。

「あら?今確かにここに女の子がいたんだ」

でも、行って周りを見ても誰もいない。姿がないんだ。

「おい。よせよおい。いないぞ」

A君は気になるもんだから周りをじーっと見ているんだ。

でも見つからない。

一方B君の方はテープが貼られているその周囲をなんだか意味ありげに歩いている。

真剣な顔をして歩いているのが妙におかしくて、A君は「あ、からかってやろうかなぁ」ってしゃがんで身を隠したわけだ。

近くに来たらわ~っと飛び出そうと思ったわけなんですね。

A君が隠れている。

風がフーッと吹いてくる。

と、何処からか「うぅぅ……」と呻き声がしたんで、周りを見るんですが、誰もいない。

今しがた自分はあちこち見たのにその時は誰もいなかったんだ。

「空耳かなぁ……」と思って、そのまましゃがんでいた。

風がすーっと流れていく。

「うぅぅぅ……」

間違いない、呻き声がしているんだ。自分でもないし、B君でもない。

おいよせよと思った。

この藪のどっかからこっち見ているのかなぁ?しゃがんでいる自分の背中に視線を感じたわけだ。

「う、嫌だなぁ」と思いながら周りをそーっと見た。

誰もいない。

おかしいよなぁ……と思いながらまた周りを見た。

と、自分の視線の先鬱蒼とした夏草の根本のあたりなんですが、草の間からジーッとこちらを見ている目があるんで、「なんだろう、うさぎだろうか?」
と気になったんで。すーっと手を伸ばしてみた。そして、そーっと草をかき分けた。

相手は逃げる様子はないんだ。

ざわっと草をどかした瞬間に
「う!」
一瞬言葉を失った。息を呑んだ。

その草の根本のあたり、土の中から人の生首が飛び出ているわけだ。

次の瞬間。

「うわああぁあああ!!」と飛び上がった。

ちょうどそこにB君も来て、A君の声を聞いて驚いたB君も「うわぁぁあああ!!」と飛び上がった。

「なんだよ、お前なんだよ!」

「人の生首。あったんだよ生首が!」

「ほんとか?」

「うん」

真っ青な顔してるし、A君が嘘を言っているようには見えない。

でもなんだか信じられない。

それでB君は半信半疑でもって

「おいどの辺りだよ?」

「そこだよ」

「え?」

「そこだよ」

と探しているその内に、「おい、来いよ。来てみろよ」言われたんでA君が見ると

「お前が見た生首はこれだろう」とB君は指をさした。

夏草の根本のあたり、黒く汚れた空気の抜けたバレーボールのようなものが落ちているわけだ。

「これだよ!お前が見たの」

「え?いやそうじゃないよ。人の生首だったよ」

「いやこれだよ。きっと薄闇の中で、木漏れ日か何かがあたって顔に見えたんだよ!」と言った。

B君に言われてみれば、確かに自分のしゃがんでいた距離からあっているわけだ。

でもおかしいよなあ……確かに生首に見えたんだよなあ……と言ってた。

と、B君が「いやさ、キャンプに来た連中が、ボール遊びをしてて藪にボールが入って見つからなかったんじゃないか?」と言った。

ボコっと穴が開いている。いびつになっているわけだ。

「なんだよー冗談じゃないぜ。俺本当にこわかったんだぜ!」なんて言いながら、A君がそれを足の先でクッと蹴った。

と、コツンと音がして、それがコロコロと転がった。

その途端に、ハエや何かの虫が一斉に飛び立った。

黒く見えたのは、それにたかっていたハエや虫だったんですね。

その物体というのは、汚れてはいるんですが白いような色をしている。

A君、もののついでですから、なおもサッカーのゴールを決めるように、木々の間めがけて力まかせにそれを蹴ったんです。

コツンとそれは飛んでいった。落ちるとゴロゴロ転がって、藪から飛び出して斜面を転がり落ちていく。

二人はなんとなくそれを見送っているわけだ。

と、一瞬その正体が見えたんで「うぅ……」と二人は声をあげた。

なおもそれはコロコロと転がって、湖に落ちて沈んでいった。

B君が、「おい、今の人の頭蓋骨じゃなかったか?」って言った。

A君も、「ああ、頭蓋骨に見えたよなあ……」と言った。

それで二人は慌ててキャンプ場の管理事務所に行ったわけだ。

そして、管理人のおじさんにこの事を話した。

すると、そのおじさんが

「ああ……そうですか。わかりました。それで、これは明日になるとわかってしまうのですが……実はある事件で捕まった男が、三年前の夏にね、中学二年生の女の子を殺害してこの近くに埋めたという事を自供したそうでね……さっき警察が来たんですよ。それで、明日になると警察が大勢でやってきて、そのあたりを掘り返して捜索するそうなんですがね……じゃあその時にこの事伝えておきますよ。でもなあ、おたくの今の話しを聞いてると、獣か何かに掘り起こされて遺体バラバラになっているんじゃないかなあ……」

その時A君何となく、こんな近くに死体が埋まっているのに、みんな楽しそうにキャンプしてるなあ……と思っていた。

と、B君が「え?3年前に中学2年生っていったら、俺達と同い年だよなあ……」って言った。

その時管理人のおじさんが、机の上に置いてあるノート程の写真を取り上げて、壁の掲示板に貼った。

見るとそれは、身分証明書の写真のようなんです。

制服を着た女の子の写真なんですよ。

それで、「これって被害者の女の子ですか?」と聞くと、「ええ……」と管理人のおじいさんが言った。

するとB君が、「さっきさあ、藪の中で見た女の子ってこの子に似てないか?」って言った。

でもA君にしてみれば、薄暗い闇の中でほんの一瞬見ただけですから、顔なんか見ちゃいないんです。

見ちゃいないんだけど、妙に見覚えがある。どっかで見ているよなあ……

見覚えあるよなあ……と思いながら、ふっと写真を見ると、写真の下に名前が書いてある。松本美恵子と書いてある。

ああ、この子松本美恵子って名前なんだ……マツモトミエコ……松本美恵子……

「あ!小学4年の時に転校していった松本美恵子だ!」と言った。

B君が、「おい、同級生か?」って言った。

「ああ!小学4年までな!小学4年の時に転校して行ったんだ!」

殺されたのが松本美恵子だったんだあ……と思ったら、急にこわくなってきた。

ドキンドキンドキンドキンドキン……心臓の音が早くなる。

もしかすると自分は、その同級生の頭蓋骨を蹴飛ばしたのかもしれない……

あいつは自分達に何かを知らせたくて姿を見せたのかもしれないし、自分に何か言いたかったのかもしれないのに、俺はなんてことしちゃったんだろうと思った。

言いようもなく苦しい気持ちになってきた。

嫌だなあ……弱ったよなあ……と思った。

それで、管理事務所をあとにしてバンガローに戻ってきた。

炎天下の中自転車で来てますから、体は疲れている。

でもそれ以上に、キャンプ場に来てからのこの一連の出来事ですから心まで重くなっちゃった。

じゃあ今日は早く寝ようかという事になった。

そして、簡単に夕食を済ませて、そのままの格好でバンガローの中に横になった。

そうするうちに眠ってしまったんですね。

どれほどか時間が経って、A君のほうはふっと目を覚ました。

あたりはシーンとしている。網をはった窓から、ふーっと風が入ってくる。

ふっと見ると扉が開いている。おかしいなあ……自分はちゃんと閉めたんだけどなあ……と思いつつドアを閉める。

すると闇の中で「うぅぅぅ……」とB君の呻き声が聞こえる。はじめは、ああ、疲れているんだなあと思った。

でも「あぁぁぁ……」「うぅぅ……」とあまりに呻くものだから、大丈夫か?病気か?と思った。

「おい!大丈夫か?」と声掛けたんですが、返事がない。

気になるものですから、呻き声のするほうに手を伸ばしていった。

すると、手が頭に触れたものですから、手を頭にのせた。

髪の毛がぐっしょりと濡れている。

うあああ、ひどく汗かいてるなあと思った。

と、B君が寝返りをうった。

あれ?足がここで、頭が……位置関係がどうもおかしい。

そして、ハッと思った。

寝返りをうったのに頭が動いていない。

どういうことなんだ……気になったんで体を起こしてよーく見た。

と、次の瞬間うぅぅと声にならない声をあげた。

それ、闇の中からこっちをジーッと見ている少女の生首だったそうですよ。

で、「うぅぅぅ」と呻き声をあげたっていうんですよね……

(了)

 

トワイライトシンドローム(禁じられた都市伝説) [ 福谷修 ]

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