【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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赤いおにぎり【稲川淳二】

   

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学生時代からの私の親友の話なんです。

だから、彼とは相当長い付き合いですよね……

その彼が私に話してくれた、話なんですがね。

彼、愛知の人間で、自分のおじいさんの、若い頃の体験だそうです。

彼のおじいさん、山歩きとか釣とかが好きで、今で言うアウトドア派ですよね。

仲間なんかも集めて、よく行っていたそうですよ。

で、その仲間なんかと、軽く山でも行こうかって話しになったんだな。

で、みんなで適当な装備を持って、出かけたわけだ。

山といったって、たいした山じゃないんですよ。

みんなでわいわい言いながら登った。

ところが、山というのは天気が変わりやすいですからね。ええ。

だんだん雲が早く流れるようになってきたんですよ。

状況が悪い。

「おい、このまま行くと雨になっちゃうんで、どこか一時的に避難した方がいいだろう」

と、言うか、言わないかのうちに、案の定、バタバタバタバタっ、と雨が降ってきた。

ザッーーーー!!!

黒い雲が、低くグッーと伸びてきた。

「おい、これは本当にいけないぞ、急ごうぜ」

「ああ、そうだな」

暗い山道をどんどん、どんどん、駆けるようにして登っていった。

やがて行くと、向こうに小さな小屋が見えた。

山で働く人の小屋なのか、それとも山小屋として使われている小屋なのか、わかりませんが、本当にちぃーちゃな、壊れかけた小屋があった。

「おおー良かった!あそこへ入ろうや!」

「おおー助かったぞ!」

みんなで中に入った。

入ってみると、もちろん真っ暗ですよね。

板なんか、一枚だけ。

その板を、バァアアアァァァーーーーッと、雨が叩きつけるように降っている。

隙間から水が跳ねてくる。

雨が入り込んできちゃう。

すごい雨量だ。

「寒いな……なんか燃やすものないかな」

「何にもないなぁ……」

みんなで手探りで探したんですが、何にもないんですよ。

すると、パァッッッッッ!と板の隙間から光が差し込んで、

ガラガラ!ガラガラガラガラ……

すごい稲光!

「うわあ!」

「たまんねぇ、良かったここに入れて……」

そのうち、風が出てきて、ギィーーッヒ、ギィーーッヒ、風で小屋が揺れているんですよね。

ああ、この小屋もあぶねぇな……そんなこと思いながら、みんな、しばし黙ったまま、身をかがめて座っていたそうですよ。

総勢四人です。

「あー寒い!」

「本当、寒いな……結構」

びしょり濡れてますからね、震えてる。

「おい、しょうがないから、ここらで飯にしようや」

「うん、そうだな」って、話になった。

昔の話ですからね、飯っていったて、握り飯ですよ。

普通の塩むすびです。

で、おにぎり出して、みんなに分けた。

「はい」

「おっ、ありがと」

みんな、握り飯持って、寒いなぁ……って話していると、

ピカッ!……バリバリバリバリ!!

雷が来る。

板の隙間から、明かりがサッ!と走る。

すると、瞬間に、みんなの顔がチラッと見える。

小屋の中も映し出される訳だけど、これがなんか、壁なんかも古くて、大分使われていない状態らしくて、カビ臭いし、早い話、廃屋なんですよね。

「いやー、すごいところだなあ」

言いながら、入り込んでくる雨をよけるようにして、四人がそれぞれの位置を決めて、おにぎり持って、座って食べてたの。

と、瞬間また暗くなる……そしてしばらくすると、また、パァアアアアア!と光ってね、中が一瞬明るくなる。

その時に、一人が、前を向いて喋っていたんですが、ふと、しゃべるのやめたんですよ……

ぽたっ、ぽたっ、ぽたっ、ぽたっ……

天井から雨水が落ちてくるんですよね。

ああ、やだな、冷たいな……と思っていると、話をやめた友人が、

「おまえ、なんか……おでこのあたり、赤いぞ……」って言った。

水滴が赤いんですよ、言われた方は、「うん、そうか?」

無造作にふき取ってね、夢中でおにぎりを食べてる。

と、またパァアアアアア!と稲光が入った。

するともう一人が、「アレ、お前だけ赤飯……?」って言う。

「なにが…普通の飯だよ、みんなと一緒だよ」

「だって、おまえ、それ赤飯だよ、赤いよ」

「えっ?」

と、また

パァアアアアア!

みんなで見た。

稲光で見てみると、その彼の握り飯だけ、ピンク色に染まっているんですよ。

「あれ、本当だ…なんでだろう?」

言いながら、また食べてる。

ギィーーーヒッ、ギィーーーーヒッ……

相変わらず風で小屋は揺れているんですよね。

すると、赤飯の彼が、「うん?…なんだ!」と、妙な声を出した。

「どうした?」

みんなが聞くと、「うん……何かがぶつかったぞ」

「なにが?」

「さぁ……」

彼が暗闇の中、上に手を伸ばして、空中をかき回して探していると、

パァアアアアアアア!!

…え?…え?

一瞬明るくなった部屋の上を見た彼が、

「うわあああああああ!」

叫んだ。

他の連中も、見た!

赤いおにぎりの彼のすぐ上に、白い足が浮かんで揺れていたそうですよ。

「うわ!」

みんな、その場で釘付けになったまんま、動けない。

やっと、こわごわと、一人が持っていたライターを点けて、ふうっと、見てみると、足があって……

ボロボロの着物があって……その上の方、暗がりの天井の辺りに…白いものが…こっちを向いてる。

ジィーーーーーッと見てる!

顔なんですよ!

年寄りの……ばあさんの、顔なんですよ……

その口から、赤い水が…ポタポタ…ポタポタ…ポタポタポタ…って落ちて、ヤツのおにぎりに垂れてる……

血なんですよ……

「うわあああああああ!!」

みんな、すごい悲鳴をあげて、小屋を飛び出したそうです。

どうやって帰ったか、わからないけど、すぐ警察に行って、訳を話したそうです。

そして、警察と一緒に、みんなで小屋へ行ったそうです。

それは……地元のばあさんの、首吊り死体だったそうですよ。

まぁ、いろいろと事情はあったかもしれないけど、山に入ったまま、行方不明になっいた、ばあさんの死体だったそうです……

彼らはその下でもって、おにぎりを食べてたんですね……

赤いおにぎりというのは、血に染まったお握りだったんですね……

友人がね、「稲川、この話、本当なんだよ。新聞にもでたんだから……」って、教えてくれましたよ。

(了)

 

文豪山怪奇譚 山の怪談名作選/東雅夫

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