【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

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遺骨を食べたい

      2016/04/09

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先日亡くなった友人、大竹の話。

2008/07/28(月) 00:58:01 ID:EInYraJv0

当時小学生だった大竹の父方のお祖母さんが亡くなった時、叔父さんが骨壷を持って逃げた。

すぐに捕まったらしいが、「どうしても欲しくなって、気がついたら抱えて走っていた」と言ったそうだ。

母親の遺骨を形見に欲しいというんじゃない。

骨壷の入った袋を抱えて連れ戻された叔父の姿は、それまでの彼とは別人のようだったらしい。

明るくよく笑う人だったのに、つい数時間前に式場で話した時とは明らかに顔色が変質していたんだと。

それから数年が経ち、三年前、大竹の叔父は事故で亡くなった。

件の日から徐々にやつれていった彼は、運転中に貧血を起こしたのか運転を誤ったようだ。

そして叔父の葬儀の後で、やけに青ざめて顔色の悪い大竹が俺の家に来て、前述の出来事を話してくれた。

俺はそれがお前とどう関係があるんだと、嫌な予感を覚えながら訊いた。

すると大竹は目をあちこちに彷徨わせながら、ポケットから歪な赤茶けた塊を出した。

大部分は黄色がかった白で、ところどころに赤茶が散った、それはかすかに異様な臭いを放っていた。

大竹は泣きそうに震えた声で、「叔父さんの骨、取ってきた……」と告白した。

本人もよく分らない衝動だったそうで、骨壷から取ってきた一欠けらの骨を、大竹は掌で明らかに持て余していた。

なのに、絶対に手放そうとはしない。

それどころか、定まらない視線で骨を見ては、どうも咽喉を鳴らしている。

大竹は「ずっと理解できなかった叔父の奇行の意味が、今なら解かる気がする」と、とうとう泣きながら呟いた。

「これを、食べたい。食べたくて食べたくてしょうがない。気持ち悪いのに」

どう見ても尋常ではなかったから、俺は慌てて大竹の手から骨を引っ手繰り、「しっかりしてくれ!」と怒鳴った。

でも大竹は子供みたいに頭を振って泣き、俺から骨を取り戻そうとする。

普段はのんびりとして、運動神経もそれほどよくない大竹が、涙で汚れた顔を歪めて飛びかかってくるなんて、思ってもみなかった。

呆気に取られて突っ立っていた俺から骨を取り戻すと、大竹は急に正気の顔に戻って何度も謝ってきた。

大竹の豹変には驚いたが、可哀想なくらいの動揺ぶりに、俺は構わないと答えた。

むしろ悲しかった。優しい、おっとりとした奴だったのにと。

気の利いたことは何も浮かばず、折りをみて返すようにとだけ言ってその日は別れた。

それからはなんとなく会うことも少なくなり、気にはしていても連絡をとるには至らなかった。

だけど、大竹は亡くなった。

叔父と同じく、あの日を境にどんどん衰弱していった末に、電車を待っている時にホームへ転落してしまったそうだ。

散々に後悔しつつ、葬式には出た。

後日、後悔に耐えきれず、大竹のお兄さんに生前打ち明けられたことを話した時に、今回逃げ出したのは、大竹のいとこの小学生の女の子だったと聞いた。

彼女はただ無邪気に、「欲しかったの」と笑ったそうだ。

こんなことって、そうあるもんだろうか。

 

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258 :本当にあった怖い名無し :2008/07/28(月) 14:11:14 ID:kKvnji/d0
>大部分は黄色がかった白で、ところどころに赤茶が散ったそれは、かすかに異様な臭いを放っていた。

って、生焼けだったんか?
普通、火葬した骨はからからに乾いていて、臭いなんてしないぞ。ただの焼けたカルシウム。

食べたいという衝動に駆られるのも、実際に食べるのも、実はそう珍しい事ではない。

カウンセラーや精神科医に訊いてみれば判ると思う。

「大した事じゃねえ、食いたければ食え」と、飲み易く(笑)粉にして食わしてやれれば良かったかもな。

変な自己暗示に掛かって、挙句に自殺したんだとしか思えん。

その点、小学生の女の子なら、色々と智恵やら常識やらが付く前だから、意外と大丈夫かも。

 

267 :本当にあった怖い名無し :2008/07/28(月) 23:05:20 ID:EInYraJv0
それが、やけに臭かったんだ。

煙草で髪の毛を焼いた時に臭ったのとよく似てた。

あんまりそういう知識がないし、まだ自分の親類で亡くなった人がいないから、焼けた骨を見たのはあれが初めてだった。

だから骨って白いもんだと考えてたから、ぱっと見は汚れた軽石みたいに見えた。

どの部分だったのかも聞けなかった。

ていうか、食べたいって思うのは意外によくあることなのか。

でも人の骨だし、俺にはちょっと理解できない。

ましてあの時見たものを、臭いつきで食うってのはどうもなぁ。

今も漠然とした生理的な嫌悪感を覚えるよ。

大竹や叔父さんも同じような考えだったから、その衝動を受け入れられなかったのかもな。

でも、もっとちゃんと調べて言ってやれたらよかった。

そういえば粉にして飲む話ってなんだっけ、聞いたことある。遊女かなんかだっけ?

いとこの女の子が食べたがったかは判らないんだけど、大竹のお兄さんが「うちは時々そういう人がいるみたい」って言ってた。

あの子が大竹や叔父さんのように、心をすり減らさないでくれるといいんだけど……

赤の他人の俺には何ともできない。

でも、それとなくお兄さんに伝えてみる。ありがと。

(了)

 

母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。 [ 宮川さとし ]

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