【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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生霊

   

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二十年近く前のこと、春先に行った社員旅行の記念写真にその序章は姿を現しました。

571 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/04/09(日) 03:01:54

私の頭の上部から左頬にかけて、影のように黒い霧のような物が私に重なって頭部の一部が消えていたのです。

この写真を見るまでは意識してませんでしたが、そういえば数日前から頭が重くスッキリしない状態が続いていたのでした。

それがその一枚だけでなく、同僚達と撮った写真のほとんどで同じように黒い霧が私の顔の周りにあって、不自然に顔の一部を覆っていたのです。

出来上がった写真を見て気味悪がる同僚にワザと明るく

「撮った人にチップをケチッたからなぁ」

などとおどけていましたが、私にはその存在に憶えがありました。

そう、実のところ心の中では「またか……」だったのです。

旅行から帰って、まだ写真が出来上がる前のことです。

仕事の途中で休憩しようと喫茶店へ入った私のテーブルに、店員がコップを二つ置きました。

はぁ? と思い「私一人ですが」と言うと、店員はハッとして「お連れと二人では?」と怪訝な顔つきで何度も首をかしげてコップを下げて行った、ということがありました。

旅行へ行く前も、当時住んでいたアパートの部屋の玄関横にあるガラス戸を何度も行ったり来たりする人影や気配を何度も感じて、薄気味悪い思いをしてました。

なぜなら、私の部屋は二階の突き当たりなので用事がある人しか部屋の前に来ないはず。しかも通り抜け出来ません。

その上その人影は横にスーッと動くのです。

まるで浮いて移動しているかのように。

歩いている自然な動きなら、歩行に合わせて頭が少し上下に動くはずでは。

そんな中で何日か後、今度は写真の中にある黒い霧のような物が私の顔を覆って……

正直ウンザリでしたが、写真という媒体に「具現化」していることに興味を持ちました。

母は若い頃から霊感が強く、その手合いが見えたり感じたりしてたことを思い出しました。

相談したところ、話だけでは確かなことは言えないが、私と電話で話している裏側に何かが「憑いている」存在を感じるからその可能性が高い、とのこと。

私は急いで写真を実家へ送って見てもらい、今までのことも含めて話したところ、この黒い霧が私の体全体を覆うことで憑いている物の目的は達成されるはずだが、それは私の死を意味していると。

そして、この黒い霧の正体は生霊の怨念だろうとのことでした。

この時に私の直感は、半年前に付き合っていた静子とのことを思い浮かべました。

彼女と別れる際に、静かに、だけど確実に

「怨んで、怨み尽くしてやる」

と最後にうす笑いしながら告げていたっけ。

平気なフリをしていたけど、決意を込めたその物言いにゾッとしたのを、まるで昨日のことのようにあの顔つきまでも思い出されたのです。

その後、車を運転している時に左頬にスゥッと冷たさを感じたり、真後席から強い視線を感じてルームミラーを見ると姿は見えないけれど確かに誰かが見ている気配がしたり、そんなことが度々ありました(母から一日も早く浄化して祓った方が良いと言われていましたが)。

そんな不可思議なことが日を追って度重なるようになり、さすがに精神的にまいってしまいました。

母に連絡し夏期休暇に入るや早々実家へ向かいましたが、「それ」が本当に生霊ならば途中で帰郷を妨害するようなことが起こるであろう、と母から警告されていました。

案の定、出発して間もなく軽い頭痛が来て、実家が近づくにつれ次第に激しくなり吐き気にまで襲われ運転することも厳しい状態になりました。

しかし事前に聞いていたので慌てはしませんでした。

ただ、やっぱりそうなのかと確信めいた気持ちになって、帰郷の際に必ず身に付けるよう母から送ってもらっていたお札を胸ポケットにしまい込み、「いい加減にしろっ! 静子なんだろ?」

と大きな声で言った途端に、急に視界の真中以外が万華鏡のような感じでチカチカして視界が狭くなってしまい、とても運転出来ずに車を停めました。

どうしたんだ? 目が疲れたのかな? と、シートを倒しかけた時のことです。

「まだだよ……」

それは耳から聞こえてきたのではなく、直接頭の中に響くような声でした。

さすがにこれには飛び起きて、後席を含めて周りを見回しましたが誰もいません。

そしてやはり母からの手紙を震えながら取り出して、書かれていたお経を唱えました。

我が身を守る経とのことで、必ず自分の口で唱えないと効果がないと言っていました。

何処からか見られているような気配と視線は消えませんが、目は治ったようなので実家へ急ぎました。

実家の近くで母へ連絡すると、「家では対処出来ないので神崎さん宅へ行く」とのこと。
案内のため、待ち合わせ場所で兄が運転する車で来た母が私を見た途端、目を細くしてウン、ウンと大きく頷き

「よく我慢したね、でも思っていた通り大変だわコリャ」

と腕を組んで何かを覚悟する様子でした。

私はというと、安心したせいか恥ずかしいですが泣きそうでした。

母が案内するという神崎さんとは、地元ばかりではなく有名な霊能者です。

そちらへ行くと事情と段取りは母がしてくれていたようで、私を見た神崎さんはひと目で「大事に至る直前」だと一言、そして奥の部屋へ通されました。

その中での出来事(浄化)はあまり外に話さない方がいいよと言われています(私も体験していながら信じられない思いです)。

浄化が終わり、我に返った私の目からは止め処ない涙が溢れていました。

悲しい? 安心したから? いや、その両方共に違う意味の涙とか言いようがありません。
神崎さんによれば、生霊の念は私の上半身を覆ってしまう状態だったらしいです。

全身を包むまで恐らくあと二~三ヶ月だったろう、そうなったら手遅れかもねと言われました(手遅れって……)。

よく写真に写り込む白い霧(煙)は先祖の庇護系が多いが、赤は警告か危険、そして黒は怨みらしいです。

母には、私の後ろにピッタリと寄り添うように女性の姿が見えていたらしいです。

それは神崎さんからも同じように言われました。

その容姿を聞いて静子の写真を見せたところ、両人から「この人だね」です。

ただ、相手は生霊だけに根を絶たないと浄化した後も再び来るだろうとのこと。

終わってはいなかったのです。

夏期休暇を終えて再び上京してからは平穏な日々を送っていました。

それまで住んでいたアパートを引き払い、静子が知るはずもない町へと引越しました。

念のために新築に拘り、更に念を入れて神崎さんからいただいた正確な四方へ貼るお札も、方角を測ってから貼って備えました(ちなみに東西南北ではありません)。

そうしてから「根を絶つ」べく、以前住んでいた町の公衆電話から静子に連絡を取りました。

電話に出た静子は拍子抜けするくらい明るい調子で「元気そうで嬉しい」と言い、暫くは何気ない雑談をした後で肝心な話を(もし何か憶えがあるなら、もう止めてほしいと)した。

途端に静子の様子が電話越しに変わるのが分かりました。

そして、「……まだだよ」

とポツリ。

それは間違いなく帰郷の途中、停車した車の中で聞いた声でした。

背中に冷水を掛けられたような寒気が走り、ゾッとしました。

ただ、それから今まで変なことが起こることはありません。

神崎さんからいただいたお札(三年の間は一年毎に取り替えていました)が効いているのか、私から静子に話したことで静子に何かの心情の変化があったのかどうかは分かりませんが、本人に対して告げたことが効果が大きいと神崎さんに言われていました。

その後、帰郷の度に母から「もう感じない」と言われています。

(了)

 

獄・百物語 [ 平山夢明 ]

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