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【稲川淳二】東北の宿【ゆっくり朗読】150

      2021/05/21

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東京に本社のある食品会社の中堅社員で、

オダギリさんという人が、この春から店頭に並ぶ、新製品の下見と打ち合わせを兼ねてね、1月の半ば、冬真っ只中の東北へ、若手社員2人を連れて、出掛けて行ったわけだ。

で、部下に「あのな、この時季は、新鮮な魚で雪見酒、これはもう、最高だぞ!」なんてなこと言ってね、ご機嫌で行ったわけだ。

で、向こうに着くと、そのまま会社へ行った。

工場の下見をする。打ち合わせをする。全てみんな順調に終わった。

で、まぁ、帰りにはね、見本の商品だとか、つまみだとかの乾物なんか貰って、「じゃ、また後で、宿に伺いますから、ちょっと一杯行きましょうか」なんて約束して、「はい、じゃ、どうも!」って、ご機嫌で帰ってきた。

ま、宿に着くと、疲れもありますから、じゃ、って温泉につかった。

で、出てきて、じゃ軽く夕飯でもやっておこうって、食堂に行った。

ところが、どうした訳だか、まぁ仕事がうまくいって緊張がほぐれたせいでしょうかね、オダギリさん、なんとなく、熱ぽいんですよね。

体がダルい。

なんか頭が重いなぁ…風邪でも引いたかな?

そんなところへ、先程の取引先の方がやって来てね、

「どうも!お待たせしました。じゃ、行きましょうか、この先にね、ちょっと面白い店があるんですよ」

なんて言うんですが、オダギリさんは、

「いや~、私ね、普段だったら喜んで、そういう所に行きたいんですがね、なんか、どうもね、風邪でも引いたのかなぁ?、ちょっと熱ぽくってね、ダルいんですよ、スミマセンがね、この若手のふたり、連れて行ってくれませんか」って言ったの。

若手のふたり、それは、もう、嬉しそうにね、粉雪舞散る温泉街に飛び出して行ったわけだ。

さて、ひとり残ったオダギリさん、なんか具合いもあまり良くないし、やることも無いんで、じゃ、部屋に帰ろうか…って、部屋に向かって、廊下をヒッタ、ヒッタとスリッパ鳴らして引き上げた。

自分の部屋にやって来た。

若手の部屋とは、別なんですね。

襖を、ツーっと開けると、そこは、板の間になっている。

少し進んで、また、襖をツーっと開けると、和室になってる。

布団が敷いてあって、その傍らに、こたつがある。

こたつの上には、お茶のセットがお盆に乗って置いてある。

それと一緒に、さっき貰ってきた、新製品の見本とか、乾物のつまみがある。

さ~てなぁ、寝るにはまだ早いなぁ……

多分ふたりも帰って来たら、顔を出すだろう、じゃ、こたつに入って、待っているか…って、こたつに入った。

その内、なんとなく、少し横になろうかなって、ゴロンと横になった。

体がだんだん温まってくる、ぽかぽかしてきた。

外はシンシンと雪が降っているせいで、まったく音が聞こえない、シーンと、静まりかえっている。

オダギリさん、なんとなくふーっと目をつむった。

その内、眠ってしまったんですね。

どのくらいか経って、首筋に、ヒンヤリした風が吹き抜けていくんで、目を覚ました。

ううっ、寒いなぁ…なんだ、隙間風かなぁ?

ふーっと周りを見ると、入り口の襖が、少し開いている。

あれ、さっき閉めたのになぁ?

で、起き上がって、閉めに行きながら、そうだ、ついでだから、トイレ行こうと思ってね、ツーっと、襖を開けた。

あれ?

板の間の床、ポタ、ポタ、ポタ…滴の垂れた跡がある。

それが丁度、入口から和室に続いているんで、あ、そうか、あいつら雪の中、帰って来たんだな。

それで、こんな滴の跡があるんだな。

部屋開けたら、自分が寝ていたもんだから、それで、起こさず帰っていったのか……

そう思ってね、で、まぁ、トイレで用を足して戻ってきた。

さて、寝ようと思ったんですが、なんか、ちょっと体が冷えたんで、もう少し温まろうってね、で、またこたつに、ズーっと潜りこんで、横になった。

横になりながら、何か、噛じろうかなぁ、って思ってね、こたつの上にある、乾物のつまみでも探そうと、ふーっと手を伸ばして、指の先で探してたの、すると、不意に、ギュウッ!冷たい手で握られた。

ウワァ!って思って、慌てて引き抜いた。

なんだ?!

慌てて起き上がった。

ん?!

部屋の中、見渡しても、誰もいない、シーンと静まりかえっている。

でも、自分は今、確に氷の手のようなものに、ギュウッと握られた。

おい…なんだよ?、ヤダなぁ、気持ち悪いなぁ。

と思って周りを見る。

でも、なんにも居ない。

待てよ…目には見えないけど、この部屋には誰かが居て、そいつが、どこからか、自分をジーっと見ているじゃないか?

と思ったら、妙に怖くなってきたんで、オダギリさん、そのまんま、グウっと、こたつの中に、頭を突っ込んだ。

と、途端に、「ぎゃあぁぁ!!」と言う、オダギリさんの悲鳴が響き渡ったの。

こたつの中には、赤外線のランプが点いて、ちょうど向う側、白~い女の顔が、ジーッと、覗いていたというんですよね……

オダギリさん、そのまま失神したというんですがね、なんだったですかねぇ……

これには、後日談があって。

飲み屋から戻ってきた、若手2人が、オダギリさんの部屋に行ってみると、こたつに頭を入れて、ウンウン唸っている。

額に手を当ててみると、凄い熱だ!

こいつはいけねぇや、って病院へ担いで行くと、女が、女が…と、うわ言をいってる。

やがて、意識を取り戻したオダギリさんが、白い顔の女を見た!

と言うと、医者は、それは、あんた、熱にうなされて、幻覚を見たんだよって、取り合ってくれない。

オダギリさんは、いや、俺は確に見たんだ!っていうんですがね……

オダギリさんは、本当に見たんでしょうね……

私は信じますよ、ええっ。

(了)

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