【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

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アヤカちゃん

      2015/08/18

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クラスメートの藤原君がおかしいことに誰も突っ込まないのがいちばんおかしいと思う今日この頃。

俺は藤原君…正確には藤原君の彼女のヒロミちゃんに、女の子を紹介してもらうことになった。

やっと俺にも春が来ちゃった感じがしてかなり喜んでいたのだが、女の子が恥ずかしがってるらしく、藤原君とヒロミちゃんとその女の子と俺でカラオケということになった。

ヒロミちゃんはともかく藤原君は邪魔以外の何者でもない。そんなに俺の幸せが許せないのだろうか。

取りあえず俺たちは本陣駅の近くにあるカラオケに行った。

「アヤカです。よろしくね」

紹介してもらったアヤカちゃんはヒロミちゃんのクラスメートで、ガッキーみたいな清純そうな可愛い子だった。

しかも光栄なことに、アヤカちゃんがヒロミちゃんに俺を紹介してくれと頼んだそうだ。幸せすぎる。

「取りあえず曲入れよか。佐倉から入れえな」

ヒロミちゃんが何故かやたら不機嫌な様子だが、俺がミスチルを歌うとアヤカちゃんは可愛く拍手してくれた。

藤原君が中森明菜の曲を歌っててホラーぽくてキモかったが、アヤカちゃんが可愛くて気にせずに済んだ。

そしてしばらく歌って、メシでも注文しようかってなったとき。

「ね、ヒロちゃんの彼氏さんは霊感強いんだよね?」

と、アヤカちゃんが言い出した。

ヒロミちゃんは相変わらず不機嫌そうにうなずくだけだった。

「ねえねえ、アヤカもねー、見えるときあるよ?女の子とか!」

「そう。なら佐倉はやめといたほうがいいんじゃない?コイツよく呼び寄せるし、腰抜けだから逃げるよ。 チェリーでビビりの寄付け屋とかキモいよね」

チェリーは激しく余計な気がする。しかも藤原君のがキモいと思う。

しかしアヤカちゃんは、

「えー?じゃあアヤカが佐倉くん守ってあげる!まかせて!」

と、またしても可愛いことを言ってくれた。

そしてアヤカちゃんがトイレに立つ。すると、

「だあー!!もう!!あいつめっちゃくちゃうっといんやけど!!何あのキャラ!さぶイボ出るわ!」

と、ヒロミちゃんが叫び出した。

あまりの態度の変わり方にビビった俺だが、藤原君もヒロミちゃんにうなずく。

「え、なんで?てかヒロミちゃんの友達じゃ」

「ちゃうわボケ!普段仲良くもないのに、無理矢理佐倉紹介せえて言うてきたんや!
 あいつ男遊び激しいしあたしは嫌やったけど、圭輔が…」

「僕が呼べって言ったんだよ。佐倉がいつまでも名前通りにサクランボじゃ可哀相だし、それに…」

藤原君がニタリと笑う。その瞬間、悲鳴が聞こえた。

部屋にいたのに悲鳴が聞こえたのが今も不思議だが、直感でアヤカちゃんだと思った。

俺たちは女子トイレに走った。

取りあえずヒロミちゃんが中に入る。するとすぐに俺と藤原君も呼ばれた。

「どうしたの!アヤカちゃん!?」

アヤカちゃんはガタガタ震えて座り込んでいて何も言わなかった。

俺は意味がわからず周りを見渡した。

そして、それに気付いた。

「うぎゃあああ!!」

みっともない悲鳴をあげて尻餅をつく。鏡に、女が写っていた。

ちょうどアヤカちゃんの座り込んでいる真後ろあたり。

もちろん実際には何もいない。鏡にだけ映っている女。

真っ白な腕に、黒髪。ひび割れたような肌に、貞子みたいにひどくうなだれて。

「な、な、何あれ」

ゆっくりゆっくり、鏡の中の女が顔を上げようとした。

そのとき、

「あはははははははははははははははははははははははひゃはははははははははははははははは!」

アヤカちゃんが笑い出した。

気持ち悪い、アヤカちゃんとは思えない笑い方だった。

そしてその場に嘔吐してアヤカちゃんは意識を失った。

女はもう映っていない。

「真っ逆さーまーに…墜ちてdesire…」

藤原君がさも楽しそうに小さな声で歌っていた。

こんなときに、そんな歌うたうとか神経疑う。

俺は腰が抜けて立てないまま、藤原君を見た。

「残念だったね佐倉。女が見えるのはホントみたいだけど、守ってあげるってのは嘘みたいだよ」

藤原君はクスクス笑った。

ヒロミちゃんはアヤカちゃんをビンタして無理矢理起こすと、顔を表せて駅まで送りに行った。

俺はもうなんの気力も無く、藤原君と部屋に戻ろうとした。

すると藤原君が、

「ああ佐倉、女子トイレのドア閉めた?」

と声を掛けて来た。

ああ、どうだったかなと俺は振り向く。するとそこには、さっきの女が、立っていた。

その後のことはよく覚えていない。

俺は無我夢中で走ってカラオケを出て、家に帰った。

アヤカちゃんともそれっきりだ。藤原君と付き合っている限り、幸せにはなれない気がした。

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 - 藤原君シリーズ

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