【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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絵馬の秘密

      2016/12/19

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俺は便利屋業をしてるんだけど、この間じつに奇妙なことがあったんで書いてみるよ。

881 : 本当にあった怖い名無し : 2013/08/31(土) 02:00:36.90 ID:SQcP6dzz0

便利屋といっても俺が所属してるのはけっこうな大手で、担当はネット・パソコン関係全般。

引っ越しでのインターネット接続やマルウエアの駆除といった簡単なことから、アクセス解析やデータ修復などの、やや面倒なことまで何でもこなす。

どこか教えてはもらえなかったが、某所から依頼があって、約一ヶ月派遣のような形で仕事をした。

で、俺と年下の同僚と二人で一戸建ての貸事務所のようなところに連れて行かれ、一室を与えられた。

部屋にはデスクトップが二台あって、百枚ほどの絵馬が運び込まれている。

かなり違和感があったが、担当者の説明でどうやら何かを検索する仕事だとわかった。

…ふつう絵馬というのは、出している神社の名前がどこかに書かれているもんだけど、その部分が黒く焼かれたり、削られていたりしてわからなくなってる。

大きさや屋根のところの形なんかが違ってるんで、複数の神社のが混ざってるんだと思った。

共通してる点は、一年以内のものであることと、すべて奉納した人の実名がしるされていること、それから書かれている願い事の内容が、何というか、とうてい神様が聞いてはくれないだろうと思われる身勝手なものであることだ。

例えば

『不倫相手の妻が早く死んで、自分が晴れて結婚できますように』

とか

『夫がどうかこの世から消えてくれますように』

とか、そういうやつばかり。

中には写真が入っているものや、赤ボールペンで細かくびっしり書き込まれたのもあって、嫉妬や憎悪が立ち上ってくるようで、見てるだけで嫌な気持ちになる。

仕事はというと、これらに書かれている実名や住所を手がかりに、ネットを使って願いがかなったもの、かなわなかったもの、わからなかったものに仕分けするという内容だ。

これは検索のセンスもあるだろうが実に難しい話で、八割がた以上が『わからない』になってしまう。

残りもほとんどが『かなわなかった』になるのは当然だと思うが、それでも一日に数枚、『かなった』に分類されるものがあった。

つまり『死んでほしい』と書かれている人と住所や名前の一致する死亡報告を見つけた、なんて例だ。

なぜこんなことをするのかまったくわからないまま、同僚とだべったりしながら仕事を進めた。

九時から五時までで、昼休みには外に出て飯が食える。

部屋には飲み物もあったし、成果に苦情を言われることもなかったから、絵馬に書かれてることで気が滅入るのをのぞけば、楽といえる内容だった。

事務所には俺ら以外にも数人いるようで、顔を合わせれば話などもするが、他の部屋には入らせてもらえなかったな。

仕分けした絵馬はそれぞれ木箱に入れておくと、翌朝には新しいのにかわっている。

あと、箱の中につねに少量のおがくずが落ちているようになった。

もしかしたらこの絵馬を加工しているのかもしれない。

仕事を始めてから体調が悪くなった。

俺は独身で毎晩焼酎を飲んでたんだが、一口飲むとむせるようになり、吐き気がしてくる。飯もほとんど食えない。

それに夜更かしするほうだったんだが、十時ころになるとストンと落ちるように寝てしまう。

しかもまったく夢を見ないんで、寝て数秒後に朝がきてしまうという感じなんだ。

トイレにも起きない。恥ずかしい話だが、朝起きると寝小便してしまっていたことが二度あった。子どものころでさえなかったのに。

昼、同僚と飯を食いにいっても軽いものしか受けつけないんでソバとかになる。

俺と同じように食が進んでない同僚と話をしたら、家ではほとんど俺と同じ状態だということがわかった。

で、この仕事の間、俺らはどんどん痩せていった。

その他にも奇妙なことがあって、出退勤の電車の中などで馬のいななきが聞こえてくる。

競馬をやるんで馬の声は知ってるが、それとはまた違った大きな音が耳元近くでする。

俺は思わずビクッとしてしまうが、他の乗客の様子に変わったところはないので、俺だけに聞こえる幻聴なんだと思う。

同僚にこの話をしたら、最初は聞こえませんよと言ってたが、数日したら、自分にも聞こえるようになりました、に変わった。

 

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しかもどうやら俺よりも回数は多く聞いているらしかった。

あと二日で契約の期間が終わるという段階で、俺は5kg減くらいだったが、同僚の場合は10kg以上体重が減っているかもしれず、頬がこけて別人のようになっていた。

たまに本社に顔を出すと、俺らの変わりようにみんな驚いた。

最後の日に担当者らしい若い人が出てきて

「ご苦労様でした」と言って封筒に入った金を渡そうとした。

「給料が出ていますので」

と、一応は断ったが、「大変だったでしょうから」

と押しつけてくるんで、同僚と目配せして、もらっておくことにした。

そのとき担当者が「どちらかに届けてもらうんですから」と歌うようにつぶやいた。

俺らがけげんな顔をしていると、笑いながら頭を下げた。

この仕事が終わったとたんに体調がもとに戻った。

封筒には二〇万円入ってたんで、いくらかを競馬の元手にしたらバカヅキ状態になった。

寝てから夢も見るようになった。

この仕事が終わって二日後の夜、その同僚が木でできた馬に乗って空を飛んでいる夢を見た。

ものすごく真剣な表情で、小脇に紙束をかかえ手綱も持たずに前を見ていた。

声をかけようとしたが、あっという間に遠ざかってしまった。

次の日同僚は予定されていた場所に出社してこず、連絡もつかなかった。

夕方に上司が独身アパートを訪ねてみたら、部屋の鍵が開いていて、入ってみると布団の上に同僚が立膝のまま前にのめるように倒れていた。

目がかっと見開かれていたんで、ただ事ではないと思い救急車を呼んだが、昨晩のうちに亡くなっていたということだった。

(了)

 

家相方位・招福秘話 全2巻/浜崎洋至

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