【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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恵比寿心霊アパート

      2018/09/24

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今から十一年前、仕事で東京に一年近く暮らしてた時の話。

37 :本当にあった怖い名無し:2009/08/04(火) 14:27:29 ID:SIW1m7640

恵比寿駅から徒歩五分ほどの場所で、うろ覚えだが五~六階建てのアパートだった。

一階にはクリーニング屋。通りを挟んで斜め前に不動産屋があり、その不動産屋がアパートの管理者だった。

築十年以上はたってるだろうか、一フロア四戸で周りは雑居ビルで囲まれ、狭苦しく、暗いというのが第一印象だった。

不動産屋の担当者に通されたのは三階の一室。1LDKでユニットバス付。

玄関から六畳程のダイニングキッチンを突っ切って、すりガラスのしょうじで仕切られた六畳程のリビングが俺の部屋となった。

家賃が月二〇万。地方の田舎者の俺には信じられない額だ。

まぁ、会社が払うんだから関係ないんだが……

と思いながらも、そこで会社の上司との共同生活を送ることになった。

私事だが、この上司ってやつが超がつくほど嫌な奴で部下を何人もやめさせた事で有名だった。

慣れない都会生活+上司のイビリがストレスに感じてきた四ヶ月ぐらいたったある夜のこと

いつもの様に丸めた布団を壁際に押しやって、背中をあずけマンガを読みふけっていた。

ふと耳をすますと、表の車の往来の音に混じって、微かだが赤ん坊の泣き声が聴こえる。

布団を押しやった壁がコンクリートの壁にクロスを貼ってたんだが、どうやらこの壁から聴こえる。

耳を壁に当てると、よりはっきりと聴こえた。

あぁ……隣りの住人か……赤ん坊の夜泣きだな……ぐらいにしか思わなかった。

猫のサカリの声かとも思ったが、正直どうでもよかった。

隣りの住人がどんな人かも知らないし、そもそも住んでいるかどうかも興味はなかった。

その日をさかいに、たびたび赤ん坊の泣き声を聴くこととなる。

ある休みの日の事。

買い物からアパートに帰ったら、隣りの部屋の玄関扉が開いていた。

興味本位で廊下から中を覗いてみたら、玄関には黒い革靴が一足。

それ以外はガランとしてた。ふと中から、不動産屋の担当者が顔を見せた。

「こんにちは」

まぁ一応お世話になってるのと覗いていた後ろめたさもあって、あいさつをした。

「あぁ、こんにちは」

靴を履きながら担当者もあいさつを返してきた。

「お隣さん引越しされたんですね?」

玄関先とはいえガランとしてたからそう思った。

俺は六時にはアパートを出て、帰宅は夜の十時過ぎという生活をしていたので、俺が仕事に行ってる間に引越ししててもわかんねぇわな……思っていたが、担当者は

「えぇ、来週の土日に引越しされます」なんて言ってる。

どうも話しが噛み合わない。

よくよく話しを聞いてみたら、いままで空き部屋だったが入居者が決まったので、来週引越しに来るとの事。

?じゃあ、赤ん坊の声は?コンクリートの壁を伝わって下か上の住人が?

なんて思ってたが担当者が

「じゃあ、これで……」

と言いながらその場を離れ様としたので、呼び止めて

「このアパートに赤ん坊のいる住人さんいますか?」ってたずねた。

担当者は少し考えた後

「……さぁ……私は、わかりませんね~。他の担当者なら知ってるかもしれませんが……」

と、釈然としないまま、お互いあいさつを交わしその場を離れた。

東京に来て十一ヶ月たった頃には、上司のイビリで精神的にもピークがきてた。

仕事も大詰めを迎えていて、帰宅が午前三時なんて日が続いたり、徹夜なんてザラだった。

そんなこんなで、嫌になっていた俺は三日間無断欠勤をした。

気分はすでに地元に帰る気満々。

四日目に仕事場に行き、地元の会社に連絡。

会社の課長はウダウダ言っていたが、聞く耳はない。

仕事場の上司に

「じゃあ、今から帰りますんで……もう二度とココには戻りません!」

って言ってやった。

すると上司は

「お前がココで失敗して損失した分を責任かぶるのは上司である俺だ。それじゃ不公平だろ?お前にも責任をかぶってもらわんとなぁ……帰る前に一〇万円をアパートのテーブルの上に置いていけ!少しは誠意をみせてみろ!!」

なんて言いやがった。

まぁ確かに、ココで失敗して出した損失は三〇~四〇万ぐらいになる。それに比べたら十万なんて安い方だ。

速攻で銀行に行き、十万+帰りの電車賃+土産代を下ろしてアパートに帰る。

金の入った封筒をテーブルの上に置き、荷造りをした。

ダンボール五箱分を郵送して、俺自身、身軽になった。

アパートの鍵をかけ、鍵を玄関扉の郵便ポストに放りこんだ。

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すがすがしい気持ちで恵比寿駅へ向った。

時間は十一時頃。今日の最終の新幹線に乗ればいいんだからそれまで最後の東京観光してもいいなぁ……なんて思ってた。

緑の窓口に行き、切符を手配。金を払う時に気が付いた。

……やべぇ、金アパートに忘れた。

それからアパートまで全力疾走。もうすぐ十二時になる。

上司は、たまに昼休みにアパートに帰る時がある。

マズイ!それだけはマズイ!!あれだけ啖呵きったんだ。顔を合わせるのはマズイ!!

三階の部屋の前まできて愕然とする。

鍵を玄関ポストに放り込んだんだった!やべぇ!手が入らねぇぇ!

どうしても手首より先に入らない。

必死で考えた。

不動産屋だ!不動産屋に行けば、鍵があるはず!ダッシュで階段を駆け下り、斜め前の不動産屋に飛び込む。

「三階の〇〇ですけど、鍵を忘れてしまって……あの……鍵、貸してもらえませんか?」

だけど不動産屋は、担当者が鍵を持って食事に出ていて一時まで帰って来ないと言う。

昼飯早えーし!!と突っ込んでみても一時までは待ってられない!上司が帰って来るかもしれない!

さすがに焦った。

ふと、ココからアパートを見る。

クリーニング屋の看板。

「……そうだ!ハンガーだ!針金のハンガーを真っすぐに伸ばして引っ掛けよう!!」

考え自体は幼稚だったが、その時はそれが最善だと思った。

すぐにクリーニング屋へ……事情を話しハンガーをもらった。

時計を見ると11:45頃。時間がない!すぐさま三階に駆け上がる。

ハンガーを真っすぐにして先のフックを玄関扉のポストに差し込む。

玄関扉はスチール製で、形は昔の市営団地を想像してもらえばわかると思う。

やや中心より下にポストの差し込み口があり、内側(部屋側)は受けの箱が格子状になっている。

差込口から中の鍵までは、目視できない。

角度的に、どーしても格子の隙間から玄関の床タイルしか見えなかった。

それでもハンガーの先を手探りで鍵に合わせ様とする。

ガチャガチャと音はするものの、手ごたえは感じられない。

くそっ!どーなってんだ?

あせりがピークに達した時、チャカっと手ごたえが!

「!?やった?とれたか?」

あわてない様に慎重に引きぬく。

鍵がそろそろ見えるくらいの時、確認のためポストを覗いた、その時だった。

!!えぇっ??

格子のすきまから玄関タイルが見える……

が、そこを何かが横切った!一瞬の事だったが……赤ん坊?に見えた。

ぷっくりとした右足と右横腹。ハイハイをしている赤ん坊を想像した。

……いやいやいや……ありえんやろ?

ためらいはしたが、時間もないし、金も惜しい。

意を決して鍵を抜き取り、鍵を開けた。

スチール製の扉は、重そうな音をたてながらゆっくりと開いた。

恐る恐る半分逃げ腰で中を覗く。

大丈夫だ。何もいない……

内心ホッとして、勢いにまかせて扉を開き、中に入った。

ダイニングのテーブルの上の封筒を確認する。

靴を脱ぐのもそこそこに半分土足ぎみにテーブルに駆け寄る。

封筒を手に取り中を開く。

あった。よかったぁ。

あるのは当たり前なのだが、この時はなぜか安心した。

十万を封筒に残し、残りの金をサイフにしまう。

……これで忘れ物はないな……

と思って何気に自分の部屋の方を見た。

「!うわっ?!」

腰が抜けそうになった。

俺がさっき部屋を出た時にすりガラスしょうじを閉めてたんだけど、そのガラス越しに誰かが立っている。

いや、正確には、白い人型が立っていた。

輪郭からして背丈は百五十~百六十ぐらい。

体部分?は白い服っぽい。頭部分と思われる所は輪郭があやふやだが、黒髪で長いのか短いのかわからない。それが俺の部屋の窓からの光でボヤァと浮かびあがってる。

頭がパニックになりかけてた矢先、右足の甲を何かに踏まれた。

例えるなら、犬か猫が踏んだ様なグニュとした柔らかいけど重みを感じる様な感じ。

「ホヒャッ!!」変なおたけびを上げて跳び上がった。

すぐにテーブルの下に目線がいく。

赤ん坊だった。今度は、はっきりと見た。

裸の赤ん坊がハイハイしている。色白の肌、生えそろってない髪の毛、

顔は下を向いていたので見れない。キャッキャ言ってる。

完全にパニックだった。赤ん坊から目が離せなかった。

恐怖で体も動かせなかった……と、その時、「ガタッ、ガタタ」と音がした!瞬間的にガラスしょうじに目線を向けた。

俺の部屋にいた何かが、しょうじを開けようとしていた。

二~三センチ空いたすきまから白い指を覗かせていた。

全身に鳥肌がたって、本能が”逃げろ!!”と叫んでいた!

「うぅぅぅぅわゎぁぁぁぁあぁぁっぁっぁあ!!!!!」

ありったけの声を絞り出し、玄関扉をはね飛ばし、階段を駆け下りた。

後ろを振り返る余裕もない。全力疾走だった。

前の道路を信号無視で横断し、不動産屋に逃げ込んだ。

不動産屋の従業員の姿を見るなり、まくし立てた。

「なんなんだよあの部屋はぁーー!!幽霊出るじゃねーかーー!!てめぇどーゆーことか説明しろこの野郎ぉ!」

胸倉をつかんで壁に押し付けた。今思えば従業員も驚いただろう。顔面蒼白だったであろう俺から胸倉をつかまれて泣きそうな顔になっていた。

この騒ぎで奥の事務所にいた不動産屋の社長が出てきた。

どうしたんですか?という声に社長に向き直って今体験した出来事をまくし立てた。

全てを話し、少し落ち着いた俺は、あのアパートで何があったのか社長から聞いた。

十年程前、アパートが新築して一年半たった時に、若い夫婦が引っ越してきたそうだ。

ほどなくしてその夫婦に子供が生まれた。

だが、しばらくして旦那が事故で亡くなり、奥さんが一人で子供を育てていたんだが、育児ノイローゼか、旦那の死がショックだったのかわからないが、一歳にも満たない赤ん坊と共に餓死して死んだそうだ。

旦那の保険金も入っていて家賃も滞納してないのに、餓死で死ぬなんてありえないんだけど……と。

俺は頭にきた!

「なんでそんないわく付きの部屋を貸すんだ!!説明もなしにひどいだろうが!!」

「……二年程前にお祓いをしてそれ以降、現れなかったんです」

と社長は、いいわけにもならない事を言う。

あきれて言葉が言えなかった。

だが落ち着いて考えてみれば、俺は今日地元に帰るんだし、二度とあの部屋には行かない。

あの部屋に帰るのは……そう、あの憎い上司だけ……

ざまぁみろ、呪い殺されてしまえ。

その時は、本気でそう思った。

俺は社長に、この事は誰にも、上司にも話さないでくれと念を押し、部屋の鍵を渡した。
「鍵がかかってないんで、オタク達でかけてください。鍵は俺の上司に連絡して俺から受け取ったと報告しといてください」

と伝えて不動産屋を出ようとした。

扉を開ける時に社長がひとり言の様につぶやいた。

「……でも……おかしんですよね~……出るのは三階じゃなくて四階なんですけどね~……」

「……じゃあ……アパート全体にお祓いをした方がいいですよ……」

俺は、そう言って外へ出た。

地元に帰った次の日、会社に出勤して課長に事の顛末を話し(恐怖体験は言ってない)十万は後日、返してもらった。

……ちなみにその後の上司は……

会社で俺の斜め前の席で元気に仕事をしている。

(了)

 

ふたり怪談(4) [ 平山夢明 ]

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