【厳選】 怪談・都市伝説・怖い話まとめ

ネットで見つけた、都市伝説・怪談・ほんとにあった怖い話・世にも奇妙な物語・心霊系・不思議系・電波系・オカルト系のお話シリーズです♪

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怪奇キャンプ

   

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夏休みちょっと前くらいの事、俺と友人の晴彦と守夫とで、夏休み中にN県の山奥へキャンプへ行こうと計画を話してた。

するとそれを聞いていた留学生二人が、「一緒に連れて行って欲しい」と声をかけてきた。

その二人は俺達とゼミが一緒だったのだが、特に親しく会話した事も無く、仲が良くも悪くもなかったため、なんで?とみな疑問に思ったが、まあ断る理由も無いためOKする事にした。

当日、今までその留学生二人、スーラジとアジャイと殆ど話をした事が無かったため、この機会にと話してみると、二人とも少しナルシストっぽいところと、自己中なところはあったが、まあ普通なやつだった。

少なくとも、その時の俺はそう感じた。

他愛も無い話を続けてながら電車にゆられ、途中からバスに乗り換えキャンプ場に着いたのだが、時期が時期であったため、家族連れやら俺達と同じような学生やらで、キャンプ場がごった返している。

晴彦「ここでキャンプするのか?なんか、ゆったりとか、のんびりとか、全くできなさそうだぞ?」

俺「そうだな。なんかトイレや流し場なんか、順番待ちの行列になりそうだな……」

すると、会話に加わらず地図とにらめっこしていた守夫が、こんな事を言い出した。

「この先2km奥に、砂防ダムがあるっぽいんだが、そこが結構開けていて、キャンプできそうだぞ。そっち行かね?」

留学生二人も、ここまで来てこんな混雑は嫌らしく、俺と晴彦も同意見なので、迷わず守夫の意見に賛成した。

幸いキャンプ道具や守夫守夫Q用の道具は持参しているので、何も無い場所でも問題なくキャンプは出来る。

むしろ、人工的に作られたキャンプ場より、そっちのほうが良いんじゃないかとも思えてくる。

俺達は荷物をもって山道を進んでいったのだが、山道と言うものを少し甘く見ていた。

当初の目的地のキャンプ場に着いたのは昼頃だったのだが、砂防ダムに着く頃には午後三時を過ぎていて、疲れていたが、早々にテントの設置と、晩飯の準備を始めないといけなかった。

俺と晴彦は、テントの設置と晩飯用のかまどなどの準備。守夫とスーラジ、アジャイは、薪拾いにと、2手に分かれて作業をする事に。俺と晴彦は、黙々と作業をし始めた。

守夫とスーラジ、アジャイは、何往復か薪をもってやってきて、次で最後かな?と考えていたが、いくら待っても三人が戻ってこない。

時間は手際が悪かったのと遊びながらだったため、予想以上にかかってしまい、もう六時を過ぎている。

そろそろ暗くなるし、早く戻ってきてくれないかな……

などと考えていると、林の中から口論のような声が聞こえてくる。

暫らく俺と晴彦がそれに耳を傾けていると、守夫とスーラジ、アジャイが口げんかをしながら帰ってきた。

何かスーラジと留学生二人の間に、険悪な雰囲気が漂っている。

俺と晴彦は、こんなところまで来て喧嘩をしたくないため、まあまあと三人をなだめ、ひとまず平和に晩飯を済ませ、いまだぶちぶち文句を言っているスーラジ、アジャイをテントに押し込めると、俺と晴彦は別のテントの中で守夫から事情を聞いてみた。

以下守夫の話

三回目の薪拾いをしていると、留学生の片割れのアジャイが、川の上流の岩場の先に洞窟をみつけたらしい。(洞窟というより、人口的な洞穴っぽかったらしい)

三人がその洞窟の中に入っていくと、10メートルほど奥に、ボロい小さな祠があったらしい。

守夫は何かその祠から嫌な感じがしたため、早急に立ち去りたかったらしいが、留学生二人は大興奮していて、守夫の制止を一切聞かずに祠の扉を開けてしまった。

守夫「おい、やめろよ、こういう場所は意味があるんだ、余計な事するなよ」

スーラジ「別にいいだろ、誰も見て無いし」

アジャイ「ビビってるのか?」

スーラジとアジャイは、完全に守夫をバカにしていたらしい。

そして、扉を開けたスーラジが何かを見つけた。

それは半透明の茶褐色で、一見すると琥珀っぽい石のようなものだった。

守夫はその石を見たときに、何か言い知れない不安感を感じたらしく、とにかくその石を置いて、洞穴から出て行かないといけないと感じたらしい。

そして口論となった。

守夫「それはこの祠の物だろ?さっさと元に戻してもどろう」

アジャイ「俺達が見つけたんだから俺達のものだろ」

スーラジ「こんなところに無用心にあるんだから、捨ててあるのと同じだろ。俺達が貰っても問題ないはずだ」

守夫「誰のものとかそうじゃなくて、それはそこに安置してあるものなんだから、勝手に持ち出しちゃだめだろ!」

スーラジ・ジャイ「誰がそんな事決めたんだよ!」

守夫「祠があるってことは、誰かがここを管理してるって事だろ!人のものじゃないか。さっさと戻せよ!」

スーラジ・アジャイ「大事な物なら鍵くらいするだろ。無いなら捨ててあるのと同じだ!だから俺達の物だ!」

守夫が何を言ってもスーラジ、アジャイは言う事を聞かず、最後には顔を真っ赤にして激怒し始め、そのまま口論をしながらもどって来て、今に至るらしい。

俺と晴彦がスーラジ、アジャイの非常識さに呆れていると、守夫はこう言い出した。

「実はさ、あの祠の扉。何か御札みたいなのが貼ってあったんだ……スーラジはその御札を破いて扉を開けていた。あれは絶対何かヤバイものだって……」

守夫が真顔でそう話すのを聞いてしまったためか、俺は何か不気味な視線がこちらを覗いているような気がしてきて、急に寒気がしてきた。

晴彦も同じように感じたらしく、押し黙っている。

すると、外でスーラジとアジャイが騒ぐ声がする。

どうやら二人は、俺達はほっといて外で酒盛りを始めたらしい。

俺達三人はそこに加わる気にもなれず、留学生二人に

「もう寝るから少しはなれたところでやってくれ」

と伝えると、テントに入って寝る事にした。

その時、スーラジとアジャイどちらか知らないが、ボソっとそいつらの国の言葉で、俺達をバカにするような言葉を吐いたのを良く覚えている。

発音のニュアンスと表情でそれがわかった。

真夜中、俺は何かの物音で目を覚ました。

テント近くの広場を、誰かが歩く音がする。

始めは、誰かションベンでも行ってるのか?と思ったが、何か様子がおかしい。

足音は2つのテントを中心に、広場をぐるぐる回っているようで、止まる気配が無いうえに、それどころかどうも、段々と足音の人数が増えている。

スーラジとアジャイが何かしているのかとも思ったが、足音から察するに、人数は少なくとも5~6人はいる。

それと何か良く解らないが、妙な違和感もあった。

俺はただ事では無いと思い、横で寝ている晴彦と守夫を起こす事にした。

晴彦と守夫ははじめ寝ぼけていたが、外の様子がおかしい事に気付くと目がさえたらしく、聞き耳を立て始めた。

暫らく聞き耳を立てていると、

守夫「何かおかしくないか?」

俺「どう考えても今の状況はおかしいだろ」

守夫「いや、そうじゃなくて……」

晴彦「じゃあなんだよ……」

そこで俺は、違和感の正体に気が付いた。

俺達がテントを張っている場所は、開けているとはいえそこまで広くはない。広さは畳十五畳ほどだろうか。

その周囲を大回りに歩けば、普通は草のすれる音や、すぐ横にある川に入って水しぶきをあげる音がしないといけない。

でもそんな音は全くしない。ただ地面を歩く音しか聞こえない。

晴彦もそれに気付いたらしく、暫らく三人とも沈黙していた。

俺「……やっぱ原因は、守夫の言ってた石のせいだよな?」

晴彦「……だよな」

俺達は外に出て何が起きているのかを確認する勇気もなく、そのまま寝る事も出来ずじっとしていた。

するとどれくらいの時間が経ったか解らないが、足音がしなくなった。

暫らくの沈黙後、俺が外に出て確認しようかと二人に話している時に、隣のテントから、留学生二人の物凄い悲鳴が聞こえてきた。

何と表現したら良いのか、言葉で表現できない悲鳴だった。

俺達が声に驚いてビクッとなっていると、悲鳴に続いて隣のテントで何かが揉みあうような音と、二人が何か懇願するような声を挙げている。

俺達は流石にまずいと思い、三人で目配せすると、勇気を振り絞って懐中電灯を片手にテントの外に出た。

外の様子をみたとき、そこで絶句して固まってしまった。

隣のテントから二人は引きずり出されおり、二人は地面に頭を抱えてうずくまり、彼らの国言葉でなにか叫んでいる。

異様なのはその周囲で、二人の周囲には、ボロボロの服を着た青白い顔の人々が十数人群がり、無言で留学生二人の体に、何か黒っぽいものをを塗りたくっている。

そのボロボロの服を着た人たちは、暫くその行為をし続けていたが、不意にそれを止めると、一斉にこちらを振り向いた。

その後の記憶は俺達にはない。

気が付いたら朝になっていて、俺と晴彦と守夫は、自分達のテントに寄りかかるような形で気を失っていた。

気を失う前、スーラジとアジャイに群がる人たちの顔を見たはずなのだが、俺達三人には、どんな顔をしていたのか全く思い出せなかった。

留学生二人は生きていたが、その姿は異様だった。

体全体に黒い液体を塗りたくられたらしく真っ黒で、塗りたくられていた黒い物は既に乾いていたが、生臭い臭いがしており、とても近付けないほど臭い。

とにかく二人には川で体を洗うように言うと、がたがた震えて泣きながら体と服を洗っていた。

俺達はテントをその間に片付け、二人に「石はどうなったか?」と聞いた。

するとスーラジが自分のリュックを指差したため、中を見てみると、タオルに包まれた石が入っていた。

とにかくこれを返しに行き、謝罪しようと守夫が言った。

しかし、彼らの反応は酷かった。

アジャイ「行くならお前達で行けよ」

スーラジ「お前達がここに連れてこなければ、こんな事にはならなかった。お前達のせいだ!」

晴彦「ふざけんな!お前らが守夫の言う事聞かずに、石をもってきたからこんな事になったんだろ!」

俺「そうだ。お前らが原因なんだから、石を返して謝罪するのは当たり前だろ」

スーラジとアジャイはなおも食い下がり、頑なに石を返しに行くのを拒否し、顔を真っ赤にして激怒しながら、俺達に殴りかからんばかりに「お前達のせいだ」と叫び続けた。

すると、それを黙ってみていた守夫が、

「もういいよ。ならスーラジとアジャイは勝手にしろよ。俺達で返しに行くから」

呆れたように言うと、一人で石をもって川の上流へ向かったため、俺と晴彦は仕方なく口論をやめて、守夫についていく事にした。

スーラジとアジャイはその間に、自分達の荷物をまとめて帰ったらしい。

守夫についてくと洞穴があった。

確かに守夫の言っていたように、何か雰囲気がおかしい。

ここだけ空気が違うというか、言葉ではうまく言い表せないが、とにかく妙な気配のする洞穴だった。

俺達は昨晩のこともあったため怖かったが、このままにしておけないため、洞穴の奥に進み石を祠に戻した。

祠の近くに破れた御札が落ちていたので、それで効果があるのかは分からなかったが、やらないよりはマシだろうと、もってきていたガムテープで、御札を可能な限り原型にもどるように張り合わせて、元あった祠の扉に貼り付け、三人で手を合わせて謝罪して、帰路についた。

俺達には、直接的には何も無い。

夏休みが終わり、九月になって大学へ行くと、留学生二人が守夫に「お前のせいだ!」と殴りかかってきた事と、その他諸々間接的に色々と事件が起きたが、結論を書くと、留学生二人は最終的に学校を自主退学し帰国した。

その後、二人がどうなったのかは知らない。

一つだけ言えることは、「あれだけでは済まなかった」という事。

そして結局、祠とその中の石が何だったのかは分からなかった。

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後日談

ちなみに、『直接的には何も無かった』『間接的に色々あった』というのは、実害がなかっただけで、俺と晴彦、守夫にも、その後怪奇現象というか何と言うか、恐ろしい体験はしました。

キャンプからもどってから数週間、その間は特に何も無く、課題をこなしたりレポートをしたり、バイトをしたり遊びまわったりと、平和な日々が続いていた。

最初に説明しておくと、俺は学生専用のアパートに住んでいて、晴彦と守夫も同じアパートの住人。

事件から一ヶ月くらいたった夏休みの終わり頃、昼過ぎに守夫と晴彦が俺の部屋を訪れ、ゲームをしたり漫画を読んだりとゴロゴロしていると、小池さんが俺の部屋へやってきた。

ドアを開けると、小池さんが

「何やってるのか知らないけど、うるさいんだけど」

と文句を言ってきた。

「そんなに大音量でやってるつもりなかったけど、ゲームの音うるさかった?それとも声がうるさかった?」

「いや、そうじゃなくて。さっきからお前ら、部屋の中を大人数でバタバタ歩き回って、何してるんだよ」

「別にバタバタ歩き回ったりしてないんだが……ずっとゲームやってたし……まあ気になったならすまん。静かにする」

それで小池さんは帰ったんだが、何か変だな?とは思いながら、晴彦と守夫には、

「下から苦情が来たのでちょっと静かにしよう」

と言っておいた。

30分くらいすると、また部屋のチャイムが鳴った。

出るとまた小池さんで、今度はかなり怒っている。

「お前らいい加減にしろよ。バタバタ歩き回ったり、ブツブツなんか聞こえてきてウザイんだけど。こっちはレポート纏めてる最中なのに、集中できないんだけど」

窓締め切ってかなり静かにしていたのに、こういわれて何か釈然としないが、まあもめるのも嫌なのでこう返した。

「そりゃ悪かった。注意してたつもりなんだけど、まあいいや。俺達これから出かける事にするわ。それなら問題ないだろ?」

そもそもこのアパートは結構新しく、そんなに音が響くわけ無いし、最初に注意されたとき以来、かなり静かにしていたのに、理不尽だなと思いながら、晴彦と守夫に事情を話して、でかけようと切り出した。

今から考えると、今まで結構騒いでもどこからも苦情がなかったので、この時に変だと気付くべきだったかもしれない。

時間は午後二時頃。
とりあえずゲーセンとかに行って、暇つぶしでもしようということになり、俺達はアパートを出た。

それからゲーセン行ったり買い物したりと時間をつぶし、ファミレスで晩飯を食っていると、今度はアパートの管理会社から、俺の携帯に電話があった。

「……実はそちらの部屋がうるさいと苦情がありまして、お伺いしたのですが、ご不在のようなのでお電話しました」

「ああ苦情来たので、昼過ぎから出かけていました。以後注意します」

またかよ……と思い、俺がうんざりしながら答えると、不動産屋が変な事を言い出した。

「昼過ぎというと、何時頃からですか?」

「確か二時か二時半頃だったと思うんですが」

「それは間違いないですか?注意して欲しいと苦情の電話があったのは、六時過ぎ頃なのですが……」

今の時間は午後八時過ぎ。あれから一度も帰っていないので、どうもおかしい。

晴彦と守夫に事情を話し、不動産屋には今から帰るので、部屋の前で待ち合わせする事になった。

アパートに着くと三十歳くらいの不動産屋の女の人が待っていて、苦情の電話をしてきたのがやはり小池さんだったので、まずそこへ行く事となった。

出てきた小池さんはやはりかなり不機嫌で、話によると、あれから暫らくは静かだったが、五時過ぎ頃からまたうるさくなり、注意しても誰も出てこないので、管理会社に電話をしたらしい。

俺があの時に出かけたまま帰っていないことを話すと、最初は疑っていたが、買い物をしたときと、ファミレスで飯を食ったときのレシートの時刻を見せると、流石に納得した。
不動産屋「あの……もしかして空き巣では?」

階下の小池さん「さっきまでうるさかったから、まだいるかも」

晴彦「マジかよ……お前鍵ちゃんとかけたか?」

俺「ちゃんと掛けたけど、お前も見てただろ。つーか、俺の部屋入って何盗むんだよ(笑)」

守夫「とりあえず部屋に行ってみて、確認すればはっきりするんじゃね?」

ということで、俺と晴彦と守夫、それと不動産屋と小池さんで、俺の部屋へ行ってみる事となった。

俺の部屋に着くと、予想通り鍵は掛かっていた。

空き巣が鍵をした可能性もなくはないので、俺が鍵を開けて中の様子を見たが、玄関から見た範囲におかしなところはない。

全員で俺の部屋に入り、部屋の中やユニットバスの中なども調べたが、矢張りなにもない。

出て行く前に飲んだジュースのペットボトルとかもそのままで、人が入ったような痕跡はまるで無い。

小池さんは何か釈然としない顔をしていたが、人がいた痕跡は全く無いのが現実で、どこか他の部屋の音を、俺の部屋の音と勘違いしたのでは?などと話していると、玄関横のユニットバスの部屋から、

……ズズズズズ……

……ガコッ……ガコッ……

と、変な音が微かに聞こえてきた。

俺「何?風呂場からだよな?」

守夫「さっき見たときは何も無かったけど……」

不動産屋「何か臭くないですか?」

とりあえず中を確認しようと、扉を空けた瞬間、異様に生臭いというか、腐臭に近い臭いがしてきた。

鼻を押さえて中を覗き込むと、バスタブの排水溝から、黒い液体がゴポゴポと湧き上がっている。

臭いの元はそれらしく、排水溝の奥からガコッ……ガコッ……と、変な音は相変わらず聞こえてくる。

あまりの臭さに、顔をしかめながら窓を全開にして換気扇を回していると、俺はある事に気が付いた。

この臭いって、キャンプのときにスーラジとアジャイに塗られた、黒い液体と同じじゃないか?

俺「晴彦、守夫ちょっと……この臭いって……」

晴彦「ああ、お前もそう思ったか」

守夫「……偶然だよな……」

そんな話を俺達がこそこそと話ていると、ハンカチで鼻と口を押さえながら不動産屋が、

「騒音の原因はこれかもしれませんね。明日業者に来てもらうので、こちらでホテルは用意しまから、そちらで一泊してもらえませんか。これではここにいるのは無理でしょうし」

本来ならこの提案は受けるべきなんだが、俺は臭さと同時にあの時の恐怖が蘇っていたため、とてもこれから一晩一人で過ごす勇気は無い。

不動産屋には、「今日は晴彦か守夫の部屋に泊まるのでそれは良い」と言い、そそくさと全員を部屋から出し鍵を閉めた。

とてもじゃないが、あの部屋にこのままい続けるのは、臭いもあるがそれ以上に、『やつら』がきそうで恐ろしかったから。

小池さんは、配水管が詰まったか何かして、変な音がしていたのだろうと納得し、俺に「誤解をしてすまない」と軽く謝罪をすると帰って行き、不動産屋も、明日の予定を軽く説明すると帰って行った。

残された俺達は、恐らく真っ青な顔をしていたと思う。

俺「ただの配水管の詰まりかなにかだよな?あれは関係ないよな?」

晴彦「俺達関係ないだろ……石持ち帰ろうとしたのはスーラジとアジャイだし」

守夫「……偶然だろ。ありえねーよ」

とにかく三人とも「偶然だ」ということで済ませたかったが、臭いが正にそのままなうえに、変な音というのも気になる。

皆一人で夜を明かすのは恐ろしかったのか、今晩は守夫の部屋に三人で泊まる事にした。

それから守夫の部屋で、朝まで起きているつもりだったのだが、何か妙に三人とも眠気があったため、一時過ぎ頃寝る事にした。

深夜三時頃、俺は守夫に起された。晴彦も起されたらしい。

何で起したのか聞いてみると、守夫が言うには、窓の外から大勢の話し声が聞こえてきていて、それが徐々に近付いてきているらしい。

聞き耳を立ててみると、確かに何か聞こえる。

晴彦「神経質になりすぎじゃないか?誰か外で話してるだけだろ」

守夫「いや……でも」

俺「何だよ」

守夫「ここ三階だぞ。何で下じゃなくて、横から声が聞こえるんだよ」

たしかに言われて見ればそうだ。気のせいなのかもしれないが、何か気味が悪い。

ひとまずもう寝ていられないので、電気をつけてゲームの続きでもしようと、晴彦が電気をつけるため天井のほうを見た。

晴彦がそのまま絶句して硬直している。

何事かと俺と守夫が、晴彦の見ているほうを見てみると……

何十人という青白い顔が、俺達のほうを無表情に凝視していた。

体は無い。顔だけが天井に何十と張り付いている。

「うああああああああああ」

俺達はもう恐怖心で恐慌状態になり、着の身着のまま守夫の部屋を逃げ出した。

俺と晴彦、守夫は、もう部屋に戻る気になれなかった。

明るくなったらすぐ、神社かお寺で御祓いをしてもらう事にして、そのまま恐怖心を紛らわすため、カラオケボックスで日が高くなるまで、無理にハイテンションになって歌い続けた。

午前十時頃、俺達は携帯で、二駅先に神社がある事を調べ、そこで御祓いをしてもらうため電車に乗った。

俺は電車の中である事に気が付いた。

俺達を見ていた顔、普通の人の顔ではなかった。

青白いとか死人っぽいとか、そういうのではない。おかしかったのは、そいつらの目。

俺達が見た顔の目は、目が縦になっていた。

上手く伝わるだろうか?目が横に水平では無く、縦に平行になっていた。

要するに人じゃない。

後から聞いてみると、晴彦と守夫もそれに気付いていた。

神社に着き、神主の人に事情を話すと、かなり胡散臭そうな顔をしていたが、俺達があまりにも必死な顔で話すので、一応最後まで真剣に聞いてくれて、御祓いもちゃんとやってくれた。

神主の人が言うには、その祠に二度と近付かないなら、多分大丈夫だろうとのこと。

御祓い後は、俺達に妙な事は起きていない。

もう一つ、キャンプのとき一斉に振り向いた顔。

それも同じ目をしていた事を、なぜか御祓い中に不意に思い出した。

以上が俺達の体験。

翌日不動産屋から電話があったのだが、業者に見てもらったところ、配管には何の問題もなかったらしい。

一応何かが逆流してきたのは事実なので、他の部屋や地下の配管も調べたが結局何もなく、暫らく様子を見るという事になったとか。

その後、配水菅の逆流とかは起きていない。

御祓いが効果あったのだと思いたい。

ちなみに、掃除業者が入って、俺の部屋のユニットバスを綺麗に掃除してくれたのだが、暫らく臭いが取れず、臭いが消えるまで俺は、不動産屋の用意してくれたホテルで十日ほど暮らす事になった。

何か少し得した気分だった。

事の顛末

キャンプから帰った後、スーラジとアジャイに何が起きたのか、二人と交流のあった人たちの話を繋ぎ合わせて書きます。

ほぼ全部が伝聞なため、どこまで正確かは分からない。

※話の展開上、伝聞が多いため、口語調の部分は殆どありません。

夏休みが終わり大学へ行くと、スーラジ、アジャイとそこそこ交流のあった友人が俺達に話しかけてきて、変なことを言ってきた。

スーラジとアジャイがキャンプについて友人に話したらしいが、長いので要約すると……

俺と晴彦、守夫と一緒にキャンプへ行った。

そこまでは合っている。問題はそこからで、キャンプ地で洞窟を見つけたのだが、スーラジとアジャイは、面白そうなので見てみたいと、行ってみようとしたという。

一緒にいた守夫は暗がりが怖いのか怯えていたが、独りになるのも嫌なようで付いて来た。

洞窟の奥には小さな建物があり(祠の事だろう)、それだけだったので引き返そうとすると、守夫が建物の扉を開けて、中の石を持ち出そうとしていた。

スーラジとアジャイがそれに気付き、注意したが聞き入れられず、そこで喧嘩になった。

そこまで聞いて、俺は事実と違うと話したが、友人は何か思わせぶりに、「まあ分かってるから最後まで聞いてくれ」と先を続けた。

その夜、石のせいで俺と晴彦と守夫が幽霊に襲われ、ガタガタ震えながら泣いて謝っているのをみかけたので、スーラジとアジャイは勇気を振り絞って飛び出し、「石は返すから」と幽霊を説得し、追い払ってあげたらしい。

翌朝にスーラジとアジャイが、昨夜の事は石のせいなのだから、返しに行こうと俺と晴彦と守夫を誘ったが、恐ろしくて行けないということで、変わりにスーラジとアジャイが返しに行って、そのまま帰った。

俺はあまりのバカバカしさに、怒りすら湧いてこなかった。

何であの晩の事が、スーラジとアジャイの武勇伝みたいになってるのかと……

俺は友人に、話しの内容が大きく改変されている事、大筋で俺と晴彦、守夫の位置が、スーラジ、アジャイと入れ替わっており、しかも所々に妙な脚色まである事や、俺達が二人の巻き添えで、夏休み中酷い目にあった事を伝えると、友人は「だろうな(笑)」と、全て分かっていたかのように笑いかけてきた。

ちなみにその友人は、自分も妙な現象を見るまで、幽霊の話はネタだろうと思っていたとか。

友人が言うには、キャンプからもどって数日後。スーラジとアジャイの姿を見かけると、後ろに黒いモヤのようなものが見えたり、スーラジ、アジャイといっしょにいると、ブツブツと囁き声のようなものを聞いたりと、怪現象が続いたので、恐らく原因を作ったのはスーラジとアジャイだろうと、直感的に感じていたらしい。

更にこの直感に追い討ちをかけたのが、話を聞いてから二週間後くらいから、スーラジとアジャイはスーラジの部屋に篭るようになった。
(親が金持ちらしく、そこそこ立派なマンションに住んでいた)

金を降ろすのと飯を買いに一階のコンビニへ出かける時以外、殆ど外に出歩かなくなってしまった。

そのため友人は、「やはり原因を作ったのはこの二人だったか」と、妙に納得したとか。

友人はこれ以上は詳しく知らないらしく、その後二人と会っていない。

というか、電話をしても外に出ようとせず、友人に会おうともしないうえに、篭っている事情も一切話さないため、今どうしているのかは知らないという。

この話を聞いたあと、夕方近くに守夫から携帯に電話があった。

守夫が言うには、スーラジとアジャイがキャンプでの話を改変して、あちこちに言いまわっていたため、守夫や俺達は霊現象を別にしても、ヘタレのレッテルを貼られてしまっていて、誤解を解かないとまずいようだ。

晴彦にも連絡を取り、なんとか誤解を解く方法は無いかと話し合ったが、結局良い案は浮かばず、一人一人誤解を解くしか無いという結論になった。

この後、実はある出来事をきっかけに、誤解はある程度解けたのだが、それは省きます。

大雑把に書くと、スーラジとアジャイがゼミの教授に泣き付いて来たのだが、その時話した内容が、それまでの『武勇伝』と違っていたため、それをきっかけに二人の嘘はばれた。

この一件があるまで俺と晴彦、守夫は、スーラジとアジャイも俺達が御祓いした神社へ連れて行くつもりだった。

しかし、酷いようだが、あれだけ怖い思いをした挙句に、こんなデマを流されたので最早その気は無く、俺は晴彦、守夫二人と話し合って、留学生二人を放置する事にした。

大学が始まってから二週間後、ようやくスーラジとアジャイが大学に現れた。

俺達はもう二人に関わる気が無かったので、二人を無視していたんだが、晴彦と守夫が学食で飯を食っていると、スーラジとアジャイが現れて因縁をつけてきたらしい。

俺はその時、別の友達と大学の外で飯を食っていたので難を逃れた。

以下二人の話

晴彦と守夫が他の友達数人と飯を食っていると、スーラジとアジャイが同じ留学生仲間何人かと、二人と仲の良い日本人何人かを連れて、二人のところにやって来た。

そして、「お前らのせいで酷い目にあっている」と、大声で喚き散らしてきたらしい。

留学生二人の話を要約すると_

あれから毎晩のように無言電話がかかってきたり、水道の蛇口から例の臭い液体が流れ出したり、夜中に窓を外からバンバンと激しく叩く音が聞こえてきたり、駅のホームで電車を待っていると、後ろから突き飛ばされてホームに落ちそうになったり、青白い顔の例の連中に後を付回されたりと、かなり色々起きているらしい。

しかも、最近はその頻度が多くなってきていて、あまり外に出る気も起きないとか。

ひとしきり話すと、スーラジが守夫の胸倉を掴み、「お前のせいだ、お前が原因だ!」と殴りかかってきた。

それを見ていた晴彦や友人達が、スーラジを取り押さえた。

すると、暫らく喚いていたスーラジと、晴彦達を引き剥がそうとしていたアジャイは、窓の外を凝視して動かなくなり、暫らくすると、

「あああああああああああああああ!」

と絶叫しながら逃げていった。

スーラジとアジャイは何かを見たらしいのだが、晴彦や守夫とその友人たち、それとスーラジとアジャイの仲間には何も見えなかったらしく、暫らくスーラジとアジャイが逃げていった先を呆然と見ていた。

スーラジとアジャイの仲間は、二人が逃げていってしまったためどうすることもできず、そのまま帰って行った。

俺は晴彦と守夫からその話を聞いて、夏休み中のこともあって怖かったが、まあ自業自得だろうとしか思わなかった。

ちなみに、スーラジを引き剥がそうとしていた晴彦によると、微かにではあるがスーラジから、例の生臭いというか腐臭というか、『あの臭い』がしていたらしく、多分またどこかで塗りたくられたのではないか、とも言っていた。

スーラジとアジャイはゼミが同じなので、その後も何度か顔はあわせたが、お互い会話する事もなく、学食での一件のように因縁をつけられる事もなかったが、二人は会うたびに俺達を睨みつけていた。

そんな事が暫らく続いたある日、事件が起きた。

どうも二人が失踪してしまい、五日ほど全く連絡が付かないらしい。

それから更に三日後、二人は民家の庭で泥だらけで震えているところを、警察に保護されたとか。

泥だらけと聞いたが、俺達は恐らくまたあの液体を塗られたのだろうと思った。

ちなみに、失踪前にある出来事があったため、俺達は何か大きな事件が起きる事が想像できていた。

それは何かというと、二人が失踪する前日、俺達が大学の帰り道でスーラジとアジャイを見かけたのだが、二人の後ろを、十人ほどの集団が付いて行っているように見えた。

何となくその後姿を見ていると、その集団のうち一人がこちらを振り向いた。

その時俺と晴彦、守夫は硬直した。

格好は普通のサラリーマン風だったのだが、そいつの顔についている目は、俺達が夏休み中に見た『あの目』だった。

一瞬だったが間違いない。外が明るかったのではっきりと見てしまい、非常に気持ち悪かった。

スーラジとアジャイが何故数日間失踪したのか、その間何をしていたのか、その辺りは分からない。

その事件のあと二人は暫らく入院していたが、親が二人を連れて帰国し、そのまま大学を自首退学したらしい。

彼ら二人の身に何が起きているのか、今後何が起きるのか、それは考えたくも無い。

どちらにしろ、ろくな事になはらないだろう。

最後に私見だが、一連の事件では必ず、生臭いというか腐臭のする黒い液体が関わっている。

もしかするとあの液体が、『気持ち悪い目の集団』が標的を追跡する目標になっているのではないか?と思った。

かなり長い話になってしまいましたが、これで俺の体験は全て終わりです。

御祓い以降、俺達には何も起きていないため、もう大丈夫だと思います。

(了)

 

本当にヤバい!!昭和の「都市伝説」大全集 [ 「噂の真相」を究明する会 ]

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Comment

  1. 匿名 より:

    匿名、バカなの?
    仮名的にインドでも、行動が~のようだって言ってるんだよ
    難しかったかなw

  2. 7c より:

    ずうずうしい、モラルの欠如、虚言癖、大声で喚く、群れを作る・・・

    名前以外は、特定アジアのCかKのようだが

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